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特集:レインボー・リール東京2021

今年のレインボー・リール東京は7月16日(金)~7月29日(木)の14日間、シネマート新宿とシネマート心斎橋(一部オンライン)にて開催されます。上映作品が発表されましたので、ご紹介いたします。

特集:レインボー・リール東京2021

(『世紀の終わり』より)


 昨年はコロナ禍で中止を余儀なくされたレインボー・リール東京ですが、今年は開催されることが決定。7月16日(金)~7月29日(木)の14日間、シネマート新宿とシネマート心斎橋(一部オンライン)にて開催されます。上映作品が発表されましたので、ご紹介いたします。
 

<概要>

 1992年から始まり、国内で最長寿のLGBTQコミュニティイベントとなっているレインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)。昨年は、コロナ禍の影響で中止を余儀なくされました(東日本大震災の年に時期をずらして開催されたことはありましたが、中止となったのは初めてでした)
 今年も中止になったらさびしいなぁと思っていた方もいらっしゃると思いますが、4月に開催のアナウンスがあり(よかったです)、第29回レインボー・リール東京は、7月16日(金)~7月29日(木)の14日間、シネマート新宿とシネマート心斎橋にて開催されることが発表されました。関西での開催は実に21年ぶりです(90年代、QFFというグループが東京での上映作品を京都・大阪でも上映していました)
 一方、96年以来ずっと映画祭の会場となってきたスパイラルホールがついに会場から外れたことには一抹の寂しさを禁じえません(きっと運営上の事情ですよね…お察しします)。あの豪華なスパイラルの入口にレインボーフラッグが掲げられ、会場の広々としたホワイエにいろんなブースが出て、フリードリンクのカウンターなどもあって、ということはなくなりますが、それでも、大勢のLGBTQの方たち(やLGBTQ映画のファンの方たち)が集い、同じ空間で一緒に泣いたり、笑ったり、映画を楽しむ、そのかけがえのなさは変わらないと思います。
 代表の宮澤さんは「(コロナ禍であっても)当然だけど地球は回転をやめないし、私たちは生き続けることをやめたりしない。生きて、笑って、泣いて、怒る。私たちは人を愛する、同性も異性も関係なく。それはウイルスであっても止められない。その証は、私たちの選んだ作品の中にあります。ぜひ見つけてください!」と語っています。
 第29回レインボー・リール東京の開催、おめでとうございます。今年も楽しみにしています。

 
第29回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)
会期・会場:
2021年7月16日(金)~7月22日(木・祝)@シネマート新宿
2021年7月23日(金・祝)~7月29日(木)@シネマート心斎橋
(各会場:計7日間 合計:14日間)
主催:NPO法人レインボー・リール東京
会場協力:株式会社エスピーオー


<上映作品>

 7月16日〜7月22日はシネマート新宿で8作品を、7月23日〜7月29日はシネマート心斎橋で7作品を上映。また、アジア・太平洋地域の新作短編映画を紹介するプログラム「QUEER×APAC 2021」は6作品がオンライン上映されます。全14作品のうち13作品が日本初上映となります。世界各国で受賞、評価された作品が並ぶ充実のラインナップです。以下、上映作品をご紹介します。(チケット情報はこちらから)


『世紀の終わり』
東京 7月18日(日)19:25、22日(木祝)17:45

大阪 7月24日(土)18:45

 バルセロナで偶然出会ったアルゼンチン人とスペイン人の男性二人。一夜だけに見えた男たちの関係は、20年にわたる壮大な愛の記憶を呼び起こす。時間の概念を巧みに操り、恋人との過去・現在・未来を描いた究極のラブストーリー。『WEEKEND ウィークエンド』(第21回上映)や『君の名前で僕を呼んで』を彷彿とさせる本作は、各国の映画祭で上映され人気を博しました。2019年を代表するゲイ映画がついに日本上陸!

『世紀の終わり』
原題:Fin de siglo 英題:End of the Century 
監督:ルチオ・カストロ 2019|アルゼンチン|84分|スペイン語、カタルーニャ語 ★日本初上映
(c)Stray Dogs




『ストロベリーミルク』
東京 7月19日(月)17:40、7月22日(木祝)19:35

大阪 7月28日(水)18:45

 母を自殺により亡くし、独りで家に取り残された16歳のクローディア。外の世界を知らない彼女が、グレースという同い年の少女に出会う。家族と衝突し、家に居場所のないグレースもまた独りだった。彼女たちは閉ざされた森の中で二人だけのカラフルな世界を築き上げていく。二人の愛おしい夏の日々は瞬く間に過ぎ、やがて…。叙情的な映像美で少女たちの初恋とシスターフッドを描いた、オーストラリアの新星、ケイティ・ファウンド監督の長編デビュー作。

『ストロベリーミルク』
原題:My First Summer 
監督:ケイティ・ファウンド 2020|オーストラリア|80分|英語 ★日本初上映




『ノー・オーディナリー・マン』
東京 7月16日(金)17:25、7月19日(月)19:25
大阪 7月23日(金祝)18:45

 1940年代から50年代に活躍したのち表舞台から姿を消したジャズミュージシャン、ビリー・ティプトン。1989年に死去後、「キャリアのために性別を隠していた女性」と報じられ、ビリーの家族に世間から好奇の目が向けられる。彼がトランス男性だった事実は語られることなく…。本作はビリーの人生を再構築し、その素顔に迫るドキュメンタリー。トランスジェンダーの文化人が多数登場し、ビリーがトランスコミュニティに遺したレガシーを振り返る。

『ノー・オーディナリー・マン』
原題:No Ordinary Man 
監督:アシュリン・チンイー、チェイス・ジョイント 2020|カナダ|83分|英語
後援:在日カナダ大使館 ★日本初上映




『親愛なる君へ』
東京 7月21日(水)17:10

 老婦・シウユーの介護と、その孫のヨウユーの面倒をひとりで見る青年・ジエンイー。血のつながりもなく、ただの間借り人のはずのジエンイーがそこまで尽くすのは、ふたりが今は亡き同性パートナーの家族だからだ。しかしある日、シウユーが急死してしまう。病気の療養中だったとはいえ、その死因をめぐり、ジエンイーは周囲から不審の目で見られるようになる。警察の捜査によって不利な証拠が次々に見つかり、終いには裁判にかけられてしまう。だが弁解は一切せずに、なすがままに罪を受け入れようとするジエンイー。それはすべて、愛する“家族”を守りたい一心で選択したことだった…。金馬奨3部門受賞をはじめ、台北映画奨、台湾映画評論家協会奨でも受賞するなど、大きな話題を呼んでいる本作が特別先行上映作品として登場!

『親愛なる君へ』
原題:親愛的房客 英題:Dear Tenant 
監督:チェン・ヨウジエ(鄭有傑) 2020|台湾|106分|華語、台湾語|R18+ ★日本初上映
【※特別先行上映 7月23日(金祝)シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開】
(c)2020 FiLMOSA Production All rights




『シカダ』
東京 7月17日(土)19:15、7月20日(火)17:20
大阪 7月27日(火)18:45

 ブルックリンに住むベンは、日々の仕事を渡り歩きながら、様々な男女と一夜限りの肉体関係を持ち続けていた。ある日、ベンは古書店で黒人のサムと出会う。蝉の声が響き渡る夏の間、ベンとサムは急速に関係を深めていくが、次第にそれぞれが抱えるトラウマが二人の前に立ちはだかる。監督・主演のマシュー・ファイファーが、自身の幼児期の体験とサム役のシェルダン・ブラウンの実体験をベースに描いた、痛切で親密なラブストーリー。

『シカダ』
原題:Cicada 
監督:マシュー・ファイファー、キーラン・マルケア 2020|アメリカ|96分|英語 ★日本初上映

 

『恋人はアンバー』
東京 7月18日(日)17:25、7月21日(水)19:20
大阪 7月25日(日)18:45

 90年代半ば、アイルランドの田舎町。高校生のエディは父の後を継いで軍隊に入ることを望み、アンバーは自由な大都会ロンドンに引っ越すことを夢見ている。二人の共通点は同性愛者だということ。周囲にセクシュアリティを悟られないようカップルを演じることにしたエディとアンバーだが、やがて二人の“理想的”な関係は崩れはじめ…。自分らしく生きることにもがく10代の男女の友情をハートウォーミングに描いた青春映画の傑作。

『恋人はアンバー』
原題:Dating Amber 
監督:デヴィッド・フライン 2020|アイルランド|92分|英語 ★日本初上映




『叔・叔(スク・スク)』
東京 7月17日(土)17:15、7月20日(火)19:20
大阪 7月29日(木)18:45

 退職が間近に迫ったタクシー運転手のパクと、すでに引退しているシングルファーザーのホイ。二人の出会いが長年抑制し続けてきた感情を呼び起こす。しかし一緒に将来を築くには乗り越えなければならない壁がいくつも存在していた。同性愛とエイジングという問題を当事者やゲイ・コミュニティなど多角的な視点から描く。第70回ベルリン国際映画祭など各国の映画祭で上映され、中華圏で最大の映画賞である金馬奨で5部門にノミネートされた話題作。

『叔・叔(スク・スク)』
原題:叔.叔 英題:Suk Suk 
監督:レイ・ヨン(楊曜愷) 2019|香港|92分|広東語 ★日本初上映
(c)Films Boutique




『であること』
東京 7月16日(金)19:15
大阪 7月26日(月)18:45

 海外コーディネーターとして、テレビ業界で生きる西山ももこは、日々の仕事の中で、ふと疑問を持つ。西山はLGBTQにカテゴライズされている人たちに、彼らが積み重ねてきた内省や思索を聞くべく、訪ね歩くことを決意。友人をはじめとした9人に率直な疑問を投げかけ、自分自身『であること』を聞くうちに、西山はさらなる疑問を持ち始める。対話をくりかえす中で、「LGBTQ」「マイノリティ」「男と女」…様々な言葉で区別してきたものの境界線は、次第に曖昧になっていく…。数々のテレビ放送に関する賞を受賞してきた和田萌が、独自で多様な生き方をしている人々を追ったドキュメンタリー。

『であること』
英題:Being 監督:和田萌 2020|日本|94分|日本語、英語
(c) EpocL



『QUEER×APAC 2021 ~アジア・太平洋短編集~』
【オンライン上映のみ】 ★全て日本初上映

 アジア・太平洋地域の新作短編映画を紹介するプログラム。今年は特別にオンライン版でお届けします。各国のフレッシュな才能による、新しいクィア表現をお楽しみください!(提供:Asia Pacific Queer Film Festival Alliance)


『フロス』
 ティンは新しい恋人のマークの“歯”にフェティッシュなまでの強い性的魅力を感じていた。ティンはマークにこのことを打ち明けたいと思っているが…。
『フロス』 原題:Floss 
監督:ファン・ポポ(范坡坡) 2019|中国|15分|中国語


『リップスティック』
 隠し持っていたリップスティックを同級生に見つけられ、ひどいイジメに遭う高校生。ある日、コインランドリーで出会った少女と出会い、二人でトンネルに入っていく。
『リップスティック』 原題:립스틱 英題:Lipstick 
監督:エッツェン・チェン(陳彥廷) 2019|台湾・韓国|12分|韓国語


『ウィッグ』
 アルティカは自立したキャリアウーマン。仕事帰りによく見かけるセッスワーカーのトランス女性を助けたことをきっかけに、自分自身の偏見と向き合う。(提供:KASHISH Mumbai International Queer Film Festival)
『ウィッグ』 原題:Wig 
監督:アタヌ・ムカジー 2019|インド|26分|ヒンディー語


『キラン』
 もうすぐ花嫁になる女性にメヘンディ(ヘナタトゥー)を施す絵師のキラン。女性と親密な時間を過ごすうち、キランはあることを思いつく。
『キラン』 原題:Kiran 
監督:ファティマ・サタール 2021|パキスタン|8分|ウルドゥー語


『アイス』
 覚醒剤(アイス)の取引のため地方へ向かう二人の男たち。途中、覆面警官に追われているのではないかと怯えるが、取引を約束した場所までたどり着く。
『アイス』 原題:아이스 英題:Ice 
監督:イ・ソンウク 2019年|韓国|27分|韓国語


『ストレンジャーズ』
 老人ホームに入居中の母親が入居者の女性と同じベッドに寝ていたと連絡を受け、困惑する娘と息子。対応を探る職員。
『ストレンジャーズ』 原題:Strangers 
監督:ジャミーソン・ピアース 2019|オーストラリア|13分|英語


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