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特集:プライドウィークに良質な記事をたくさん届けてくれたメディア

今年、プライド関連特集を組んでいる注目すべきオンラインメディアとして「クーリエ・ジャポン」「BuzzFeed Japan」「フロントロウ」をご紹介します。

特集:プライドウィークに良質な記事をたくさん届けてくれたメディア

 近年、内外のLGBTQ関連ニュースを提供するオンラインメディア(情報サイト)が増えています。なかには当事者の編集部員の方が書いているメディアもあり、LGBTQに関する良質な記事をたくさん届けてくれます。特に東京レインボープライド(TRP)の時期は、プライド関連特集を組んだり、特別にLGBTQ関連の記事に力を入れて配信するところが目立ちます。今年注目すべきオンラインメディアとしては、「クーリエ・ジャポン」「BuzzFeed Japan」「フロントロウ」の3つが挙げられます。どんな記事を配信しているのか、ピックアップしてご紹介します。「おうちじかん」のおともに、ぜひ気ままに読んでみてください。



クーリエ・ジャポン

 最初にご紹介するのはクーリエ・ジャポンです。もともと海外のLGBTQ事情についての、素晴らしくハイクオリティな、資料的な価値の高い記事を提供してきたメディアです(多くの記事が有料です。でも、お金を払ってでも読む価値のある記事です)

 クーリエ・ジャポンは今年のTRPのオフィシャル・メディアパートナーとして、TRPのテーマと同じ「声をあげる」をテーマに特集を組んでいます。

「日本のLGBTQに対する見方はずいぶん変わってきた──声をあげ続けてきた当事者やアライの尽力が実って。それでも、日本ではまだ、LGBTQへの差別を禁止する法もなく、同性婚も認められていない。
 ルールを変えるためには、もっとたくさんの人が「声をあげる」必要がある。
 知る、気づく、声をあげる──すべての人が自分らしく、平等に生きていける社会は、その先にしかないから。」

 その特集の第1弾の記事がふるっています。
 クーリエ・ジャポンは昨年『オードリー・タン 自由への手紙』という本を出版したのですが(Amazonの女性学カテゴリーでベストセラー1位です)、オードリー・タンさん×TRP共同代表杉山文野さんという日台トランスジェンダー対談を実現したのです。本当に素敵な企画です。

沈黙を破った台湾から学ぶ「日本の若者はどうすれば声をあげられるのか?」
https://courrier.jp/news/archives/239281/

 それから、台湾、オランダ、イスラエルという同性婚を実現してきた(イスラエルは海外で同性婚したカップルを国内でも同性婚として承認しています)3ヵ国の大使館へのインタビュー・シリーズも読み甲斐があると思います。いずれも、社会の「伝統的」な家族観とどのように折り合いをつけて同性婚を認めたのか、ということに焦点を当てています。台北駐日経済文化代表処広報部がLGBTQについて公式回答したのは史上初だそうです。スゴいのは、イスラエルでは現在、爆発的な「ゲイビー」ブームで、テルアビブの保育園の親御さんの半分くらいが同性カップルという話です。ぜひ読んでみてください。

「同性婚は誰かの権利を奪うものではない」台湾で性別平等が進んでいる理由
https://courrier.jp/news/archives/240161/

世界で初めて同性婚を実現した国オランダがいまの日本に伝えたいこと
https://courrier.jp/news/archives/240621/

イスラエルが「ゲイであること」が当たり前の社会を実現できた独特の背景
https://courrier.jp/news/archives/240750/
 
 いち早く(2014年から)TRPを盛り上げてきたギャップジャパンのアジア地区担当エグゼクティブバイスプレジデントでオープンリー・ゲイのスティーブン・セア氏へのインタビュー、日系証券会社として初めてLGBT支援を打ち出してきた野村ホールディングスへの取材、LGBTQの平等や権利獲得のために社員が積極的な活動を続けているセールスフォース・ドットコムへの取材という企業関連シリーズもあります(こちらは無料でお読みいただけます)

LGBTQ支援の先駆け、ギャップジャパンはなぜ「理念」を「行動」に変えられるのか
https://courrier.jp/news/archives/242125/

“アライ”の輪を全国に──野村ホールディングスが繋いできた「マイノリティの声」
https://courrier.jp/news/archives/239438/

LGBTQが「自分らしさ」を出せる企業カルチャーはこうして生まれた
https://courrier.jp/news/archives/241369/

 ほかにも、ここでしか読めない、海外の多彩な記事が掲載されています。

「LGBTQの権利」が意外に進んでいる国、後退している国とは?
https://courrier.jp/news/archives/239915/

LGBTQの権利「後進国」日本が聞くべき世界の闘士たちの力強い声
https://courrier.jp/news/archives/240118/

インターネットが変えた“カミングアウト”─若者に知識を与え、人々をつなぐ
https://courrier.jp/news/archives/239988/

 さらに、期間限定で何本かの記事が無料公開されているのですが、特に注目に値するのが、おそらく日本で唯一ではないかと思われる「昨年の」台北プライドのレポートです。コロナ禍で渡航制限がされていたなかで、記者の方が2週間の隔離(ホテル待機)を経て、台北プライドとトランスパレード、そしてオードリーさんに取材しています。その熱意に頭が下がります。
 
【台北現地ルポ】今年も開催!アジア最大のLGBTパレードとオードリー・タン大臣
https://courrier.jp/news/archives/220155/?cx_testId=21&cx_testVariant=cx_7&cx_artPos=1#cxrecs_s

 おまけ情報:現在、クーリエ・ジャポンではGap「プライドTシャツ」プレゼント企画も展開中。締切は5/5です。


 
  
 
BuzzFeed Japan

 BuzzFeed Japanも熱心にLGBTQ関連記事を提供したきたメディアです。やはり今年のTRPのオフィシャル・メディアパートナーを務めています。このプライドウィークには、1日に何本も、たくさんの記事を配信しています。「#おうちでプライド」の前夜に多彩なLGBTQのゲストを迎えてのオンラインイベント「これってアル?ナイ?#おうちでプライド2021」を配信したのも素敵でした。

「LGBTQをはじめとする性的マイノリティの存在を社会に広め、“性”と“生”の多様性を祝福するイベント「東京レインボープライド」。BuzzFeed Japanは2021年4月23日(金)〜5月1日(土)にかけて、性的マイノリティに焦点をあてたコンテンツを集中的に発信する特集を実施します。
 特集期間中、Twitterではハッシュタグ「#待ってろ未来の私たち」を使って、同性婚やパートナーシップ制度などのトピックをはじめ、家族のかたちに関する記事や動画コンテンツを発信します。
 同性婚の実現を求めて全国のカップルが国を訴えた裁判や、各地でのパートナーシップ制度の広がりなど、少しずつ社会が変わり始めている今だからこそ、「より良い未来に生きる私たち」に向けて、「2021年の私たち」からのメッセージを届けます」
 
 以下、たくさんのLGBTQ関連記事の中から、興味深い、面白そうな、ぜひ読んでほしい記事をピックアップしてご紹介します。

プライドマーチについて知っておきたい12のこと
https://www.buzzfeed.com/jp/kyledavis/the-history-of-gay-pride-1

「このおうちは、お父さんが2人いるんだね」母親が子どもに言った言葉。そばで聞いていた作家の思い
https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/moriuo-2021

戸籍上は男性でも入学できるようにした女子大学 開始から1年、好感触を得ていた
https://www.buzzfeed.com/jp/kakoyoshihara/ochano-torikumi

「良かれと思って言っても、命に関わることがある」看護師が訴える切実な思い
https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/outing-soudan

「結婚との違いはまだまだあるけれど…」 私たちが“家族“と認められた日の話
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/ami-laura-partnership

同棲する部屋を探したいだけなのに…拒否や嫌がらせの言葉。「変えたい」と奔走する男性の思い
https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/iris-lgbtq-heyasagashi





フロントロウ

 フロントロウも海外の最新のLGBTQ事情をいち早く届けてくれる、素晴らしいサイトです。g-lad xxでも以前からたびたび、フロントロウの記事を紹介してきました。
 フロントロウはTRPのオフィシャル・メディアパートナーではないものの、このプライドウィーク、トップページのFRONTROWのロゴをレインボーカラーに変え、「PRIDE WEEK 声をあげる。世界を変える。LGBTQ+」というバナーを掲示し、タイトルに【プライドウィーク】を冠したLGBTQ関連記事をいくつも掲載しています。そのなかには、お子さんのいる当事者の編集部員の方にお話を聞く記事もありました。これまでのフロントロウの記事の「当事者目線」っぷりに、きっと編集部の中に当事者の方がいらっしゃるのだろうと予想はしていたものの、まさかお子さんのいる方だったとは…素晴らしいです。
 
 以下、プライドウィークに掲載された記事の中から、興味深い、面白そうな、ぜひ読んでほしい記事をピックアップしてご紹介します。

フロントロウ編集部座談会!子供のいるLGBTQ+編集部員に色々聞いてみた【プライドウィーク】
https://front-row.jp/_ct/17445032

幸せいっぱい!LGBTQ+セレブカップルたちのラブストーリー【プライドウィーク2021】
https://front-row.jp/_ct/17448285

ダヴ・キャメロンが語る、代名詞「she/her」を記載する重要性【プライドウィーク】
https://front-row.jp/_ct/17442839

世界で一番美しい、愛が終わる…コリン・ファース×スタンリー・トゥッチ主演映画『スーパーノヴァ』がついに日本公開
https://front-row.jp/_ct/17450108

ピクサー、新作に向けてトランスジェンダー少女役を募集へ
https://front-row.jp/_ct/17448096

トランスジェンダーの人々の“真の姿”をストック写真にも、Getty ImagesとGLAADが協力してガイドライン作成
https://front-row.jp/_ct/17446087

ドクターマーチン、LGBTQ+コミュニティをサポートするPRIDEアイテム発売
https://front-row.jp/_ct/17448128

親にカミングアウトできるLGBTQ+の子供たちが増加!
https://front-row.jp/_ct/17449424

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