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レポート:虹色どまんなかパレード2016

2016年9月17日(土)、名古屋のナディアパークと矢場公園を会場に、第5回を記念し、これまで以上にパワーアップした虹色どまんなかパレード2016が開催されました。楽しさも、感動も、幸せもあふれていて、本当にいいパレードでした。

レポート:虹色どまんなかパレード2016

2016年9月17日(土)、名古屋のナディアパークと矢場公園で虹色どまんなかパレード2016が晴れやかに開催されました。名古屋ではこれまで4回、ハロウィンの時期にパレードが開催されてきました。今年はリニューアルして9月の連休にパレードを実施するとともに、約1週間の期間中にシンポジウムや映画上映、作品展などさまざまな催しが行われる「NAGOYA RAINBOW WEEK」という形になりました。今回はレインボーウィークのオープニングとして開催された第5回記念の虹色どまんなかパレード2016をレポートします。ステージの素晴らしいショーの数々、たくさんのブース、そしてブラスを先頭に名古屋随一の商業地区・栄の中心、久屋大通や大津通を行進したパレードの模様をお伝えいたします。(後藤純一)


























 9月17日(土)は、台風16号接近の影響で一時は雨の予報も出ていたのですが、きっとみなさんの日頃の行いがよいためでしょう、暑いくらいの1日となりました(ハーパンはけばよかった…と後悔)
 
 第5回を数える今回の虹色どまんなかパレード、LOFTが入ってたり、DIESELなどのショップが入ってたりするオシャレスポット「ナディアパーク」と隣接する矢場公園で開催されました。ステージやブースが設けられたナディアパーク<2階アトリウム>は全面ガラス張りの明るいイベントスペースで、そこを出て目の前の階段を降りると公園という素敵ロケーション(しかも金色に輝く「夢の女神」がまるでベルリンのジーゲスゾイレの女神像のように公園に集う人々を見守っているという素晴らしさ)でした。

 虹色どまんなかパレードでは以前はそんなにブースは出展されていなかったと思いますが、今回はライフネット生命やプルデンシャル生命などの企業や、LGBTの家族と友人をつなぐ会などのNPO、素敵なTシャツを売っているお店など、様々なブースが並び、とてもカラフルな感じでした。
 12時過ぎからステージでは、NSM=の高倉さんと実行委員の方が司会を務め、オープニングパフォーマンスがスタート。今年はパレードを皮切りにNAGOYA RAINBOW WEEK(NAGOYAってアルファベットで書くと名古屋圏の意味なんだそうです)がスタートするということで、様々なイベントが行われるほか、46社もの企業がLGBTフレンドリー宣言をしたそうです。この宣言は、単にフレンドリーですよと言うのではなく、社内規程で性的指向や性自認による差別をしないと明記したり、社内でLGBTについての研修を行ったり、トランスジェンダーの従業員向けにトイレや書類の性別欄を改善したり、福利厚生で同性パートナーも男女の夫婦と同等にするなどの取組みを行っていることが必要なんだそうです。NAGOYA RAINBOW WEEKのパンフレットに載っている会社に、さっそく当事者から就職の問い合わせもあったそうです。
 また、1週間前に行われたみえレインボーフェスタのお話もありました。伊賀市に移住してきたカップルにサプライズで市長が宣誓書を渡す場面が感動的だったそうです。
 そんなみえレインボーフェスタを主催した山口颯一さんが、FTMのユニット「X-ways」としてライブを披露。トランスによる声変わりの難しさを見事に乗り越えた美声の持ち主であるボブさんも参加して、素敵な歌とラップを聴かせてくれました。オリジナルの曲、よかったです。ジーンときました。
 Golden Flagsのみなさんのカラーガードパフォーマンス(大きな旗を振りながら踊る)もよかったです。MCでメンバーの中のお一人がガンであるということをカミングアウトしていて、それでいて精一杯パフォーマンスする姿を見ていたらちょっと胸がいっぱいになってしまいました。
 オープニングのトリを飾るアクトとして、名古屋が誇るデラハンことDXハンターのみなさんがハロプロメドレーのダンスパフォーマンスを披露! 女性陣のハンパないキレのよさ、男性陣(たぶんゲイ)のキュートさ、全体としてのカラフルさと躍動感と多幸感。マジ本気で素晴らしかったです。東京のクラブイベントにもゲストで呼ばれたりしてますが、なかなかそのパフォーマンスを間近で見ることってないので、心の中で「Help me!!」を一緒に踊りながら最高!って叫んでました。

 興奮冷めやらぬなか、パレードに向けて公園で整列が始まりました。
 今回は3つのフロートに分かれて歩きます。先頭はマーチングバンドとカラーガードのみなさんが率いる「レインボーブラスフロート」。2つめは「キラキラ☆J-POPフロート」。NSM=や虹組ファイツの方たちも歩きます。そして3つめは「虹パレ♪カーニバルフロート」。レスベランザさんをはじめ、名古屋が誇るドラァグクイーンの方たちがゴージャスに彩る、クラブミュージックで盛り上がるフロートです。
 公園を出て商店街をしばらく歩き、名古屋高速沿いの大きな通りに出て、ここからパレードがスタート。久屋大通に入ると、パルコや松坂屋や三越が並ぶエリアです。沿道や公園やバスの中から手を振ってくれる人がたくさんいたり、ドラァグクィーンのみなさんがものすごい勢いで写真を撮られていたり、ずっとついてきてノリノリで踊ってるおじさんがいたりして、あったかくて楽しかったです(通りの感じとか、テレビ塔が見えるところも含めて、札幌っぽいなあと思いました)。大津通りを歩いて、再び名古屋高速に出くわしたところでパレードは終了。公園に帰ってくると、ブラスのみなさんが「おかえりなさい」演奏をしてくださっていて、ジーンときました…。
 東京レインボープライドでもメインスポンサーだったチェリオが無料でライフガードを配ってくれていて、疲れた体に心地よい潤いが…超うれしかったです。チェリオばんざい!

 しばらくして、ナディアパーク2階のステージでエンディングパフォーマンスが始まりました。
 もはやパレードにはなくてはならない存在となっている「虹組ファイツ」のみなさん。新人さんもたくさん登場し、フレッシュに元気よく、数曲を披露してくれました(会場の女性の方たちから「カワイイ!」という声も上がっていました)
 そして、こちらもおなじみ「NSM=」のみなさん。今回も素敵な衣装で、オリジナル曲や48の曲を披露。途中、着ぐるみも登場したりして、楽しく盛り上げてくれました。
 そしてそして、お待ちかねのドラァグクイーン・ショー。ダンサーの方たちも交え、大勢が入れ替わり立ち替わりで「ドリームガールズ」の本格的なメドレー・ショーを繰り広げ…まさに夢のような、どなたが見てもうっとりするような、掛け値なしに素晴らしいショーでした。パレードのためにこの力作を披露してくれたみなさんの心意気に拍手!
 エンディングパフォーマンスのトリを飾ったのは、人気沸騰中のFTMユニット「SECRET GUYZ」。意外にも名古屋では初だそうですが、今回は11/30リリースの新曲「OH,MY GiRL!?~夏をあきらめて。冷やし中華終わりました。~」も披露してくれて(かわいい曲!またオリコン上位に入るといいですね)、いつものように熱気あふれるステージとなりました。
 
 最後に、再び公園に移動して、エンディングセレモニーが行われました。
 実行委員長の安間優希さんがご挨拶して、今回はパレード参加者が500人、沿道の応援なども含めたイベント全体の参加者は1000人だったとアナウンスされました。人数的にも過去最高の盛り上がりと言えそうです。
 以前の池田公園では、フィナーレとしてバルーンリリースが行われていましたが、なんと矢場公園では風船を飛ばす許可が下りなかったそうで、代わりに大きな風船を割って、中からくす玉のようにレインボーの風船が降ってくる(その中に1つ、アフターパーティのチケットが入っている)という演出となりました。
 手作り感満載ななかでも、スゴいショーもたくさん見れて、ほのぼのしつつ、いいもん見れた〜という満足感も、楽しさも、感動も、幸せもあふれていて、本当にいいパレードでした。
  
 名古屋といえば、みなさんまず「NLGR+」を思い浮かべると思いますが、パレードの方は今まであまりゲイの方は参加していなかった気がします。でも今回は、パレードこそ歩かないものの、沿道で一緒に歩いてる方や、自転車でずっと伴走してるゲイと思しき方、公園に様子を見に来た方など、NLGR+に来られてるような方も結構いらっしゃいました。ブラスのみなさんがたくさん参加してくださったことも、とても感銘を受けました。 
 まだまだ名古屋でパレードやってるって知らない方も多いようですが、あるいは仮装して歩くとかでも楽しいですし、会場に遊びに来るだけでもいいと思いますので、来年はぜひ、参加してみてください。
 

★虹色どまんなかパレード2016のフォトアルバムはこちら

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