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レポート:東京レインボープライド フェスタ&パレード(3)パレード
5月6日(土)7日(日)、東京レインボープライドの(レインボーウィークのフィナーレとなる)フェスタ&パレードが代々木公園イベント広場で盛大に開催され、過去最高となるのべ約10万人を動員しました。4回に分けてレポートをお届けします。3回目はパレードの様子です。
2017年5月6日(土)7日(日)、東京レインボープライドの(レインボーウィークのフィナーレとなる)フェスタ&パレードが今年も代々木公園イベント広場で盛大に開催され、過去最高となるのべ約10万人を動員しました。
両日とも(土曜日は雨の予報も出ていましたが「パレードは晴れる」のジンクスの通り)とてもよく晴れて、絶好のイベント日和となり、代々木公園には朝からたくさんの方たちが訪れ、ステージで行われたパフォーマンスを楽しんだり、広場に所狭しと並んだ100軒以上のブースを見て回ったり、思い思いにセクシュアルマイノリティのお祭りを満喫していました。
1日目の「フェスタ」のステージでは星屑スキャット、東京ゲゲゲイ、清貴さんらが出演し、2日目の「パレード」では、中島美嘉さんが6曲を熱唱し、超満員の会場は大歓声に包まれました。
過去最高の23のフロートが出走したパレードも、MODI(マルイ)のデジタルサイネージが東京レインボープライド開催を祝うレインボー仕様になり、沿道でも多くの方たちがハイタッチしたり、お店から出てきて応援してくれる方などもいて、約5000人の行進を盛り上げてくれました。
全4回に分けて東京レインボープライド「フェスタ&パレード」のレポートをお届けします。1回目はブースなど広場の様子です。
(文・写真:後藤純一、写真:カケジク)
過去最高の5000人が歩いたパレード
11時過ぎから整列が開始され、12時少し前には恒例のメディア向けフォトセッションが行われました。主催者の方や議員さんだけでなく、毎年歩いている鎧兜の方など多彩な参加者の方も交えての写真もありました。
12時ちょうどにパレードが晴れやかにスタートし、過去最高の約5000人の方々が渋谷の街を歩きました。NHK前を出発し、公園通りを歩き、デジタルサイネージが東京レインボープライド開催を祝うレインボー仕様となっているMODI(マルイ)の交差点を渡り、渋谷駅前のスクランブル交差点を左折し、明治通りに入って、原宿ラフォーレ前を左折して代々木公園に戻ってくるというコースでした。
出発地点では警察官の方が交通整理をしながら過去最高となる23のフロート(梯団)を1つ1つ、約5分間隔で送り出し(バスも車も頻繁に通る交差点なので、それなりに時間がかかるのです)、最後のDISELフロートが出発したのは14時9分。2時間超の長大なパレードになりました。後ろの方のフロートの方は2時間近く待つことになったわけですが、出発が近づいてくると「イエーイ!」と歓声を上げて盛り上がったりしていました。
パレードに参加したのは、歩いた方たちだけではありません。沿道で応援したり、歩いている方とハイタッチする方もたくさんいらっしゃいました。今年話題になったのは、原宿交差点近くで「会社内でもカミングアウトしてま~す!!」というボードを掲げていたクロネコヤマトの方でした(「カッコよかった」「涙が出た」とツイートされていました)。沿道にあるお店の方が手を振ってくれたり、福助のように、社員の方々がパレードのために作ったオリジナルのレインボー福助プラカードを掲げて応援してくれた会社もありました。
フロートごとにパレードの様子をご紹介
ここからは、過去最高の出走数となった全23フロートの様子をお伝えします。()内は出展団体です。
この特集ではごく一部の写真しか載せられないので、ぜひこちらのフォトアルバムも併せてご覧ください。それぞれのフロートの特色…どんな先導車だったのか、どんな方たちが歩いていたのか、空気感などが伝わったらうれしいです。また、今回はゲイとレズビアンの2人で撮影をしましたので、いろんな方をバランスよく捉え、パレードが全体としてどんなだったかというところをよりリアルにお伝えできているのではないかと思います。(出発地点と原宿の歩道橋の写真は後藤が、渋谷MODI(マルイ)前の写真はカケジクが撮影しています)
01)“みんな”で、ブラス!2017(東京レインボープライド)
ステージでも素晴らしい演奏を披露してくれた「”みんな”で、ブラス!」のみなさんが先導し、楽しい曲を演奏しながらマーチしました。実行委員の方たちや議員さん、LGBT法連合会などの団体、チェリオやSUUMOなどの企業の方など、多彩な方たちが歩いていました。
02)GRAMMY TOKYO(GRAMMY TOKYO)
いつも元気な「GRAMMY TOKYO」(FTMの方たちのクラブパーティ)のフロート。今回もドハデなフロートにFTMのGOGOさんが乗って、ノリノリで盛り上がっていました。ポケモン軍団の皆さんやLGBT-ALLY(Nijiリクルーティング)の方たちなども歩いていました。
03)Power Of Education ~自分らしくいられる未来を作ろう!~(Revo∞Link)
“教える”人も、“教わる”人も、“見守る”人も、一緒に「そのままのあなたが素敵だよ。味方は側にいるよ!」というメッセージを届けましょう!という趣旨。大学のLGBTサークルをはじめ、学生さんたち(白衣を着た方も多数)や教職員の方たち、ヴィーブヘルスケアの方たちも参加していました。
04)親子で歩こう!家族と歩こう!(NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会)
NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会が初めてフロートを出走させました。「Be Yourself」というメッセージが書かれたフロート(トラック)に尾辻孝子さんらが乗り、「あなたはあなたらしくていいのよ」とマイクでメッセージを送っていました。家族や友人がゲイだったりトランスジェンダーだったりする方たちが大勢参加していると思うと、ちょっと感動的でした。Johnson&Johnsonやtell(在日外国人向けにメンタルヘルスケアを行う団体)の方たちなども参加していました。
05)今すぐ同性婚法制化を! with gossip(gossip)
「同性カップルが一日も早く法的に結婚できるように。同性婚の法制化を望む人たちと、その日を応援する人たちで、一緒に歩きましょう!」という趣旨で、東小雪さん&増原裕子さんや村木真紀さんが先頭で垂れ幕を持って行進。ゲイカップルやレズビアンカップル、LUSH JAPAN、司法書士の方たちなども目立っていました。
06)OUT IN JAPAN(OUT IN JAPAN)
今年も白いフラッグが美しいフロート(トラック)の上に「OUT IN JAPAN」に登場した方たち(清貴さんも!)が乗り、クラブミュージックとともに行進しました。松中権さん、南定四郎さん(1994年に初めてパレードを開催した方)、VENさん(日本で最もパレードへの参加回数が多い方)、東北のろう者のLGBT団体の方、大きなレインボーフラッグを持って歩く方たち、HUMAN RITHS WATCHの方たち、マルイの方たちなども参加していました。
07)Spindle+ “Anytime, Anywhere, LGBTはみんなの周りにいるよ”(Spindle+)
日本初のLガールズ向けiPhoneアプリ「Spindle+」は、今年も♀♀マークとピンクの風船が印象的なフロート(トラック)で、アロム奈美江さんや牧村朝子さん、ポーカーフェイスの時のガガの格好をした方などが乗り、クラブミュージックとともに盛り上げていました。amazonの社員の方たちが先頭で、女性がたくさん、元気に歩いていました。
08)Korea Queer Culture Festival(Korea Queer Culture Festival)
今年で18回を数える韓国最大のプライドイベント「Korea Queer Culture Festival」が、TRPに初出走。K-popで盛り上がっていて(出発の時にかかっていたのはKARAの「ミスター」の原曲)、楽しそうでした。大塚隆史(タック)さんやaktaのジャンジさんなども歩いてました。今年のソウルのパレードは7月15日に開催されるそうです。
09)European Ambassadors 4 LGBT(欧州各国大使館)
日本のLGBTコミュニティを応援する欧州の大使たちがパレードに集結! 欧州14ヶ国と駐日欧州連合代表部の大使、大使館・代表部の職員とその家族、友人たち総勢100名が1つのグループとして初めて一緒にパレードを歩きました。ライフネット生命のみなさんなども歩いていました。
10)LGBT ファイナンス(LGBT ファイナンス)
金融機関で働くLGBTの社員の個性を尊重し、支援する職場環境を作り出すと共に、LGBTコミュニティを取り巻く課題への意識向上を目的として設立された「LGBT ファイナンス」のフロート。ワゴン車が先導し、ジョージ・マイケル(追悼ですね)やビヨンセなどの曲で盛り上げていました。野村証券、第一生命、みずほ銀行、ゴールドマンサックス、JPモルガン、EY、バークレイズ、シティバンク、ドイツ銀行、UBS…いろんな金融系企業の方たちが参加。お子さんが「みんな愛してる!」というプラカードを高々と掲げている姿に胸が熱くなりました。
11)Born To Be Happy(東京レインボープライド)
TRPの公式キャラクター「トビー」が乗った赤いフロート(トラック)が「HOT STUFF」などのアンセムで盛り上げていました。合言葉はもちろん「ハッピープライド!」。丸井グループ、レインボーリール東京、Party Animal$、早稲田OB稲門会などのみなさんも参加していました。
12)まい・まい・まーち(特定非営利活動法人にじいろ学校)
アセクシュアル、Xジェンダー、クエスチョニングなど、LGBT以外のセク「まい」をアピールするというコンセプトの、新しいフロートでした。1tトラックに音響設備を積み、親しみやすい曲(J-POPなど)が流れていて、アセクシュアルやXジェンダーの方だけでなく、ロバート・ウォルターズやYIS JAPANなど、さまざまなグループの方も参加していました。
13)Let’s MAZEKOZE号(一般社団法人Get in touch)
東ちづるさんが主宰する「Get in touch」のカラフルなフロート(トラック)には、ドラァグクィーンの松坂牛子さんやダウン症の方、障がいを持つ方などが乗っていました。かかっていた音楽は「Get in touch」のテーマソングでしょうか? 車椅子の長谷川博史さんや阿部知代さんらも参加していました。ダウン症の子どもたちが笑顔で「アライになろう!!」というプラカードを掲げていたのが、ちょっとジーンときました。
14)TOKYO NO HATE(Tokyo No Hate Festival)
「BLEND IS BEAUTIFUL」というメッセージを掲げた大きなフロート(トラック)で、音響がダントツでよかったです。DJやパフォーマーの方(ジャンジさんの「ハグたいそう」で使われたと思われるオオカミさんの着ぐるみ)が盛り上げていました。「東京大行進」に参加していた方たちだけでなく、競パンの方も、企業の方も、ドラァグクイーンやトランスジェンダーの方も、多彩な方が参加していました。
15)TOKYO ZENTAI CLUB~全身タイツレインボーマーチ~(TOKYO ZENTAI CLUB)
橋口さんの映画『ゼンタイ』で知名度が上がったのでは?と思われるTOKYO ZENTAI CLUBのみなさんが、TRPに初参加。実際に全身タイツを着て参加した方は30人くらいでしたが、注目度は高かったようです。アニメのキャラクターのコスプレの方なども参加していました。
16)LGBTウエディングマーチ(Juerias LGBT Wedding)
『渋谷を走る結婚式』というコンセプトで、今年もフロート(トラック)にタキシード姿のゲイカップルとウェディングドレスのレズビアンカップルが乗り、恋ダンスを踊ったり、シャボン玉を振りまきながら華やかに行進しました。たくさんのカップルが手をつないで参加していて、中にはアメリカで結婚しているゲイカップルもいました。
17)AXA Pride Japan LGBT & Allies(アクサ生命)
「様々な人生を応援したい」「5月の空にみんなの人生を祝福するウェイブを起こしましょう」という趣旨で、アクサ生命の方たちがお揃いのTシャツを着て歩いていました。
18)NIJIT – Rainbow in Tech(NIJIT)
NIJITはIT業界で働くLGBTQとAllyの集まりです。レインボーのフロート(トラック)に女性が数名乗って、accenture、Google、IBM、Yahoo!、ORACLE、Microsoftなど、たくさんのIT系企業の参加者たちを先導していました。
19)AIG Japan LGBT & Allies Rainbow ERG(AIG Japan)
「みなさま、一緒にパレードを盛り上げましょう!」ということで、AIG JapanグループのLGBT+Allyの従業員の方たちを中心に、お揃いの水色のTシャツを着た方たちが歩いていました。
20)I WELCOME -私とあなたの“ありのまま”を大切に-(公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本)
国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」がフロート(トラック)を出走させ、DJさんがクラブミュージックをかけて盛り上げていました。お揃いの黄色いTシャツを着た方たち、白いTシャツの方たち、そして「キリストの風」集会の方たちなども参加していました。
21)Make a Rainbow ~想いよ届け!~(東京レインボープライド)
高校生が一緒に創る主催者メッセージフロート。いろんな方たちが思い思いのメッセージを掲げて歩いていました。
22)DJツナコのIt’s a カラフルワールド☆(27GO! PROJECT)
27GO! PROJECTのDJツナコと仲間達が、ごきげんなミュージックに乗せてみんなのカラフルな愛のメッセージを発信。カラフルなDJフロート(トラック)にツナコ(着ぐるみ)やNSM=の方が乗って、クラブミュージックとともにマイクパフォーマンスもしていました。外国人の方、TENGAやストライプインターナショナルの方も目立ってました。
23)MAKE LOVE NOT WALLS by DIESEL(ディーゼルジャパン株式会社)
パレードのトリを飾ったのは「MAKE LOVE NOT WALLS.」というメッセージを掲げたDIESELのフロート。ラシャペルが手がけた写真で車体を覆ったフロート(トラック)でDJさんがSpinし、DIESELのハイセンスなTシャツを着たBeautiful Peopleをノリノリにさせていました。隊列の最後尾で、グリーンバードのみなさんが歩きながら沿道のゴミを拾っていました(本当に頭が下がります。ありがとうございました)
☆東京レインボープライド2017 パレードのフォトアルバムはこちら
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