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レポート:台湾同志遊行&トランスマーチ2023
10月28日(土)に台北で開催された台湾同志遊行(Taiwan LGBT Pride)と、その前夜に開催されたトランスマーチを、Rickyさんがレポートしてくれました
ようやく以前のように海外に行きやすくなり、今年はひさしぶりに大勢の方々が台湾のパレードに行かれたことと思います(フロートやクラブイベントにも日本のGOGOさんやDJさんが出演してましたね)
今回、Rickyさんという友人が、台湾同志遊行(Taiwan LGBT Pride)のパレードと前夜のトランスマーチをレポートしてくれました。RickyさんはいつもパレードをレポートしてくれているVENさんの友人で、1990年代から札幌などのパレードに参加していた方です。先日のピンクドット沖縄の「Pride Choir Tokyo」の合唱のコンサートでは、『島唄』のときに三線を弾くなどして活躍していました。
以下、Rickyさんのレポートです。
台灣同志遊行(Taiwan LGBT Pride 2023)
2003年にスタートし、今回で21回目となる台灣同志遊行(Taiwan LGBT Pride 2023)に参加してきました。2012年、2019年に続き、3回目の参加になります。コロナ禍に入る前の年以来の訪台でした。
当日は朝から雨。せめて歩く最中は止んで欲しいな…と願っていたら、お昼頃にはほぼ上がりました。パレードあるあるでしょうか。
会場である市政府庁舎前には早くから大勢の人が集まっていました。たくさんのブースが並び、それらを眺めているだけでも楽しい気分になります。企業や団体、合わせて140を超えるブースが出展されていたそうです。
ブースエリアの両端には、パレードコースやブースを紹介する案内がありました。
ステージではイベントがスタート。
西門にも施されているレインボーのペイント(彩虹地景)が、この会場にもありました。また、多くのフロート車が待機していました。
会場内では、パレードの出発を待つ思い思いの姿をした方々がひしめきあっていました。なかにはコスプレをした子どもの姿も。
予定時間をかなり過ぎてからようやくパレードがスタートしました。北と南の2コースが用意されており、スタートから程なく分岐することになっています。自分は人の流れに乗って北ルートを歩きました。
とにかく人が多く、歩きたいフロートを選べるような状況ではありませんでした。人波に押し出されながら、気付いたら公道に出ていたという感じです。
本当に自由で何でもありなパレードでした。隊列の出入りはやりたい放題、服装の規制もなく、ほぼ全裸に近い方もちらほら見かけました。裸エプロンの人がいるかと思えば、女性のボディペイントも。沿道で応援する方々も個性的でした。
適当に列を抜けて休憩しながら歩こうと思っていましたが、結局約3時間ノンストップで歩き切ってしまいました。主催者である台湾彩虹公民行動協会(TWRCAA)によると、176,000人の参加があったそうです。台湾の副総統が一緒に歩いていたと知ったのは、終了後のネットニュースからでした。
友人と落ち合うつもりが会うこともできず、全く言葉が通じないなかでのパレード。どこで歩くかはもちろん大事ですが、誰と一緒に歩くかもパレードでは大切なことなのかな…と思いました。
男性と女性、LGBTQ+当事者とそうではない人、区別することが対立や差別・偏見を生むのだと感じます。こうしたイベントが社会に及ぼす影響は決して小さくはありません。誰もが共に手を取り合える社会を作るには、目に見えるものが必要なのだなと思います。
商業的に成功しているように見える台湾プライドですが、あくまでも主役は「人」で、決して企業などが前面に出過ぎることをしないという方針は変わらないそうです。これから先もそうあってほしいと思います。
台湾トランスマーチ(Taiwan Trans March 2023)
10月27日(金)夜、台北市内で5回目となるトランスマーチが開催されました。私はたまたま第1回の2019年にも参加しており、今回4年ぶり2回目の参加となりました。
このパレードは、台灣同志諮詢熱線協會(Taiwan Tongzhi Hotline Association)という団体が主催しているものです。ステージが組まれた西門紅楼には、トランスのフラッグを手にした様々なセクシュアリティの人が、思い思いのファッションで集結しました。
ステージイベントが始まりました。登壇者の言葉に湧き立つ群衆。パレードがスタートする前からかなりの熱気に包まれていました。やがて幟旗を掲げた方たちがステージに集まり、それぞれの団体が紹介されました。さらに会場は盛り上がり、エールを送り合います。言葉はわからずとも、熱い想いが伝わって来て感動しました。
程なくしてパレードがスタート。夜の街中を練り歩くパレードは珍しいのではないかと思います。交通量の多い通りの行進はなかなか大変だと思うのですが、街行く人や沿道のお店の方々も協力的で、大きな混乱もなく歩けました。
先頭は巨大なトランスフラッグ。続いてフロート車、さらに横断幕。フロートからはもちろん音楽も流れていますが、車上でのマイクアピールがメイン。パレードがデモ行進であることに改めて気づかされます。
2019年に歩いた時には結構な数の日本人が参加していました。今回は自分が気付けたのは沿道で応援する1名の知人のみ。地元台湾の方々のほか、アジア諸国やもっと遠い地域からの参加が多かったように感じます。正確な参加者数は把握できていませんが、一部報道によると約5000人とのこと。
LGBTQ+はもちろん、アライの参加も目立っていました。日本では昨今トランスヘイトが横行し、当事者の生活に影響を及ぼしています。台湾でも大変な状況はあるのでしょうが、こうして多くの人が手を取り合っている姿を目撃すると、まだまだ私たちにもできることはあるのではないかと思わされます。
多くのパワーをもらえる貴重な夜でした。
(文・写真:Ricky)
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