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レポート:第50回 Living Together のど自慢

6月3日(日)、第50回記念となる「Living Togetherのど自慢」が二丁目の「九州男」で開催されました。これ以上ないくらいアットホームで、楽しくて、素晴らしいイベントでした。

レポート:第50回 Living Together のど自慢

2018年6月3日(日)、第50回を数える記念すべき「Living Togetherのど自慢」が、二丁目のバー「九州男」で開催されました。HIV陽性者の手記をリーディングしつつ、カラオケで1曲歌うという、ユニークなスタイルが好評を博し、「九州男」さんのご協力もあり、回を重ねて、めでたく50回を迎えました。これまでいろんな方が(ボランティアで)参加し、朗読し、歌い(時には踊ったりパフォーマンスを繰り広げ)、盛り上げてくださいました。今回も、これ以上ないくらいアットホームで、楽しくて、心から幸せな気持ちになれる、素晴らしいコミュニティイベントになっていました。レポートをお送りします。(後藤純一)





 正直に言うと、(90年代からのさまざまなHIV関連イベントに出演したり、取材したりしていましたが)「Living Together のど自慢」は、それほど毎回、熱心に通っていたわけではなく、今回が数年ぶりでした。第50回という節目に、お祝いに行こう、ちょうど予定もないし、という気軽な感じで行ってみたのですが、あらためて、本当にいいイベントだなぁと思いましたので、レポートしたいと思います。
 
 今回も、マダム・ボンジュール・ジャンジさんが司会をつとめ、YUMEさんがDJをしていて、いつも通り、楽しい雰囲気で、第1部のショータイム? パフォーマンスタイムが始まりました。
 トップバッターはDELIVERY BOYSのアレックスさん。マッキーの名曲をギターの弾き語りで歌ってくれたのですが、びっくりするくらい、上手でした。それから、東京都福祉保健局でHIVのことを担当しているオネーギンさん。元気に歌ってくれました。そして、新宿二丁目系シンガーソングライターのかつ江さん(MV「二人で朝までビヨンセを」のクオリティがスゴいので、ぜひ見てみてください)が、オリジナル曲「普通の男の子」を歌ってくれました。また聴きたい!と思わせるような歌でした。
 バビ江ノビッチさん、高久陽介さん(日本HIV陽性者ネットワークJaNP+代表理事)、永易至文さん(NPO法人パープルハンズ事務局長)という豪華コメンテーターが、出演者の方の朗読や歌に対して、コメントをくださいました。それぞれの個性が光る、人柄がにじみ出るようなコメントで、面白かったです。
 
 DJタイムでは、YUMEさんが(今年5月中旬に亡くなった西城秀樹さんを追悼する)ヒデキメドレーで会場を盛り上げてくれました。
 第2部はたいへん盛りだくさんで、aktaの岩橋さんからのアナウンス(A型肝炎が流行っている、など)、ぷれいす東京の生島さんとJaNP+の高久陽介さんによるスペシャルトーク、それから、aktaのコーダイさんによる、これまでの50回を振り返っての人気曲ランキング(みゆきの「糸」が1位でした)というコーナーをへて、増田玄樹さん(映画『私はワタシ』の監督さん)、青山吉良さん(俳優)のリーディング&歌が披露されました。特に、吉良さんのリーディングは、仕事で疲れて珍しく平日の遅い時間にゲイバーに飲みに行った方が、マスターと二人きりになって、親の介護とか老後とかシリアスな話になったとき、さりげなくHIV陽性であることをカムアウトして、マスターもさらりとそれを受け止めて、「いつごろわかったの」「8年前」「8年間も…大変だったでしょ?」という言葉にうっかり涙が出そうになって、気がついたら朝になっていて、マスターと一緒にお店を出たら、外は明るくて…というお話だったのですが、その情景がありありと眼に浮かぶような朗読で、会場が水を打ったように静かになり、みなさん真剣に聞き入ってしまっていて、終わると割れんばかりの拍手が贈られました。プロの俳優による本物のパフォーマンス、50回にふさわしい名演でした。
 そして最後に、九州男のまっちゃんも前に出て、出演者の方々もいっしょに、ヒデキの「ヤングマン」を歌って大団円となりました。
 
 
 
 スペシャルトークで生島さんもおっしゃっていましたが、Living Together計画が誕生する前夜の2004年頃、この「九州男」で、HIV陽性者の手記を朗読するイベントが初めて開催され、PERSONZのJILLさんが来られ、『Dear Friends』を歌ってくださるという感動的な一夜がありました。
(実はそれ以前、1990年代にMASH東京のSTD勉強会という月例イベントでも「九州男」のみなさんが快く会場を提供してくださっていました)
 HIV予防啓発関連の予算がどんどん削られ、イベントを開催するのも厳しくなっているなかで、「九州男」のようなあたたかく協力してくれるお店がなかったら、二丁目のHIV予防啓発の活動は、立ち行かなかったかもしれません。まっちゃんとかつきさん、スタッフのみなさんに心からお礼を申し上げたい気持ちです。
 

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