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特集:第32回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
1年のブランクを経て、レインボー・リール東京が帰ってきた! 6月21日(土)・22日(日)に渋谷ユーロライブで、7月12日(土)・13日(日)に東京ウィメンズプラザホールで開催! 日本で未公開の良質なクィア映画をみんなで一緒に観ましょう!

1992年から始まり、国内で最長寿のLGBTQコミュニティイベントとなっているレインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)。東日本大震災の年は開催時期を秋にずらしたり、コロナ禍のときは中止を余儀なくされたりしましたが、ほぼ毎年、7月に開催されてきました。
世界中の話題作だったり優れた作品だったりを選りすぐって上映し、ゲイやレズビアンの観客が一緒に映画を観て、同じところで笑ったり泣いたり…最後には拍手が起こったり。そんな映画鑑賞体験ができるのはレインボー・リール東京(以下、映画祭)だけでした。オープニングやクロージング、コンペのときなどはドラァグクイーンやクィア・タレントが司会を務めるなどして盛り上げ、ホワイエではシャンパンなど冷たいドリンクを提供したり、いろんなブースが出展されたりしてお祭り感が演出されてきました。そのようなイベントを運営する実行委員会のみなさんは、ずっとボランティア(手弁当)で開催にあたってきましたが、ご苦労もいろいろあったと思います。
おそらくは運営上の事情があったのでしょう、昨年は開催されなかったのですが、今年はプライド月間の6月、21日(土)22日(日)の週末と、7月第2週、12日(土)・13日(日)の週末に、それぞれユーロライブ、東京ウィメンズプラザホールで開催されることになりました。おかえりなさい!という気持ちです。
一方、1996年以来ずっと映画祭の会場となってきたスパイラルホールがついに会場から外れたことには一抹の寂しさを禁じえません…(費用も高そうだし、大変ですよね…お察しします)。それでも、大勢のLGBTQの方たち(やLGBTQ映画のファンの方たち)が集い、同じ空間で一緒に泣いたり、笑ったり、映画を楽しむ、そのかけがえのない体験は、変わらず、続きます。
第32回レインボー・リール東京の開催、おめでとうございます。今年も楽しみにしています。
第32回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
会期・会場:
6月21日(土)〜6月22日(日) ユーロライブ(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
7月12日(土)〜7月13日(日) 東京ウィメンズプラザホール(東京都渋谷区神宮前5-53-67)
主催・NPO法人レインボー・リール東京
上映プログラム
上映作品をご紹介します。
全6プログラム・10作品を上映。そのうち5作品は日本初上映(ジャパン・プレミア)となり、世界各国で高く評価され、受賞歴のある作品が揃っているそうです。
今回の上映作品は、移民あるいは人種的少数者が抱える疎外感を描いた『満ち汐』、エイジング(加齢・老化)とセクシュアリティに光を当てた『嬉しくて死にそう』、紛争地域における同性愛をテーマにした『カシミールのふたり ファヒームとカルン』など、LGBTQ(クィア、性的マイノリティ)を扱う映画作品群の中にある多様性の豊かさにフォーカスした作品が多いのが特徴です。日本初上映作品も多数!です。
上映スケジュールはこちら、チケットについてはこちらをご覧ください。
◎チャクチャク・ベイビー
6/21(土)12:15 ユーロライブ、7/13(日)14:30 東京ウィメンズプラザ
日中は養母の介護、夕方はチキン袋詰め作業という日々を送るヘレン。育ててくれた恩以上の絆がある養母グウェンの介護は苦ではないけれど、元夫とその若い妻が中心の家でヘレンが寛げる場所はグウェンの隣だけ。そんなとき町に20年ぶりに里帰りでやってきた一人の女性。それはヘレンが10代のときに恋をし、今も忘れられずにいる相手だった…。BAFTAウェールズ2024 作品賞受賞。トロント国際映画祭2024上映。
英題:Chuck Chuck Baby
監督:ジャニス・ピュー
2023|イギリス|101分|英語 *日本初上映
◎満ち汐
6/22(日)17:15 ユーロライブ、7/12(土)18:15 東京ウィメンズプラザ
ブラジル移民のロレンゾはアメリカ人彼氏から一方的に別れを告げられ、海辺のゲイ・リゾートとして知られるプロビンスタウンで清掃員として先の見えない暮らしをしていた。ある時ビーチでロレンゾはニューヨークから来たモーリスと出会う。それぞれに孤立感を抱える二人は寄り添い合うように親しくなり関係を持つが…。
サウス・バイ・サウスウェスト映画祭2024選出。フィルムアウト・サンディエゴ2024主演男優賞、助演男優賞受賞。
英題:High Tide
監督:マルコ・カルヴァニ
2024|USA|101分|英語 *日本初上映
◎嬉しくて死にそう
6/22(日)12:00 ユーロライブ、7/13(日)12:30 東京ウィメンズプラザ
フランス初のクィア・シニア団体「グレイ・プライド」を創設したフランシス(70)はHIVとも長い付き合いだがパートナーとはもう35年続いている。81歳にして尽きない性欲とオーガズムへの探求心について熱心に語るミシュリーヌなど「グレイ・プライド」のメンバーを通して老いとセクシュアリティというテーマをパワフルに更新するドキュメンタリー。
Roze Filmdagen(アムステルダムLGBTQ+映画祭)ベストドキュメンタリー賞やモントリオールLGBTQ映画祭観客賞を受賞。
原題:Si je meurs, ce sera de joie 英題:If I Die, It'll Be of Joy
監督:アレクシ・タイヤン
2024|フランス|80分|フランス語 *日本初上映
◎ドラマクイーン・ポップスター
6/21(土)15:45 ユーロライブ、7/12(土)15:30 東京ウィメンズプラザ
ミミはポップアイドルとしてデビューが決まり、同時にレズビアン・クラブでのパンキッシュなパフォーマンスが人気のビリーと恋愛関係になる。ミミは急速にポップスターとして売れ、元は憧れの存在だったビリーを一瞬で超えて有名になるが、セクシュアリティや恋人のことは世間に秘密で…。
ゼロ年代ポップワールドを背景に繰り広げられるクィアでキャンプな愛憎ドラマ。カンヌ国際映画祭2024 批評家週間に選出。BFI ロンドン映画祭2024でも上映。
原題:Les reines du drame 英題:Queens of Drama
監督:アレクシ・ラングロア
2024|フランス・ベルギー|115分|フランス語 *日本初上映
◎カシミールのふたり ファヒームとカルン
6/22(日)14:15 ユーロライブ、7/13(日)10:30 東京ウィメンズプラザ
カシミールの検問所に配置された南部インド出身のカルン。カシミールは紛争地域だが着任時は安定した状況。村の料理店でカルンは大学の休暇で村に帰省中のファヒームと出会う。瞬く間に惹かれ合うふたりだが、カルンは職業上、ファヒームは家の宗教により、彼らが恋を語れる場所はどこにもなく…。
カシミール語を主言語とした初のLGBTQI+映画作品。BFI Flare ロンドンLGBTQIA+映画祭2025で上映。UK アジアン映画祭2025で監督賞を受賞。
英題:We Are Faheen and Karun
監督:オニル
2024|インド|79分|カシミール語、ヒンディ語 *日本初上映
◎ブリティッシュ・カウンシル+BFIセレクション:トランスジェンダー短編集+『5時のチャイム』上映
6/21(土)18:25 ユーロライブ、7/12(土)12:15 東京ウィメンズプラザ
英国映画協会(British Film Institute: BFI)のBFIフレア・ロンドンLGBTQIA+映画祭とブリティッシュ・カウンシルのパートナーシップに基づいて2015年から毎年優れたLGBTQIA+短編作品を世界に発信し続けているオンライン映画祭「Five Films for Freedom」およびその姉妹プロジェクト「More Films for Freedom」との共同企画によるトランスジェンダー短篇作品4本を上映します。併せて英国人監督が日本で制作した日・英共同制作作品『5時のチャイム』も上映します。
(協力:ブリティッシュ・カウンシル)
『記憶の鳥』
いなくなった鳥を探すトランスジェンダー女性がリオの街を歩く。ロカルノ、トロントなど多数の国際映画祭で上映された短編。
原題:Pássaro Memória 英題:A Bird Called Memory
監督:レオナルド・マルティネリ
2023|UK・ブラジル|15分|ポルトガル語
More Films For Freedom 2022/2023
『トランス・ハッピネス・イズ・リアル』
トランスジェンダーの活動家がオックスフォードの街に出て、グラフィティを通して反トランスの感情と戦う模様を扱った8分間の短編作品。
英題:Trans Happiness Is Real
監督:クイントン・ベイカー
2020|UK|8分|英語
Five Films for Freedom 2021
『レッツゴーTRUKユナイテッド!』
2021年に創設された英国のトランスジェンダー選手のサッカーチーム「TRUKユナイテッド」が、トランスヘイトの空気が高まるなか、安全でインクルーシブなコミュニティを築こうとする苦難に満ちた歩みを2年にわたって追いかけたドキュメンタリー。
英題:We’ll Go Down in History
監督:キャメロン・リチャーズ、チャーリー・ティドマス
2025|UK|25分|英語
Five Films for Freedom 2025
『おいしい水に捧ぐ祈り』
南アフリカ共和国・ケープタウン。3人のトランス女性セックスワーカーがコロナ禍に直面しての心情を語ったドキュメンタリー作品。
英題:Prayers for Sweet Waters
監督:イライジャ・ヌンベ
2021|UK・南アフリカ|16分|英語、フランス語、キルンディ語
More Films For Freedom 2021/2022
『5時のチャイム』
防災行政無線の5時のチャイムが鳴り響くなか、主人公のセイジは、ある青年との満たされなかった出会いに夢中になり、どんどん空想の世界に引き込まれていってしまう。
英題:The 5 O'Clock Chime
監督:ジェイムズ・クーパー
2024|UK・日本|15分|日本語
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