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特集:2018年秋のゲイ映画

この9月から11月にかけて、レインボー・リール東京が『クイーン・オブ・アイルランド』の特別上映を行うほか、関西、香川、福岡などで映画祭も開催され、各地で様々なゲイ映画をご覧いただけます。

特集:2018年秋のゲイ映画
(『クイーン・オブ・アイルランド』より)


現在、ブラジルの伝説的なドラァグクィーン(やトランスジェンダー)の生き様を伝える映画『ディヴァイン・ディーヴァ』が絶賛上映中ですが、10月5日にはアイルランドのドラァグクイーンの半生を追った映画『クイーン・オブ・アイルランド』が特別上映されます(アイルランド大使館との共催で、なんと、アイルランドからご本人が来日するそうです)。そのほか、関西クィア映画祭、香川レインボー映画祭、そして福岡レインボー映画祭(なんと、福岡市が主催します)など、この9月から11月にかけて各地で上映される様々なゲイ映画について、情報を特集として一挙にお届け! 日付順にご紹介いたします。
 


9月12日(水)〜 「デジタル・ロードショー」
LOVE,サイモン 17歳の告白

 アメリカのとある郊外の町を舞台に、ゲイであることを隠して生活するティーンエージャー、サイモンの物語を、ニック・ロビンソン主演で描くロマンティックコメディ。サイモンは、寛容な友人や家族を持ちつつも、自分がゲイであることを知ったら態度が変わってしまうことを恐れ、カミングアウトを先延ばしにします。ハッピーエンドで締めくくられると同時に、まだカミングアウトの途上にある若者たちに光を当てる作品です。この映画を多くの人々に鑑賞してもらいたいという思いから、ニール・パトリック・ハリスやマット・ボマーらが自費で映画館を貸し切り、本作の無料上映会を開催したというエピソードでも話題になった作品ですが、日本では残念ながら配給(上映)されないままでした。しかしこの度、『glee』などを手がけてきたFOXが実施する「デジタル・ロードショー」の第1弾として上映(配信)されることが決定! 9月12日(水)からamazonビデオやU-NEXT、GYAOなど、いろんなプラットフォームで視聴できるようです。
<あらすじ>
サイモンは、両親と妹の明るい家族に囲まれて暮らす普通の高校生の男の子。しかし実はゲイで、そのことをカミングアウトするかどうか悩んでいた。ある日、学校にブルーという匿名のゲイがいることを知ったサイモンは、悩んだ末に自分も匿名でブルーに連絡を取る。返事が来て、彼とのメールに夢中になるサイモン。しかし、同級生にメール履歴が見つかってしまい、彼から自分の女友達との恋の橋渡しをするように脅迫されてしまう……。

『LOVE,サイモン 17歳の告白』Love,Simon
2018年/アメリカ/監督:グレッグ・バーランティ/出演:ニック・ロビンソンほか/9月12日(水)よりデジタル・ロードショー 



9月15日(土)〜 東京
モーリス デジタル修復版

 1980年代に制作され、ゲイ映画の古典(名作)としても、男どうしの愛を描いた耽美な映画としても話題を呼んだ『モーリス』が、デジタル修復版として美しくスクリーンに甦ります。『君の名前で僕を呼んで』の脚本でアカデミー賞を獲ったジェームズ・アイヴォリーが監督をつとめています。
<あらすじ>
1909年、ケンブリッジ大学。キングス・カレッジの寮生モーリスは、同期生で優等生のリズリーと討論を交わすために訪れたトリニティ・カレッジで、討論のメンバーであるクライヴと出会った。知性に満ち、ギリシャの古典的理想主義と同性愛の信奉者だった彼は、夏のある日、モーリスに愛を告白した。しばらく後、クライヴの別荘、ペンダースレイ・パークで過ごしたモーリスは、そこに集う優雅な人々に魅了され、二人の親密さは増していった。1911年、学校を卒業した二人は、それぞれ違う道へ進んだ。モーリスは株の仲買人に、クライヴは法廷弁護人として働いていた。そんな矢先、優等生だったリズリーが同性愛者として風紀罪で逮捕され……。

モーリス』Maurice
1987年/イギリス/監督:ジェームズ・アイヴォリー/出演:ジェームズ・ウィルビー、ヒュー・グラントほか/ユジク阿佐ヶ谷で1週間限定上映



9月15日(土)〜 東京
バトル・オブ・ザ・セクシーズ

 あの『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが伝説のテニスの女王、ビリー・ジーン・キングを演じて話題になった『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』。ビリー・ジーンは元男子世界チャンピオンとの「負けられない戦い」に挑み、全女性の希望と期待を一身に背負ってコートに立ちますが、その陰で、実は女性と恋に落ち、レズビアンであることを自覚していく…という史実が描かれます。たいへん痛快な作品。名作です。
<あらすじ>
1973年、女子テニスの世界チャンピオンであるビリー・ジーン・キングは、女子の優勝賞金が男子の8分の1であるなど男女格差の激しいテニス界の現状に異議を唱え、仲間とともにテニス協会を脱退して「女子テニス協会」を立ち上げる。そんな彼女に、元男子世界チャンピオンのボビー・リッグスが男性優位主義の代表として挑戦状を叩きつける。ギャンブル癖のせいで妻から別れを告げられたボビーは、この試合に人生の一発逆転を賭けていた。一度は挑戦を拒否したビリー・ジーンだったが、ある理由から試合に臨むことを決意する……。

バトル・オブ・ザ・セクシーズ』Battle of the Sexes
2017年/アメリカ/監督:バレリー・ファリス/出演:エマ・ストーン、スティーブ・カレル、アンドレア・ライズ、サラ・シルバーマン、ビル・プルマンほか/ユジク阿佐ヶ谷で1週間限定上映



9月22日(土)〜  
愛と法

 大阪で「なんもり法律事務所」を営んでいる南さん&吉田さんの弁護士カップルを追ったドキュメンタリー映画です。監督はロンドンを拠点に世界各国で映像を制作してきた戸田ひかるさん。2017年の東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門作品賞、第42回香港国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しています(映画祭上映時のタイトルは『Of Love & Law』。レビューはこちら
<あらすじ>
弁護士のカズとフミは大阪の下町で法律事務所を経営している。二人は仕事だけでなく、プライベートでもパートナーであり、2011年にみんなに祝福されて結婚式を挙げた。そんな二人のもとには、セクシュアルマイノリティ、養護が必要な子どもたち、戸籍を持てずにいる人、「君が代不起立」で処分された先生、作品がわいせつ罪に問われたアーティストなど、さまざまな困っている人たちが全国から相談にやってくる。そしてある日、突然居場所を失くしてしまった少年カズマくんが二人の家にやってくる。居候として一緒に生活することとなったカズマくん、そしてカズとフミの3人による新しい生活がスタートした。

愛と法』Of Love and Law 
2017年/日本/監督:戸田ひかる/出演:南和行、吉田昌史、南ヤヱほか/9月22日よりシネ・リーブル梅田にて先行公開、29日より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開



9月23日(日) 札幌
ダイ・ビューティフル

  トランスジェンダーのヒロインの笑いと涙に満ちた生涯と、レディー・ガガの姿で逝きたいという彼女の遺言を叶えようとする友人たちの姿を、巧みなフラッシュバックを駆使して感動的に描いた作品。苦境をはねのける明るさと、生への肯定に満ちた人物像の創造。美しくも切ない、そして、とてもドラマティックで、思わず拍手したくなる映画です。第29回東京国際映画祭で観客賞、主演男優賞を受賞した作品です。主演のパオロ・バレステロスの美しさにはウットリとさせられます。
<あらすじ>美女コンテストで優勝したトランスジェンダーのトリシャが突然死してしまう。彼女の望みは、埋葬前に幾夜も行われる儀式で、毎回違うセレブの装いをまとうこと。友人たちは団結してトリシャの願いを叶えようとする。トリシャが生きた、カラフルでちょっと変わった一生を思い起こしながら。息子として、姉として、母として、友として、恋人として、妻として、そして女王としての人生を…。

ダイ・ビューティフル』Die Beautiful
2016年/フィリピン/監督:ジュン・ロブレス・ラナ/出演:パオロ・バレステロスほか/さっぽろ市民シネマ上映会「さっぽろレインボープライドスペシャル」で上映



9月23日(日)ほか 大阪、京都
サイン

 関西クィア映画祭2018(9/22〜9/24 大阪会場=豊中男女共同参画推進センター「すてっぷ」、10/19〜10/21 京都会場=京都大学西部講堂)で上映される短編映画です。※監督の意向により、本作品は日本語字幕を含めいかなる字幕も付けずに上映します。

<あらすじ>
通勤電車で見かけた時からお互いに気になっていたアーロンとベン。ついにアローンに話しかけたベンだが、アーロンがろう者であると知り、手話を勉強しつつアーロンとの距離を縮めていく。その後交際を始めた二人。苦労もあるけれど、徐々に仲を深めていく。しかしだからこそ、少しずつすれ違いがうまれてしまう……。

サイン』SIGN a silent film
2016年/アメリカ/監督:アンドリュー・キーナン・ボルガー/関西クィア映画祭で9/23(日)、24(月)、10/20(土)に上映



9月24日(祝)ほか 大阪、京都
母の来訪

 関西クィア映画祭2018『ゲイ短編集』で上映される短編映画です。 ※ゲイ短編集では、今年のレインボー・リール コンペティションでグランプリを獲った『老ナルキソス』や、同じレインボー・リール コンペティションに出品されていた『HIV×LOVE?』も上映されます。
<あらすじ>
主人公ジュンホは、学生の恋人ジェイクと同棲中だが、仕事が休みの週末、一人暮らしということにしている自宅に突然母が訪ねてくることなり、二人で急いで靴をしまい、本を片付け、ジェイクは部屋から避難する。いざ母が来訪し、ジュンホは必死にジェイクの影を見せまいとするが、果たして母は……!?

母の来訪』Uninvited
2017年/韓国/監督:Seung Yeob Lee/関西クィア映画祭で9/24(月)、10/20(土)に上映



10月5日(金) 東京
クイーン・オブ・アイルランド

 アイルランドで知らない人はいない(実は日本でも活動していた)国民的ドラァグクイーン、パンティ・ブリスの激動の半生を追ったドキュメンタリーです。パンティのパワフルでユーモアのある言葉の数々に引き込まれること間違いなし!の痛快作です。レインボー・リール東京がアイルランド大使館との共催でお送りするこの映画、上映後には、パンティ本人を迎えてのトークイベントも予定されています。この貴重な機会を、どうぞお見逃しなく!
<あらすじ> 
1968年、アイルランドで同性愛が犯罪とされていた時代、ローリー・オニールは小さな町バリンローブで生まれた。自分をゲイだと知りながら育った彼は、ダブリンでの美大時代にドラァグクイーンの世界に出会い、その芸術性に魅了される。そして80年代後半、バブル全盛期の東京に渡ったロリーは、“パンティ”という芸名を名乗り、ドラァグクイーンとして花開いていくのだった。90年代半ば、同性愛が非犯罪化されたアイルランドに帰国したパンティは、ダブリンのクラブシーンで一気にブレイクする。そんなパンティに、医師はHIV陽性との診断を下したのだった……。

クイーン・オブ・アイルランド』The Queen of Ireland
2015年/アイルランド/監督:コナー・ホーガン/主演:ローリー・オニール(パンティ・ブリス) ほか/レインボー・リール東京の特別上映会で上映



10月6日(土)ほか 東京
GF*BF  

 ノンケの男、ゲイ、女という3人の、27年間にわたる友情と三角関係を描いた青春映画、大河ドラマのような趣さえ感じさせる名作『GF*BF』が、ユジク阿佐ヶ谷での特集「恋するアジア」で再びスクリーンに帰ってきます(『藍色夏恋』も上映されます)。ジョセフ・チャン(張孝全)のファンの方も、リディアン・ボーンのファンの方も、ぜひ。
<あらすじ>
1985年、戒厳令下にある台湾。南部の街・高雄で窮屈な高校生活を送る美宝(メイバオ)、忠良(チョンリャン)、心仁(シンレン)。彼らは、夜店で発禁本を売り、生徒を監視する教官にささやかな抵抗をする一方で、バイクを走らせたり渓谷で戯れたりと、厳しい校則や思想統制に縛られる日々の中でも青春を謳歌していた。男勝りな美宝と彼女を優しく見守る忠良は公認のカップルだったが、ある日、忠良から「ただの友だち」と聞かされた心仁は、隠していた自分の気持ちを美宝に告白。いつまでたっても忠良に恋人として扱われず本心を知りたいと思っていた美宝は、伝え聞いた決定的な言葉に失望して、心仁の想いを受け入れることに……。

GF*BF
2012年/台湾/監督:ヤン・ヤーチェ/出演:グイ・ルンメイ、ジョセフ・チャン、リディアン・ボーンほか/ユジク阿佐ヶ谷の特集で10/6(土)、10(水)、15(月)、17(水)に上映



10月7日(日) 高松
ブエノスアイレス

 香川レインボー映画祭で、伝説のゲイ映画『ブエノスアイレス』が上映されることになりました。1997年当時、絶大な人気を誇っていたウォン・カーウァイ監督が、これまた絶大な人気を誇っていたレスリー・チャンとトニー・レオンという大スターにゲイカップルを演じさせてセンセーションを巻き起こした作品です。アジアのゲイ映画としては未だにこれを超える話題作は出てきていないのではないでしょうか。カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を獲っています。
 香川レインボー映画祭では、ほかにも『私はワタシ over the rainbow』『カランコエの花』『11歳の君へ ~いろんなカタチの好き~』が上映されます。
<あらすじ> 
ブエノスアイレスにたどり着いたウィンとファイ。激しく愛し合いながらも別れを繰り返してきた二人は、関係を修復するためイグアスの滝へと向かう。が、途中で道に迷って言い争い、そのままケンカ別れしてしまう…。その後、ブエノスアイレスのタンゴバーでドアマンとして働いていたファイのアパートに、傷ついたウィンが転がり込んでくる。仕方なくウィンを居候させるファイだったが、ケガから回復したウィンは、ファイの留守中に出歩くようになる。そんななか、転職して中華料理店で働きはじめたファイは、同僚の青年チャンと親しくなり……。

ブエノスアイレス』Happy Together
1997年/香港/監督:ウォン・カーウァイ/レスリー・チャン、トニー・レオン、チャン・チェン/香川レインボー映画祭で上映



10月27日(土)〜 東京
13回の新月のある年に

ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才、ライナー・ベルナー・ファスビンダー。まるでトム・オブ・フィンランドの世界をそのまま映画にしたかのような(もっと妖しく幻想的ですが)ゲイ映画史上に燦然と輝くエロティックな作品『ファスビンダーのケレル』を撮り終えてすぐに、コカインの過剰摂取により37才で死去した(自殺だったという説もあります)、伝説的な人です。1974年からファスビンダーの愛人だったアルミン・マイアーが78年、睡眠薬の過剰摂取により35歳で亡くなり(自殺だと言われています)、その死を受けてファスビンダーが製作した映画が『13回の新月のある年に』です。原案・製作・監督・脚本・撮影・美術・編集の全てをファスビンダー自らが担当し、クィアな主人公の最期の数日間をセンセーショナルかつエモーショナルに描き出します。ずっと未公開だった作品が、ついに劇場公開されることになりました(予告編はこちら
<あらすじ>
男性から女性に性転換したエルビラ。過去に女性と結婚しており、娘もいるが、男装して男娼を買うような曖昧な性を生きていた。そんなある日、一緒に暮らす男クリストフが家を出て行ってしまう。絶望したエルビラは仲の良い娼婦ツォラに支えられ、育ての親シスター・グルドンのもとを訪れる。妻や娘にも会い、過去を振り返ろうとするエルビラだったが、昔の自分に戻れないという現実を突きつけられるだけだった。さらにエルビラは、自分が性転換するきっかけとなった男アントンに会いに行くが…。

13回の新月のある年に』In einem Jahr mit 13 Monden
1978年/西ドイツ/監督:ライナー・ベルナー・ファスビンダー/出演:フォルカー・シュペングラーほか/10月27日より渋谷ユーロスペースで公開



11月3日(土祝)〜 東京
ゴッズ・オウン・カントリー

 今年レインボー・リール東京で上映され、大絶賛された『ゴッズ・オウン・カントリー』。気にはなってたけど、まだ観れていない…というみなさん、だけでなくすべてのみなさんに朗報です。11月3日(土祝)からシネマート新宿でスタートする「のむコレ」という特別上映で、『ゴッズ・オウン・カントリー』が上映されることがアナウンスされました。この機会を逃すと、もうこの先、日本で観ることはできないだろうと予想されています。ラストチャンスです。ぜひ、ご覧ください。
<あらすじ> 
ジョニーは老いた祖母と病気の父に代わり、ヨークシャーにある家族の牧場を営んでいる。日々の孤独な労働を酒と行きずりのセックスで癒やすジョニーのもとに、ルーマニア人移民のゲオルゲが羊の出産シーズンを手伝いにやってくる。初めはゲオルゲを受け入れないジョニーだったが、隔絶された荒野で共に働くうちに次第に心を開いていく…。

『ゴッズ・オウン・カントリー』God’s Own Country 
2017年/イギリス/監督:フランシス・リー/出演:ジョシュ・オコナー、アレック・セカレアヌほか/11月3日(土祝)よりシネマート新宿「のむコレ2018」にて上映



11月3日(土祝) 福岡
ルッキング・フォー?

 九州レインボープライドの前日、なんと福岡市の主催で福岡レインボー映画祭が開催されることになりました。3本のプログラムですが、その中の1本が「QUEER×APAC~APQFFA傑作選2018」という、今年のレインボーリール東京で上映された中短編集で、その中にこの『ルッキング・フォー?』という台湾の約1時間の映画が含まれています。4年の歳月をかけ、日本を含む世界7都市で、約60人のゲイにインタビューを敢行し、出会い系サイトをどのように利用しているかを追究、そこから現代のゲイのあり方を問いかける作品です。
<あらすじ>あなたが探しているのは欲望? 愛? それとも…
人は出会い系アプリに何を求めているのか?

『ルッキング・フォー?』Looking For?
2017年/台湾/監督:チョウ・トンイェン(周東彥)/11月3日(土祝)福岡レインボー映画祭にて上映



11月3日(土祝) 福岡
ウィークエンド

 2012年、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で日本初上映され、静かな感動を呼んだ映画『ウィークエンド』。どうして僕たちは出会ってしまったんだろう…じゃないですが、週末のたった2日間しか時間がないのに、運命的な出会いをしてしまい、相手のことを知れば知るほど恋の炎が燃え上がり…そして、ラストシーンが素晴らしく、涙がとめどなくあふれるような、世界のゲイ映画ベスト10に必ず入るような名作です。この『ウィークエンド』が各方面で高く評価されたおかげで、監督のアンドリュー・ヘイは、ドラマ『Looking/ルッキング』を制作することになったのでした。本当に貴重な上映の機会です。ぜひご覧ください。
<あらすじ>プールの監視員をしているラッセルは、ゲイクラブでグレンと出会い、一夜を共にする。グレンは2日後にアメリカに移住することが決まっていて、つきあうことはできない(おまけにグレンは恋人を作らない主義)。ラッセルも、せいぜい2日間のラブ・アフェアを楽しめばよいのだろうが、そんなに器用ではない。グレンも、そんなラッセルの純粋さや真っ直ぐさにどんどん魅かれていき…。

『ウィークエンド』Weekend
2011年/イギリス/監督:アンドリュー・ヘイ/出演:トム・カレン、クリス・ニューほか/11月3日(土祝)福岡レインボー映画祭にて上映



11月10日(土)〜16日(金) 東京
君の名前で僕を呼んで
彼の見つめる先に


 高田馬場の早稲田松竹(今では数少ない名画座映画館として、ロードショーの終了した映画や過去の名作を厳選し、二本立てで上映する映画館です)で、今年度を代表する名作ゲイ映画『君の名前で僕を呼んで』『彼の見つめる先に』が二本立てて上映されます! どちらも観てないという方、どちらも観たけどまた観たい!という方も、ぜひ、この機会にご覧ください。1週間限定上映となります。



11月17日(土)〜 東京
いろとりどりの親子

 ニューヨークタイムズ紙ベストブックなど、国内外50以上の賞を受賞したノンフィクション本『FAR FROM THE TREE』。作家アンドリュー・ソロモンが 10年の歳月をかけて、身体障がいや発達障がい、LGBTなど、親とは“違う”性質を持った子を抱えた300以上の親子に取材し、家族の本質を探った一冊は、世界24ヵ国語に翻訳され大ベストセラーとなりました。そして、エミー賞受賞監督レイチェル・ドレッツィンが、本書に深い感銘を受けて映画化を決意。ありのままを愛する親子の姿を追った感動のドキュメンタリーが完成しました。映されるのは、原作者であり映画の語り手でもあるアンドリュー・ソロモンとその父ハワードをはじめとする6組の親子(アンドリューはゲイであることを両親から理解されず、「愛されてないと感じてた」と告白します)。“違い”をどう愛するかを学んでいく親子の姿を映しながら、その“違い”を欠陥としてではなく、光として祝福する方法を見出していく過程は、しあわせの形は無限に存在していることを、私たちに気づかせてくれます。

いろとりどりの親子』Far from the Tree
2018年/アメリカ/監督:レイチェル・ドレッツィン/出演:アンドリュー・ソロモンほか/11月17日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

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