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レポート:gaku-GAY-kai 2019

2019年12月29日・30日に開催された年末恒例お楽しみイベント「gaku-GAY-kai 2019」。今回も、ゲイの劇団フライングステージとその愉快な仲間たちがゲイテイストなミュージカルやパフォーマンスの数々を披露し、楽しいひとときをプレゼントしてくれました。

レポート:gaku-GAY-kai 2019

2019年12月29日・30日、歌舞伎町の「シアター・ミラクル」で開催された年末恒例「gaku-GAY-kai 2019」。劇団フライングステージとその愉快な仲間たちが歌やダンスを交えたゲイテイストなミュージカルを上演し、第二部ではたくさんのパフォーマーの方たちが多彩なパフォーマンスで楽しませてくれて、「ああ、今年もこれで年が越せる」と思えた方も多かったであろう、充実したお楽しみイベントとなりました。今回は30日の昼の部を拝見させていただきました。(後藤純一)

 
第一部『贋作・から騒ぎ』

 始まる前に主宰の関根信一さんからご挨拶があったのですが、「気を遣って飴の袋をゆっくりチリチリチリ…って開ける方がいらっしゃると思うんですが、普通にピッと開けていただいた方がいいです」というお話で思わず笑ってしまいました。映画館とか劇場の「あるある」ですよね〜。

 今回の『贋作・から騒ぎ』は、一昨年の『夏の夜の夢』、昨年の『冬物語』に続くシェイクスピア・シリーズです。誰と誰をくっつけよう的な恋のいたずらやドタバタ、ロミジュリのような悲劇的シーンもありつつ、でも最後は大団円、みたいな古典の名作(「恋のから騒ぎ」とかもここから来てますよね)を下敷きにしつつ、『贋作・ウェストサイド物語』などもそうでしたが、二丁目に生きるゲイ(女装含む)たちの群像をフィーチャーしたお芝居で(今回は歌舞伎町のホスト軍団との対決、という構図ではありませんでしたが)、とても面白く、楽しめました(僕もそうですが、原作をよく知らない方などは、お話自体に新鮮にリアクションしてました)



 ざっと、こんなお話でした。
 新宿の街を治めるドン・ペドロ(関根さん)のご一行が二丁目にやってきます。ドン・ペドロの部下のクローディオ(芳賀隆宏さん)は、二丁目を仕切るレオナートの娘・ヒーロー(エスムラルダさん)に一目惚れします。もう一人の部下ベネディックは、レオナートの姪でヒーローと仲良しのベアトリス(モイラさん)といつも毒舌を浴びせあう仲ですが、周囲は「ベネディックはベアトリスに惚れている」「ベアトリスはベネディックに片思い」という噂話をそれぞれに吹き込み、二人が恋に落ちるよう仕向けます。
 ドン・ペドロの弟ドン・ジョン子(岸本啓孝さん)は人の幸せを妬む腹黒い人物で、クローディオとヒーローの婚約を引き裂こうとする悪巧みをはたらかせます。クローディオは、その罠にはまり、結婚式の場でヒーローを罵倒し、婚約を破棄してしまいます。失意のどん底に陥ったヒーローを救うため、修道女(石関準さん)が機知を巡らせ、ヒーローが死んだことにします。一方、ドン・ジョン子の悪巧みの真相を暴いたのは、意外な人たちでした…。


 
 関根さんが男役でしかもボスキャラ中のボスキャラを演じていたり(堂に入ってました)、エスムラルダさんが(以前のガラかめのアルディスの時のように)天使のようなプリンセスのようなヒーローを演じていたり、クレジットされていませんでしたが石関準さんがシスター役で出ていたり、いい意味で驚かされるところがいろいろありました。残念ながらアルピーナさんは出ていなかったのですが、モイラさんがベアトリスという「おきゃん」な娘の役で、キラキラと美しさを振りまいていて、華やかでした。あと、オバマさん(グレース・ジョーンズみたいな女装をした方)の表情がいちいち面白かったです(写真で見ると漫画感スゴいです。なかなかできないことです)。二丁目の見回りをしてる3人も、キャッツアイっぽくてよかったです。 


 
 歌やダンスもよかったです。乃○坂とか、結構大変だったよね、みんなよく頑張って覚えたなぁ、と感心しながら観てました。必ず毎年入る○erfumeのショーも、ファンとしてはうれしい限りでした。
 
 
 
第二部

 第二部では、多彩なパフォーマーの方が次々にパフォーマンスを繰り広げました。司会はおなじみのモッチーナさんでした。
 
 佐藤逹さんの紙芝居「僕の話をきいてください」。子どもからお年寄りまで楽しめるような、ほっこり感。それでいて冒険活劇。拍手喝采。今回も楽しませていただきました。
 
 水月モニカさんの「クイアリーディング」。たぶん数少ない、レズビアンであることをオープンにしているパフォーマーの方です。今回朗読したのは、熊と小鳥と山猫の物語。親友の小鳥が亡くなり、その亡骸を箱に入れて持ち歩き、悲しむ熊に、山猫がバイオリンを聴かせ、旅に出ようと誘う、悼みと再生の物語。個人的に、大切な親友を亡くした年でしたので、このお話はとても響きました。
 
 関根信一さんの「ドラァグクィーン ストーリータイム」。今回は、男どうし、女どうしのロマンスを物語にした『王子と騎士』『村娘と王女』『王さまと王さま』という3冊の絵本を読み聞かせてくれました。存在はなんとなく知っていたのですが、読んだことがなかったので、こんなお話だったのか〜と。(個人的に『タンタンタンゴはパパふたり』は保育士をしてる友達にあげたりしたのですが)こういう絵本が全国隅々に広まって、子どもたちの英才教育に役立つといいな、と思いました。素晴らしかった!の一言です。
 
 ぶー子さんの「ひとりのビッグショー」。二丁目で場末な女装をやってるアタシ、そこに実家から父が倒れたとの電話が…というリアルなストーリー。松坂慶子さんの『ボン・ボヤージュ』を思い出したのは私だけではないはず。胸アツでした。
 
 モイラさんの「小夜子なりきりショウ リヴァイタル・ハゴロモ」。ただただ、美しかったです。

 ジオラママンボガールズのショー。2曲目の「ひらがなおぼえよう」的な内容の歌が、実に面白かったです。ジオマンは関根さんの無表情さも芸のポイントだと思うのですが、今回、そこが見事にぴったりハマっていて、おかしみを醸し出していました。
 
 中森夏奈子さんの「スパンコール・チャイナイト」。明菜が歌う『パプリカ』とか、子どもらしさのかけらもなくて、めっちゃ面白かったです。今回もゲラゲラ笑わせていただきました。(残念ながらご本人の活躍は見ることができませんでしたが)夏奈子さんの明菜愛あふれるショー(ライブというより、ショーですね)を見ることができて、本当に幸せな気持ちになれました。
 
 大トリを務めるのはもちろんエスムラルダさん。ひさしぶりに○山洋子さんの歌(中味は下ネタ)をやってくれたのですが、実はモッチーナさんのお父さんが生前、こんなに笑ったの見たことないというくらい爆笑してたという話を聞いて、再演することにしたんだそう(ドラァグクイーンは人を幸せにするという見本のような、いい話)。それから、ずっとラストは『エスムラルダdeマンボ』だったのが、今年は八方不美人ソロ曲の『魔法時間』になりました。これ本当に名曲だし、サビに簡単な振付もあるので、定番になったらいいなぁと思います。

 



 そんな感じで、あっという間の3時間でした。毎年毎年、同じようなことをやってるように見えて、ちょっとずつ定番からズレていたり、新しい発見があったり、ちっとも「飽きた」と思わないのは、出演してるみなさんが演劇の人たちだったり、人を楽しませようという気持ちの持ち主だからだと思います。やってる方も楽しんでるし、見てる人もリラックスできるのがいいなぁと。「gaku-GAY-kai」を観続けて(1度だけ出演もしましたが)はや20年余り、なかにはゴーグルボディさん(かつて、ケツワレ一丁でコンテンポラリーダンスを踊ってました)のように海外に行かれてしまった方もいらっしゃいますし、残念ながらすでにこの世を去ってしまった方もいらっしゃいますが、新しい方たちもたくさん入って、ゲイテイストで賑やかな年末恒例のお楽しみイベントを休まずに20年以上も続けてこられたこと、素晴らしいと思います。「今年もこれで年を越せる」と思えた方、多いのではないでしょうか。これからも楽しみにしてます。


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