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レポート:Tokyo Pride 2025(3)プライドパレード

東京では初のプライドマンスの開催となった「Tokyo Pride 2025」が7日・8日、代々木公園イベント広場で行なわれました。2日間合わせたのべ動員数は過去最高の約273,000人に上り、8日のプライドパレードにはおよそ1万5000人が参加し、「Same Life, Same Rights」のテーマの下、渋谷や原宿の街を行進しました。2日目、日曜日のレポートをお届けします

レポート:Tokyo Pride 2025(3)プライドパレード

 初の6月開催ということで、天気だけが心配だったのですが(「パレードに雨を降らせないで」)、幸い、8日(日)は前日ほど日差しも強くなく、雨も降らず、ちょうどいい感じの天候でした。この日はプライドパレードが行なわれるということで、前日よりもさらに早い時間からたくさんの方たちが会場に来られていました。ステージの模様はこの次にお届けすることにして、先にプライドパレードのレポートをお届けします。


プライドパレード

 11時45分、ケヤキ並木の渋谷側のゲートのところで、恒例のフォトシューティング(集合写真の撮影)が行なわれました。共同代表の山田さん&佐藤さん、元共同代表の杉山さん&山縣さん、MCのみなさん、そしてJPN(各地のプライドの運営者)のみなさんが並び、メディアの人たちがバシバシ写真を撮っていました。
 そうして12時、いよいよパレードがスタートしました!

 ここからは、レズビアンのフォトグラファー・カケジクさんの美写真&コメントをお届けします。(※各写真のキャプションは後藤が書いています)
 

 昨日ほど陽射しが無いのはありがたいけれど、湿気がじんわり身体にまとわりつく日曜日。
 ほぼ時間通り、12時にパレードがスタートしました。
 今年の出展グループ数は58。
「HAPPY PRIDE!」の声とともに沢山のはじける笑顔がパレードコースを彩りました。
 以前はグループの先頭がフロート(装飾されたトラック)で、そこからガンガン音楽が流れて…というスタイルが主流でしたが、最近は先頭の方たちがグループのフラッグを持って歩くスタイルが増えている印象です。
 先頭の主催者グループには、フェスティバル2日目の司会を担当されている「午前0時のプリンセス」の皆さん、NHK(Eテレ)番組「虹クロ」のナレーター&コーナーナビゲーターとしておなじみのパパラピーズじんじんさんも参加。政治家の皆さんも普段はなかなか見ることができない(?)笑顔を見せてくれました。
 続く「公益社団法人Marriage For All Japan-結婚の自由をすべての人に」のグループでは、事前に当事者カップルを募集。「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告の皆さんに続いて沢山のカップルがメッセージを掲げながら歩いていました。マリフォーグループ以外でも手をつないで歩いているカップルがたっくさんいました(うらやましい…!)
 今年は、これまで以上に車椅子ユーザーの方たちや親子での参加が増えていたように感じました。子どもたちの楽しそうな笑顔、カメラに向かって近づきながら手を振ってくれる姿に何度も癒やされましたよ。
 58あったグループの中で一体感がずば抜けていたのは43番目に登場した「#UpdateHIV」のグループ。フロートからの大音量の音楽、そして「WE ARE!」「POSITIVE!」のコール&レスポンス、沿道で撮影しながら私もノリノリ(←死語?)でした。
 ラストの「東京トランスマーチ IN 東京プライド」がスタートしたのは16時半ごろ。歩くのもかなりの長時間で大変ですが、待機するのも大変だったのではないかと思います。皆さんお疲れ様でした!
 そして、各グループの先頭と最後尾についていたボランティアの皆さんもお疲れ様でした!カメラに向けてくれた笑顔、本当に素敵でした。





































 プライド月間である6月に初開催となった東京のパレード。
 途中、一瞬雨がパラっときたりもしましたが、なんとか天候が持ちこたえてくれて良かったです。
 
★カケジクさん撮影のパレード写真のフォトアルバムはこちら

【追記】2025.6.19
全国のプライドパレードを取材している秋山理央さんが、速報の映像をXに上げていたので、ご紹介します。



 最後に、後藤のコメントをお届けします。
 私は出発地点で写真を撮っていたのですが(写真はこちら)、15:45にMarriage For All Japanフロートに参加した50組の同性カップルがステージに上がってアピールするというので、これは今回のプライドの重要な1シーンになるはずだと思い、中座して(あとはカケジクさんに任せて)ステージに向かうことにしました。15:15頃に「#UpdateHIV」フロートが出発するのを見届けましたが、以降のフロートは見れず…素晴らしかったと評判の東京トランスマーチのフロートも見れなくて残念でした。
 
 12時前から15時過ぎまで出発地点にいましたが、そのあたりでパレードを見送ってるゲイの方、すごくたくさんいました(ジムで見かける方たちとか)。なかには、企業のフロートが多くて当事者の姿があまり見えないなぁとか、ゲイが(セクシーな格好だったりで)大勢歩く台湾や欧米のパレードなどとはずいぶん違うなぁ、といった感想を抱いた方もいらしたかもしれません。
 カケジクさんが書いていたように、トラックにDJやドラァグクイーンなどのキャストが乗ってクラブミュージックで盛り上げるかたちのフロートはめっきり少なくなった印象ですが(そういうフロート出すのってお金もかかるし、大変ですよね…)、その代わり、フロートの先頭のリヤカーにスピーカーを積んで音楽が流れるようにしたりという工夫が見られました(地方のパレードではスタンダードですよね)。どなたかがおっしゃっていて本当だ!と気づいたのですが、今回、これまでパレードを支えてきた(海外ではメインを張るような)二丁目系・クラブ系のコミュニティのDJフロートがとうとう一つも見られなくなってしまいました…残念なことです。
 かつて、一般企業の協賛もなく、アライなどという言葉すらなかった2000年代には、運営も協賛も参加者もほとんどみんな当事者で、数千人規模で手作り感あふれるパレードを開催していました(10基くらいあるフロートもほとんど全て、ゲイ雑誌とか⚪︎⚪︎ナイトとかレズビアンのバーなどのコミュニティ系フロートでした)。その頃を知っているみなさんは、今の大規模なイベントの様子を見て口を揃えて「隔世の感があるよね」と感慨深げに語ります。いい時代になったなぁと思うと同時に、あの頃頑張っていた方たちが今はあまり参加していないことに、一抹の寂しさも覚えます。
 
 ともあれ、今年も、東京の街でこのように盛大なプライドパレードが無事に開催されたこと、本当によかったと思います。
 パレードで歩くみなさんは本当に楽しそうで、笑顔があふれていましたし、勇気を出して初めて参加した当事者の方などは、すごく励まされたり、感動したりしたんじゃないでしょうか。渋谷や原宿の街にいた方なども、LGBTQのパレードだ、と思って手を振ったり(明治通りでは何百人もの企業のみなさんが集団で応援してました)、同性婚実現、そうだよね、と思ったり、トランスジェンダー支援の気持ちを抱いたり、HIV陽性者へのイメージがポジティブに変わったりしたんじゃないかと思います。
 出発地点にいたTPのスタッフの方や警察の方たちは4〜5時間も飲まず食わずで(トイレにも行ってないんじゃないでしょうか)フロートを順番に的確に送り出していて(次⚪︎番の梯団です、先導車があります、みたいな感じで擦り合わせをして、警官の方がフロート車を送り出した後、そこに合流するように参加者の方たちが出発するという流れ。間違うと車がない状態で歩くはめに。また、交差点なので信号待ちの車や歩行者も多く、テキパキ進めないと渋滞が起こってしまいます)、本当にご苦労なことだなぁと思って見てました。隊列のボランティアのみなさんも、待機の時間も含めて結構長時間で、大変だったと思います(前日も、帰着地点が変わったということで、暑いさなか下見をされてました)。毎年のことですが、パレードにかかわった一人ひとりのみなさんに、心から、本当におつかれさまでした、ありがとうございましたと申し上げたいです。

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