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U-NEXTで名作ゲイ映画を観よう!

外出の自粛を迫られているなか、少しでも心に慰めを、ということでお送りする「ネットでゲイ映画を観よう特集」第3弾です。U-NEXTで配信されている作品を一挙にご紹介!

U-NEXTで名作ゲイ映画を観よう!

緊急事態宣言が出されたため、多くの人々が自宅で過ごすことを余儀なくされ、不安な日々を送っていることと思いますが、殺伐としたニュースでささくれだった心を癒すためにも、これを機にゲイ映画の名作に触れてみてはいかがでしょうか。というわけで、「ネットでゲイ映画を観よう特集」第3弾として、実はたくさんのゲイ映画が字幕付きで配信されているU-NEXTのオススメ作品をまとめてご紹介します。
(なお、U-NEXTは「31日間無料トライアル」がウリですが、気をつけないと希望通りの登録ができない場合があるようです…詳しくはこちら
(トップ画像は『ブロークバック・マウンテン』より)



ブロークバック・マウンテン
 精悍なカウボーイたちの美しくも悲しい恋に、全米どころか世界が泣きました。音楽も素晴らしいです(当時、ゲイナイトでもよくかかってました)。アカデミー作品賞を獲れなかったことでゲイ差別だとブーイングが起きたほど、絶大な支持を得た名作です。今でも『ブロークバック・マウンテン』を心の名作No.1と思う方は多いはず。
<あらすじ>
1963年夏、ワイオミング州のブロークバック・マウンテンの山中で羊の放牧を行う季節労働者としてイニスとジャックが雇われる。二人は山中の厳しい自然の中で友情を深めていくが、いつしか恋に落ちてしまう。山を下り、二人はそれぞれ結婚して家庭を持つが、二人は秘密の関係を続ける…。
 



プリシラ
 『プリシラ』を見ずしてドラァグクイーンを語ることなかれ的な、古典にして最高傑作なドラァグクイーン・ロードムービーです。バスの上のシルバーに輝く巨大なハイヒールのオブジェに乗って、ドレスを風にたなびかせながらオペラのアリアに合わせてリップシンクするシーンや、ゴムゾウリをたくさん貼り付けた衣装、エリマキトカゲみたいな衣装など、「素敵!」と思わず手を叩いてしまうような、これぞドラァグ!な衣装や意匠の数々に魅了されること間違いナシです。泣かせるストーリー。女装たちの友情。使われてる曲もゲイアンセム揃い。とにかくすべてが最高で完璧です。まだご覧になっていない方はぜひ。
<あらすじ>
シドニーのドラァグ・クイーン、ミッチは、アリススプリングスでのショーの仕事を引き受け、仲間のバーナデットとフェリシアとともに、チャーターしたバス「プリシラ号」で3000キロの旅に出る。立ち寄った田舎町で化け物扱いされたり、危険な目に遭ったりしながらも、三人は旅を続ける。ミッチには実は、アリススプリングスに行かなくてはいけない理由があった…。




ベニスに死す
 巨匠ヴィスコンティの最高傑作であり、総合芸術の頂点とも称される、映画史上に燦然と輝く名作中の名作です。マーラーの5番のアダージェットが印象的に使われています。耽美的にして退廃的な、1971年のクラシック作品です。運命の美少年・タジオを演じて世界をトリコにしたビョルン・アンドレセンが最近、『ミッドサマー』に出演し、こんなおじいちゃんになってしまったのか…と話題になったりもしました。
<あらすじ>
静養のためにベニスを訪れた老作曲家・アッシェンバッハは、タジオという美少年に目を奪われ、理想の美を見出す。やがて、ベニスの街で疫病が流行して人々が去り始めるが、アッシェンバッハはベニスに残り、タジオの姿を追い求め続ける…。




さらば、わが愛/覇王別姫
 1993年の香港・中国映画で、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、94年の日本での公開時には大ヒットロングランを記録、「Bunkamura ル・シネマ」20周年記念の「あの感動をもういちど」投票で堂々1位に輝いた伝説的な人気作です。日中戦争、戦後体制、文化大革命へという時代の波に翻弄されながらも、京劇という世界の中で、友情とも愛とも呼ぶべきかけがえのない絆を貫いた役者たちの、美しくも悲劇的な人生を描いた壮大な歴史絵巻。香港の大スターで、中華圏ではほぼ唯一カミングアウトしていたレスリー・チャンが主演を務めています(レスリーは2003年に自殺。本当に痛ましいです)
<あらすじ>
1920年代の北京。女郎の私生児である小豆子は京劇俳優養成所に預けられ、厳しい稽古と折檻の中、仲間から娼婦の子といじめられるが、そんな小豆子をことあるごとに助けてくれたのは、先輩の石頭だった。やがて小豆子は、石頭に思慕を抱くようになる。成長した二人は、それぞれ程蝶衣と段小楼という芸名を名乗り、『覇王別姫』で共演し、トップスターになるのだが…。




ファスビンダーのケレル
 トム・オブ・フィンランドの絵に出てきそうなマッチョな荒くれ男たちが欲望のままに猛々しく体を貪りあうようなセックスをするシーンが、80年代当時、どれだけ刺激的だったことか…ゲイ・エロティック映画の金字塔にして伝説的な作品です。原作はジャン・ジュネの『ブレストの乱暴者』。ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才、ライナー・ベルナー・ファスビンダーの遺作です。港町の風景が強烈なオレンジ色に染まるシーンが印象的で、名作『シングルマン』などにも引用されています。
<あらすじ>
第二次世界大戦直前、ブレストの港に駆逐艦「復讐号」が入港する。波止場の売春宿「フェリア」のマダムは、タロット占いで愛人ロベールに「あなたの弟がやって来る」と告げる。「復讐号」では、艦長のセブロンが逞しい水夫・ケレルの肉体への欲望をたぎらせている。そのケレルこそが、ロベールの弟だった。「フェリア」を訪れ、ロベールと再会を果たしたケレルは、賭けに負けて、マダムの夫ノノに「処女」を奪われてしまう…。
 
 


アナザー・カントリー
 『モーリス』と並び、英国寄宿舎ものの美少年映画の傑作と讃えられる作品。主演のルパート・エヴェレットは舞台版『アナザー・カントリー』が俳優デビューで、のちに映画にも抜擢され、その美しさをスクリーンに刻みました。なお、この映画への出演の5年後にゲイであることをカミングアウトしています。
<あらすじ>
1932年、夏。第一次世界大戦で戦死した卒業生を讃えるミサで、ガイは美少年ハーコートに一目惚れする。自由主義者のガイは最終学年が始まれば自治会エリート「ゴッド」に選ばれるはずであり、ゆくゆくは外交官となってパリ駐在大使になるという輝かしい未来が約束されていた。ある日、同寮の学生が同性愛の現場を舎監に目撃され、自殺。やがてガイが同性と恋仲にあることも白日の下に晒され、ガイは「ゴッド」への指名を断られてしまう…。




フィラデルフィア
 まだまだエイズ禍の嵐が吹きやむことがなかった1993年に公開され、HIV陽性者への差別の問題を広く社会に訴えかけたという点で歴史的な作品でした。この映画でトム・ハンクスは、初めてアカデミー賞主演男優賞に輝きました(ほかにも、ベルリン国際映画祭やゴールデングローブ賞でも主演男優賞を獲得しています)
<あらすじ>
突然解雇された弁護士のアンディ(トム・ハンクス)は、実はゲイで、エイズに冒されていた。不当な解雇と闘うため、訴訟を決意するも、方々で断られ、結局引き受けてくれたのは、ライバル弁護士のジョー(デンゼル・ワシントン)だった…。




ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
 『ロッキー・ホラー・ショー』と並ぶクィアなロック・ミュージカルの金字塔的作品。俳優のジョン・キャメロン・ミッチェルと作曲家のスティーヴン・トラスクというゲイのコンビがニューヨークのクラブで原型を誕生させ、オフ・ブロードウェイで上演されるや、ロングランを記録。映画もヒットし、世界的に有名になりました。日本でも何度も舞台化されている人気作です。
<あらすじ>
共産主義体制下の東ドイツで生まれたハンセルは、アメリカ軍人ルーサーと恋に落ちる。ルーサーと結婚してアメリカに渡れるように、母親はハンセルにヘドウィグの名とパスポートを与え、性別適合手術を受けさせたが失敗し、股間に「怒りの1インチ(アングリー・インチ)」が残された。二人は渡米するが、ルーサーはヘドウィグを捨て、途方に暮れたヘドウィグは、昔抱いたロック歌手になる夢を思い起こし、バンドを結成。やがて運命の少年・トミーと出会う。トミーは作った曲をすべて盗んでヒットを飛ばし、人気ロックスターになる。ヘドウィグはバンドを引き連れてトミーを追いかける巡業の旅に出るが…。




ハーヴェイ・ミルク
 ショーン・ペンが主演した『ミルク』ではなく、1984年に製作され、同年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に輝いた名作ドキュメンタリー映画です。サンフランシスコのカストロというゲイタウンで地元民が抱える問題を解決し、「カストロの市長」とも呼ばれたハーヴェイ・ミルクは、ゲイへの差別や偏見と闘うべく、ゲイコミュニティの後押しを受けて1978年、初めてゲイとして市議に当選し、市長とともに社会的マイノリティを救済する施策を進めていきます。しかし、ホモフォビアを抱えた同僚の凶弾に倒れ…という史実を伝える作品です。ミルクの友人・知人へのインタビューや在りし日の記録映像によって、人物と時代を丸ごと描くことに成功し、時代の空気がリアルに伝わってきます。




モダン・ファミリー
 アメリカの典型的な家族、年の差夫婦(奥さんは外国人)、ゲイカップルとベトナム系の養子の女の子という3つの家族が織り成すコメディ・ホームドラマとして絶大な人気を博してきた『モダン・ファミリー』。「TV界のアカデミー賞」ことエミー賞のコメディ部門作品賞を3度受賞したのをはじめ、ゴールデングローブ賞作品賞、GLAADメディア賞コメディ賞など、数えきれないくらいたくさんのアワードを受賞しています。シーズン5ではミッチェルとキャメロンのゲイカップルが同性結婚式を挙げることになり、大きな話題になりました。2009年の初放送以来、11年間にわたって愛されてきた『モダン・ファミリー』ですが、シーズン11でファイナルを迎えることになり、つい先日、最後の撮影が行われたそうです(その後すぐ、ミッチェルとキャメロンのスピンオフの製作も発表されました)。U-NEXTではシーズン1から10までをたっぷりとご覧いただけます。本当に面白くて気軽に楽しんでいただけるドラマですので、この機会にぜひ!

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