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レポート:神戸レインボーフェスタ2025(2)
5月31日(土)と6月1日(日)、「TOTTEI PARK」で開催された神戸レインボーフェスタのレポートをお届けします。2日目は初のプライドパレードも行なわれました

5月31日(土)と6月1日(日)、新港第2突堤にできたばかりの関西最大級の多目的アリーナ「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)」の敷地内の広場「TOTTEI PARK」で神戸レインボーフェスタが開催されました。2023年から始まった神戸レインボーフェスタは今年初めて屋外で2日間にわたって開催され、初めてプライドパレードも行なわれました(約700人が参加。スゴいです)
神戸レインボーフェスタ2025の2日目、6月1日(日)のレポートをお届けします。
プライド月間の始まりを告げる(バンコクでも大規模なパレードが開催された)6月1日の日曜日。よく晴れて絶好のパレード日和となりました。この日も11時からステージイベントがスタートしました。
オープニングは神戸弘陵学園高校マーチングバンド部の演奏。ROSÉ & Bruno Mars「APT.」からのILLIT「Magnetic」という素敵選曲で始まり、内外のいろんな楽曲を踊りながら演奏してくれました。
それから、昨年の岡山レインボーフェスタなどにも出演したキズキシルシさんとバンド「Seeekees!」による演奏。「世界に一つだけの花」など、レインボーイベントにふさわしい曲を聴かせてくれました。
映画『スウィングガールズ』のモデルになった高砂高校のジャズバンド部のみなさんが登場。本格的なビッグバンドで、「A列車で行こう」などおなじみの曲を次々と披露してくれました。
「体は女の子 心は90%男」だという谷川彩莉さんが登場し、歌やトークを披露(歌がとても上手い方でした)
ステージではこの後も、企業トーク、pupさん、禮志竜聖さん、liberSYmphonics.さん、チープスさんと演目が続きましたが、パレード出発の時間が近づいてきたので、フードコーナーで簡単にお昼ごはんをいただいた後、アリーナ前方の芝生の広場のほうに移動しました。
パレードは、1から5までの隊列に分かれ(5は撮影禁止でした)、アリーナ前の大きな通りを西に進み、京町筋を北上し、国道2号線から花時計に入り、東遊園地を左手に見ながらフラワーロードを三宮方面に行進し、再び京町筋を南下し、アリーナへと戻るというコースでした。メインのフラワーロードではフロート(トラック)も入って派手に行進できましたが、ずっと車道を行進できたわけではなく、ところどころ歩道を歩くかたちでした。
今回パレードを初めて歩くという方もいらしたと思います。地元神戸で歩けて本当にうれしいと感じた方も多かったのではないでしょうか。参加者のみなさんの笑顔が、このパレードの意義を物語っていると思います。
★パレードのフォトアルバムはこちら
会場に戻って来ると、ステージでは谷ノ上朋美さんが歌っていました。おばあちゃんが沖縄で奇跡的に生き延びた方で、命がいちばん大切だという思いを強くしていると語った後で歌ってくれた「そのままで」という歌が、沁みました。
ゲイであることをカムアウトしている犬山颯悠(しゅう)さん。僕の旗の色決めるのは自分自身、誇りに思えるのは自分で決めた色、といった、当事者だからこその思いを歌にして届けてくれました。liberSYmphonics.さんの演奏もよかったです。
他の街で開催されるフェスタを紹介する時間になりました。
岡山レインボーフェスタは11月2日開催。今年は下石井公園でチルい前夜祭を開催、また初めてアフターパーティも開催するそうです。
PRIDE IN KYOTOは11月9日に開催。今年はウィークでやるそうです。
今年で9回目となるレインボーフェスタ和歌山も11月の、だいたい最後の週辺りに開催するそうです。和歌山城を一周するかたちのパレードは今年も開催しますが、フェスタの内容はまだ考え中、とのこと。また、レインボーフェスタ那智勝浦が11月15日・16日開催で、1日目はフェスタ、2日目は熊野古道をパレードするそうです。
大トリとして登場したのは赤髪のバイオリニスト、ナガサワユウキさん。初めてその演奏を聴いたのですが、(パレードを歩いて疲れたあと海からの心地よい風に吹かれてちょっと眠くなっていたのが)一気に目が覚めてしまいました。クラシックというよりもロックアーティストのようなパフォーマンスで、超絶テクニックを披露しながらみんなが知ってるいろんな曲(『ハウルの動く城』とか『情熱大陸』とか)で楽しませてくれました。
そして最後に、ボランティアスタッフの方たちがステージに上がり、代表の新井智尊さん(ベストリアン)が感謝の言葉を述べ、温かな拍手が贈られ、フィナーレとなりました。
初めて神戸レインボーフェスタに参加して、ロケーションの素敵さがまず印象的だったのと、アライの方とか、たまたま公園に来たようなファミリーとかも気軽に参加したり楽しんだりできるような空気感だったなぁと感じました(お子さん向けのゲームコーナーとかもありました)。メディアに取り上げられたり注目を集めたりすることも視野に入れて、平和的でフレンドリーながらも同性婚をはじめLGBTQの社会的課題のことなどは伝えていく、世間の人たちにLGBTQのことをポジティブにメッセージしようとする姿勢が感じられました(TRPをはじめプライドイベントの王道のありようですよね)。神戸製鋼のような神戸を代表する企業が協賛してくれてたのもスゴいと思います。
私も2001年に東京のパレードの実行委員をやりましたし、これまでたくさんのパレードを見てきたので、この規模のイベントを、しかも初めてづくしのイベントを開催するのは本当に大変だったと思います。いろいろ想定外の出来事もあったでしょうし…。ボランティアスタッフの方がたくさんイベントを手伝ってくださっていたのも素晴らしかったです(80名だったそうです)。パレードって本当にやるのが大変で、次々にいろんな問題が出てきたりして、疲弊・消耗してしまったり…(そうしてたくさんのパレードがなくなっていきました)。なので、いまはゆっくり休んでいただいて、また来年の開催に向けて英気を養っていただきたいと思います。みなさん、本当におつかれさまでした。
(取材・文:後藤純一)
INDEX
- レポート:Tokyo Pride 2025(4)2日目のステージ
- レポート:Tokyo Pride 2025(3)プライドパレード
- レポート:Tokyo Pride 2025(2)初日のステージ
- レポート:Tokyo Pride 2025(1)広場のにぎわい
- 特集:プライド月間の企業の取組み
- レポート:神戸レインボーフェスタ2025(2)
- レポート:神戸レインボーフェスタ2025(1)
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