FEATURES
特集:第33回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
今年もレインボー・リール東京が6月20日(土)・21日(日)に渋谷ユーロライブで、7月11日(土)・12日(日)に東京ウィメンズプラザホールで開催されます。ほとんどが日本初公開&世界各国で高く評価され受賞歴のある作品です。ここでしか観ることができない良質なクィア映画をみんなで一緒に観ましょう!

1992年から始まり、国内最長寿のLGBTQコミュニティイベントとなっているレインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)。東日本大震災の年は開催時期を秋にずらしたり、コロナ禍のときは中止を余儀なくされたりしましたが、ほぼ毎年、7月に開催されてきました。
世界各地の話題作や優れた作品を選りすぐって上映し、LGBTQの観客(やクィア映画ファンの方たち)が一緒に映画を観て、同じところで笑ったり泣いたり…最後には拍手が起こったり。そんな熱い映画鑑賞体験ができるだけでなく、オープニングやクロージング、コンペのときなどはドラァグクイーンやクィア・タレントが登場して盛り上げ、ときには映画の監督や主演俳優などがゲスト登壇し、ホワイエではシャンパンなど冷たいドリンクを提供したり、いろんなブースが出展されたりしてお祭り感が演出されてきました。そのようなイベントを運営する実行委員会のみなさんは、ずっと手弁当(ボランティア)で開催にあたってきましたが、ご苦労もいろいろあったと思います。
おそらくは運営上の事情があったのでしょう、一昨年は開催されなかったのですが、昨年はプライド月間の6月と、7月に、それぞれユーロライブ、東京ウィメンズプラザホールで開催されることになりました。おかえりなさい!という気持ちでした。長年映画祭の会場として親しまれてきたスパイラルホールがついに会場から外れたことには一抹の寂しさを禁じえませんでしたが、それでも、大勢のLGBTQの方たちが同じ空間で一緒に泣いたり、笑ったり、映画を楽しむ、そのかけがえのない体験が変わらず、続いていくことこそが大切だと思います。
第33回レインボー・リール東京の開催、おめでとうございます。今年も楽しみにしています。
第33回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
会期・会場:
6月20日(土)〜21日(日) ユーロライブ(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
7月11日(土)〜7月12日(日) 東京ウィメンズプラザホール(東京都渋谷区神宮前5-53-67)
主催・NPO法人レインボー・リール東京
<上映作品>
今年の上映作品をご紹介します。
昨年は全6プログラムと、少し寂しい感じがありましたが、今年は8作品です。そのうち7作品が日本初上映(ジャパン・プレミア)。世界各国で高く評価され、受賞歴のある作品が揃います。
今回の上映作品には、ブルース・ラ・ブルースがパゾリーニの『テオレマ』を再構築した『来訪者』、クロアチアを舞台に二人の男の純愛を描いた『せき止められた水』、同性カップルの子育てを描いた社会派ラブストーリー『ラヴ・レターズ』、マレーシアのクィアパンクバンドのドキュメンタリー『クィア・アズ・パンク』、性分化疾患の秘められた真実を暴いた『シークレット・オブ・ミー』など、多様性の豊かさにフォーカスした作品がさまざま選ばれています。
また、クロージング作品として松岡弘明監督によるドキュメンタリー『熱狂をこえて』の上映が決定。日本におけるプライドパレードの創始者である南定四郎氏の生涯を見つめた作品です(レビューはこちら)
なお、上映スケジュールがまだわからないのですが、近く発表になると思われますので、わかり次第、更新します。チケットは6日から発売です。
来訪者
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の1968年の映画『テオレマ』を、英国を舞台に再構築した作品『来訪者』。謎めいた主人公は、皆から「訪問者」と呼ばれ、上流階級の家庭にやって来て、家族を一人ずつ誘惑していく。彼が突然去ると、残された家族はそれぞれ異なる方法でその空虚感を埋め合わせようとする。名作映画を再構築したエロティック・サスペンス。監督は1996年の映画祭で熱狂的な評判を呼んだ『ハスラー・ホワイト』のブルース・ラ・ブルース。これは必見です!
英題:The Visitor
監督:ブルース・ラ・ブルース
2024|英国|101分|英語 *日本初上映
ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品
熱狂をこえて
1931年、樺太で生まれた南定四郎。22歳で上京し、自分らしい生き方を模索し続けた。1984年、ゲイ解放運動を開始。活動に没頭するなかで、その熱意は次第に彼自身をも突き動かしていく。そして1994年、日本初のプライドパレードを開催する。しかし回を重ねるにつれ、運営は独善的なものへと変化。第3回パレードでは大きな反発を受け、南氏は運動の第一線から退くこととなる。時代に翻弄されながらも、正義に突き動かされ、熱狂のなかを駆け抜けた半生。熱狂をこえた先に、南氏は何を見つけたのか。本人の証言に加え、当時の関係者のインタビュー、報道資料、写真、映像をもとに、その激動の軌跡をたどる。ひとりの人生を通して描かれる、日本のプライド運動のはじまりの物語。 (レビューはこちら)
監督:松岡弘明
2026|日本|105分|日本語
せき止められた水
マルコはクロアチアの村で両親と、仲の良い弟のフィチョと暮らしている。彼は運動神経抜群だが、学校を卒業したら父親の希望通り自動車整備士になるつもりだ。そんなマルコの平穏な生活は、二つの出来事によって一変する。一つは村が洪水に見舞われる危機、もう一つは初恋の相手・スラベンが父親の葬儀のために帰郷したことだ。しっとりと恋に向き合いつつ、自らのアイデンティティを模索する青年を描いたラブストーリー。
英題:Sandbag Dam 原題:Zečji nasip 監督:セイェン・セルニック・カナク
2025|クロアチア、リトアニア、スロヴェニア|88分|クロアチア語 *日本初上映
ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門出品
ボディ・ブロー
若き警官エイデンは、危険な潜入捜査に乗り出す。そこで彼は、麻薬王のドラァグクイーンに操られる魅力的な男性セックスワーカー、コディと出会う。エイデンは危険な世界に足を踏み入れ、警察の陰謀に巻き込まれていく。キッチュな世界観に包まれたクライム・ラブストーリー。
英題:Body Blow
監督:ディーン・フランシス
2025|オーストラリア|99分|英語 *日本初上映
クィア・アズ・パンク
クィアパンクバンド「Shh...Diam!」は、その名前(マレー語で「黙れ!」)に反して、自分たちの真実を世界に叫び続けている。マレーシアの政治情勢が変化する中で、バンドメンバーのファリス、ヨン、ヨヨの率直な会話を捉え、観客を彼らの生活へと誘う。クィアの権利を否定する国を背景に、自己表現、身体の変容、愛、親の期待、不安、政治参加といったテーマを掘り下げている。新型コロナという逆境を跳ね返そうと奮闘するバンドメンバーの軌跡を力強く描いたドキュメンタリー。
英題:Queer as Punk 監督:イーウェン・チェン
2025|マレーシア、インドネシア|88分|英語、マレー語 *日本初上映
ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品
ラヴ・レターズ
セリーヌは30代前半。妻は体外受精で妊娠し、間もなく出産予定だ。しかし、親としての正当性を確立するまでの道のりは複雑で、母親との関係を再構築し、その過程で母性の奥深さを理解していく必要がある。同性婚が合法化された中、子を授かるということを真摯に描いた社会派ラブストーリー。
英題:Love Letters 原題:Des preuves d'amour
監督:アリス・ドゥアール
2025|フランス|97分|フランス語 *日本初上映
カンヌ国際映画祭批評家週間特別上映
シークレット・オブ・ミー
1995年、ルイジアナ州バトンルージュ。フェミニズム研究の授業中、大学生のクリスティは教科書を開き、彼女の世界を根底から覆す発見をする。物心ついた時から、クリスティは自分が周りと違うと感じていた。そして今、その理由が明らかになる。医療記録の開示を求めたクリスティは、ついに衝撃的な真実に直面する。自らのアイデンティティを揺るがす真実に迫ったドキュメンタリー。
英題:The Secret of Me 監督:グレース・ヒュー=ハレット
2025|イギリス|80分|英語 *日本初上映
SXSW映画祭出品、Framelineサンフランシスコ国際LGBT映画祭アウト・イン・サイレンス賞
INDEX
- 2025年春のクィア・アート展
- レポート:婚姻平等訴訟応援イベント「二丁目で、しゃべろう同性婚」
- レポート:第7回マリフォー国会 相次ぐ高裁の違憲判決!今こそ立法府の矜持を
- レポート:二丁目でユニ会
- 特集:2025年2月の映画・ドラマ
- 特集:レインボーイベント2025(上半期)
- レポート:第23回女装紅白歌合戦
- レポート:年忘れお楽しみイベント「gaku-GAY-kai 2024」
- 特集:2025年1月の映画・ドラマ
- 特集:年越しカウントダウンイベント 2024→2025
- 「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟二審・福岡高裁判決の意義
- レポート:ピンクドット沖縄2024
- レポート:GLOW UP! ラガンジャ・エストランジャ東京公演
- レポート:高知にじいろパレード
- レポート:エイズ学会2024(3)
- レポート:エイズ学会2024(2)
- レポート:エイズ学会2024(1)
- 2024-2025 冬〜新春のオススメ舞台作品
- 特集:2024年12月の映画・ドラマ
- 2024-2025 冬〜初春のアート展
SCHEDULE
記事はありません。







