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レポート:みやぎにじいろパレード2024

2024年11月16日(土)、仙台でみやぎにじいろパレードが開催されました。天候にも恵まれ、晴れやかなパレードとなりました。また、今年もエル・パーク仙台が「うぢらで虹かけっぺし会場」となり、ブース出展、展示、交流などが行なわれました

レポート:みやぎにじいろパレード2024

仙台では2020年7月にみやぎにじいろパレードが初開催される予定でしたが、コロナ禍で中止となり、翌2021年はオンライン開催(実行委員会の少数の方たちだけでパレード)となり、2022年にようやくリアル開催が実現しました。(2022年は6月開催で雨模様だったこともあり)昨年は11月に開催され、参加者のみなさんは紅葉の美しい仙台の街を晴れやかに行進しました。今年も2024年11月16日(土)、リアルでは3回目となるみやぎにじいろパレードが開催され、各地から集まった約250名の参加者のみなさんが元気よくパレードしました。

 

うぢらで虹かけっぺし会場

 仙台はパレード前日の15日(金)が最高気温20度、16日も20度近くまで気温が上がり、東京とあまり変わらないような暖かさになっていました。
 今年も三越の上にあるエル・パーク仙台(男女共同参画推進センター)のギャラリーホールが「うぢらで虹かけっぺし会場」となり、ブース出展、展示、交流のスペースとなっていました。
 こちらは11時にオープンしていたので、パレードが始まる前の時間を有意義に過ごすことができました。
 
 庄内レインボーマーチを開催している「虹をかける会」のブースでは、鶴岡市の遠州屋という和菓子屋の方が作った「十人十色」というレインボーカラーの和菓子が販売されていました。金粉も載ってたりして、あまりにも美しく、食べるのがもったいないくらいでした。中にあんこが入っていて、ものすごく上品な味で美味しかったです。

 仙台のHIV予防啓発団体「やろっこ」は、地元で顔出しで歩くのがためらわれるような方たちのために、ハロウィンの仮装グッズや女装グッズなどを貸し出していました。ドラァグメイクみたいなフェイスペインティングシールもあって、喜ばれていました。

 「結婚の自由をすべての人に」ブースには、家事審判の小浜さんもいました。
 手紙を書こうプロジェクトなどを展開していました。

 12時に、パレード出発地点の肴町公園に一緒に行こうということで、旗やのぼりを持って移動。「すでにパレードが始まってるね」「予行演習だね」と言ったりしながら、商店街を歩きました。


みやぎにじいろパレード
 
 12時20分頃に会場の肴町公園に到着。すでにたくさんの人たちが集まっていて、整列も始まっていました。
 思えば2年前、初めてみやぎにじいろパレードに参加したときは、直前まで雨が降っていたため、公園はぬかるんでいましたが、この日は11月の東北とは思えない暖かさで、絶好のパレード日和でした。パレード出発を待つみなさんのワクワク感が公園に満ちているように感じられました。
 
 共同代表の方が簡単にご挨拶し(青森と同様、メディアの人たちが前に出て自己紹介し)、みんなで「We have pride!」というかけ声を練習しました。
 出発のちょっと前に、秋田の方が、秋田プライドマーチで使ってるキャスター付きのスピーカーを持って来たのが見えました。みやぎにじいろパレードは(商店街を歩くこともあり)トラックは出ないのですが、パレードの隊列のところどころ、全部で3つか4つ、スピーカーがあって、音楽が流れ、おかげで、フロートがなくても“お通夜”状態にならず、高揚感や一体感が生まれています。各地のプライドが協力しあい、お互いに助けあってパレードを開催している様子がうかがえ、その東北らしい温かさがとてもいいなぁと思いました。

 そうして13時にパレードが出発しました。
 公園を出たパレードは、晩翠通(南北の大通り)に出て、音楽(J-Rockとか、清貴さんの歌とか)も流れていましたが、先頭では共同代表の方がメッセージを読み上げたりしていました。パレードは交差点で左折し、青葉通に出ました。紅葉が美しい青葉通を「We have pride!」とコールしながら進みました。
 仙台のメイン商店街であるアーケードの一番通商店街(ブランドーム)に入ると、たくさんの人が行き交う商店街なので、参加者のみなさんも盛んに手を振ったり、コールしたりしていました。後ろの方の、とある企業の方たちが特に盛り上がっていて「Happy pride!」の大合唱をしていました。
 広瀬通も越えて、三越の前を通り、パレードの隊列は木々がたくさん生い茂る(道路の中央が公園になっている)定禅寺通りに出て左折し、紅葉も緑も美しい通りを行進しました。晩翠通で左折し、ラストスパート。元鍛冶丁公園にゴールしました。



























★パレードのフォトアルバムはこちら

 集合写真を撮ったあと、エンディングイベントが始まりました。

 青森レインボーパレードの方は今回、来られなかったので、メッセージが代読されました。「生き延びましょう」という言葉が胸に響きました。「世界が変わっていく姿を見たいです。今日がその一歩になることを祝いましょう」

 庄内レインボーマーチを主催する虹をかける会の方は、「全ての人がその個性を尊重される共生社会を」「宮城でも早くパートナーシップ制度を」と語りました。

 やまがたカラフルパレードのメッセージの代読でした。「3年前にパレードを始めたとき、後押しになったのがみやぎにじいろパレードでした。実行委員の一人がみやぎにじいろパレードに参加し、そこで協力してくれる方に出会って。地元ではできないと思っていましたが、協力を申し出てくれました。各地の人たちの励ましや協力のおかげで開催できたこと、お礼を申し上げます」

 秋田プライドマーチの方は、「秋田でもパレードやってるよと伝えたい。生きづらさを感じて秋田を出て行く人におかえりなさいと言えるようになりたいと思い、ここにいるよというテーマを掲げ、秋田を去った人に頑張ってるよと伝えたい。私は仙台に住んでいて、やっぱり日常は秋田とあまり変わらないと思っています。パレードでみんなで声を上げることに意味があると思います」と語りました。

 いわてレインボーマーチの方は、「個人的には、生まれ育った町を歩くのは勇気が要ることです。知り合いや親戚に会うのではないかという不安が壁になっています。私たちを笑ったり攻撃する資格はないのに、差別が存在しています。当事者が矢面に立ち続けるのではなく、アライと一緒にやっていけたら。命は平等だと信じています。上げてきた声はきっと残ります」と語りました。来年は5月31日の開催を予定しているそうです。

 ふくしまレインボーマーチの方は、「ありのままで生きていけるようにパレードを開催しています。今日はありがとうございました。これからも一緒に社会を変えていきましょう」と語りました。

 ろうLGBTQ東北の方は、「東北にいるろう当事者やアライと団体を立ち上げ、今年4月に10周年を迎えました。これからも出会いを大切にしていきたいです。今日販売しているグッズの収益で手話のパンフレットを作りたいと思っています」と語りました。 

 パレードを共催しているにじいろCANVASの小浜さんは、「パレードはLGBTQの可視化とともに、多様な性を前提とした街づくり、自分らしくやっていけるように開催しています。そして1年声を上げてきたことのおつかれさま会でもあります。今年2月、パートナーと婚姻届を出しましたが、突き返され、家事審判を申し立てました。パートナーシップ制度についてもたくさん声を上げてきました。でも、そのほかにも声の上げ方があるんじゃないかと思います。周りの人に話したり、生活の中で『ここにいるよ』と伝えたり。今日ここに来れなかった人や、周囲に話せない人もエンパワーしていきながら、一人一人が行動していけたら」と語りました。

 この後、にじキャンの小野寺さんが、みなさん手話をおぼえましょうと言って、ろうLGBTQ東北10周年を祝う「おめでとう」の手話をみんなでやりました。

 パレード共同代表のしゅんしゅんさんは、「同性婚や性別変更の裁判を闘ってる仲間に敬意を表します。少しずつですが宮城でも活動が広がっています。ダイバーシティ、多様性というのは差異を認め合うことで誰もが生き生きと暮らせるようになるということですが、それまであった社会を変えていくことですから、マジョリティにとっては不快なことだったりします。ワシントン大学の講演で、マジョリティにとってそれは当然、不快なことであるから、恐れてはならない、というお話がありました。利益にならないと支援をやめた企業もあると聞きます。活動の本当の意味から目を逸らさず、これからもやっていきたいと思います」と語りました。

 同じく共同代表のほまれさんは、「去年から実委を務め、広告の制作などに携わり、TRPにも参加しました。その中で使命感 や力不足も感じ、共同代表を決意しました。仲間や同志がたくさんいる一方、まだまだ活動が必要です。差別や偏見、誹謗中傷もあり、私も心ない言葉でズタズタにされたりしました。今回のパレードのチラシには、レインボーに混じって傷ついた痛みを
表現する血のようなデザインもあります」と語っていました(パレードのフライヤー、とてもプロフェッショナルなデザインだなぁと感心していましたが、ほまれさんのそういう思いも込められていることがわかりました)

 同じく共同代表のこぐまさんは、「私の思いはチラシに書いた通りです」とさらりとご挨拶し、でも一言だけ、「私はずっと前から国分町でゲイバーやレズビアンバー、ミックスバーをやってきた方が切り開いてきたと思っています」と語ってくれました(代表の方がそういう意識を持っていることはとても大事だと思います。拍手!)

 
 
うぢらで虹かけっぺし会場2

 パレード終了後、公園に残ってお話している方たちもたくさんいらっしゃいましたが、三々五々、エル・パーク仙台の「うぢらで虹かけっぺし会場」へと移動しました。
 午前中よりもブースが増えて、会場にレインボーカラーがあふれていました。各地のプライドのブースやにじいろCANVAS、宮城県北部で活動している団体、医療関係の方たち、司法書士会、irOdori~彩り×踊り~のみなさんなどです。
 パレードを歩き終えたたくさんの方たちがブースを見て回ったり、友人・知人とお話ししたり、思い思いに過ごしていました。






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