FEATURES
2026年秋冬のクィア・アート展
2026年10月〜2027年2月に開催されるLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します

(Thunska Pansittivorakul写真展「LIFE SHOW|ライフ・ショー」より)
ゲイ術の秋、到来! ようやく長雨も落ち着き、お出かけしやすい今日この頃となりました。週末はぜひ劇場や映画館などと合わせてギャラリーや美術館にもお出かけください。というわけで、2026年10月〜2027年2月に開催されるLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します。いま現在、あまり数は多くないのですが、今後も新しい情報が出てくると思いますので、わかり次第、追加していきます。
(最終更新日:2026年10月6日)
* * * * * *
<トピック>
英国V&A企画の展覧会『ディーヴァ』が来年、東京で開催決定
マレーネ・ディートリッヒ、ジュディ・ガーランド、マリア・カラス、マリリン・モンロー、エディット・ピアフ、ビリー・ホリデイ、アレサ・フランクリン、バーブラ・ストライサンド、ドリー・パートン、シェール、フレディ・マーキュリー、エルトン・ジョン、グレイス・ジョーンズ、マドンナ、ホイットニー・ヒューストン、ビョーク、ビヨンセ、レディー・ガガ、アデル、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ…世界を魅了した歌声とともに、時代を切り拓いた約100名のディーヴァたちの軌跡をたどる展覧会『ディーヴァ』が、2027年3月24日〜2027年7月19日に国立新美術館で開催されることが決定しました。これは英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画し、世界5ヵ国を巡回し、各地で大きな反響と話題を呼んだ展覧会で、アジアで唯一、そして最後の開催地である東京でそのフィナーレを飾ります。ディーヴァたちが印象的なシーンで実際に身に着けた約60点の貴重な衣装を中心に、写真、映像、雑誌、ポスター、LP、さらにはディーヴァたちをモデルに制作された版画作品など、多彩な作品を通してディーヴァの歴史とその概念の変遷をたどり、その圧倒的な創造性、社会的な影響力、文化的意義を考察します(THE FIRST TIMES「世界5ヵ国で大きな反響と話題を呼んだ英国V&A企画の展覧会『ディーヴァ』が東京で開催決定」より)。これは楽しみですね!
ディーヴァ(DIVA)
会期:2027年3月24日~7月19日
会場:東京・国立新美術館 企画展示室2E
LAで活躍するクィア・アーティスト、荒川ナッシュ医さんのヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展が開催決定
1977年福島県いわき市生まれで現在はLAを拠点に活動するクィア・パフォーマンス・アーティスト、荒川ナッシュ医さん。ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展における日本館展示の帰国展を開催してきた京橋のアーティゾン美術館では来年6月19日〜9月20日に2026年の日本館出品作家に選出された荒川ナッシュ医さんの帰国展を開催。2024年に双子の親となったクィア作家自身の育児経験をもとに構成される展示で、鑑賞者が約4ヶ月の幼児の体重に相当する赤ちゃん人形を抱いて会場を巡り、私的な空間に閉ざされがちな「ケア」という行為を身体的に体験し、社会に開かれた営みとしてとらえ直す参加型の作品です。ヴェネチアでも高い評価を得た本作を、同館の空間に合わせて再構成し、紹介します。
第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展『荒川ナッシュ医|草の赤ちゃん、月の赤ちゃん/不連続統一体のように』」
会期:2027年6月19日〜9月20日
会場:アーティゾン美術館
* * * * * *
〜10月10日 東京
LIFE SHOW|ライフ・ショー
タイ深南部のクィアをめぐるドキュメンタリー作品を製作してきたタンサカ・パンシッティウォラクン監督が来日し、上映+トークイベントが3日に開催されましたが、これに続き、タンサカ監督による写真展「LIFE SHOW|ライフ・ショー」が東中野のplatform3で開催されています。「本展では、作家自らの「身体」「親密な関係」「私生活」をじっくりと記録してきた作品群を展示しています。映画のスクリーン越しとはまたひと味違う、パーソナルで切実な眼差しを間近で体感していただけます(※一部ヌード表現を含みます)」とのことです。
Thunska Pansittivorakul写真展「LIFE SHOW|ライフ・ショー」
会期:2026年10月3日(土)〜10日(土)
会場:platform 3(中野区東中野1丁目56−5 401号室)
開館時間:平日14:00-22:00、土日祝12:00-22:00
無料
協力:京都大学東南アジア地域研究研究所 ビジュアル・ドキュメンタリー・プロジェクト(VDP)
〜10月10日 東京
TORAJIRO個展「A Light That Never Goes Out」
「2026年、世界は変わってしまった。
人災である戦争。不安定な世界情勢。先の見えない経済。政治への不信。予測不能な多くの自然災害。
これまで通りの日常が続く保証はなくなってしまった。
日本は未だ残る家父長制の名残りや、ホモソーシャルな秩序に支配され、セクシャルマイノリティの権利は、ないがしろのままである。
私の絵の男性たちは、そんな「今」を生きている。
「A Light That Never Goes Out」の光とは、不安という暗闇の中でも消えない、かすかな灯火(ともしび)だ。
忙しい日々の中、誰かとのちょっとした会話やメッセージのやりとり。
パートナーの肌のぬくもりを感じたり、動物たちと過ごす時間。
自宅に飾られた絵を見て、その世界に浸るとき。
明日も朝はくるという肯定感。
展示ではその、かすかな光を描く。
困難な時代を生きる私たちの静かな希望を。
-TORAJIRO」
(公式サイトより)
TORAJIRO個展「A Light That Never Goes Out」
会期:2026年9月9日(水)-10月10日(土)★オープニング・レセプション:9月9日(水)18:00–20:00
会場:AKIO NAGASAWA Gallery Ginza
開廊時間:火〜土 11:00–19:00 (土 13:00–14:00 CLOSED)
休廊日:日・月・祝日
~10月11日 東京
キ@Tガイ展
「少しおかしくなってしまった自分に気がついたとき、そのときには、たくさんの絵や写真が既にあった。
ときおり、妄想や空想を交えながら、セルフコンパッション的な日常を積み重ねながら取り組もうとする作品と、街や人などの関係、ボロボロと零れていく日常とその中でのリアリティー、物語を探ろうとする個展・展ラン会」
(aktaの公式SNSより)
キ@Tガイ展
会期:10月1日(木)~11日(日)
会場:コミュニティセンターakta
開館時間:15:00-21:00(※月火水は休み)
無料
~10月18日 小淵沢
「ナショナル・カミングアウト・デーのためのポスター」特別展示
今年も中村キース・ヘリング美術館で、10月11日の「ナショナル・カミングアウト・デー」に合わせたポスター特別展示を行なっています。
「キース・ヘリングは、ゲイであることを公にして活動していました。まだ偏見や差別が根強かった1980年代当時、これは決して一般的なことではありませんでした。1988年8月、ヘリングは「ナショナル・カミングアウト・デー」のプロジェクトのためにこの作品を制作し、LGBTQ+としてのアイデンティティを受け入れ、誇りをもって生きることを後押ししました。この作品は、現在もこの特別な記念日のシンボルとして知られています。
自分が人と違っていてよかった。ゲイであることを誇りに思う。あらゆる肌の色の友人や恋人がいることを誇りに思う。自分の祖先たちを恥じている。私は彼らとは違う。
―キース・ヘリング 1987年
当館では、LGBTQ+コミュニティへの祝福と連帯の思いを込めて、毎年秋に所蔵資料の特別展示やイベントを開催しています」
(公式サイトより)
「ナショナル・カミングアウト・デーのためのポスター」特別展示
会期:2026年8月30日~10月18日
会場:中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市小淵沢町10249-7)
開館時間:9:00-17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:大人 1500円、16歳以上の学生 800円
10月31日〜11月1日 松山
極私的梅毒展Vol.12 in 愛媛
こちらでレポートした素晴らしくポップでアートな展覧会「極私的梅毒展」が松山で開催されます。エディトリアルデザイナーのコケ丸さんが、東京と大阪の二人の親友が梅毒に感染し、大変な思いをしたことから、梅毒のリアリティをみなさんに知ってほしいという思いで企画したものです。実際に友人が気付くキッカケになった陰茎のちいさな変化を生写真?で比較して確認できる「秘密ののぞき箱」など多彩なアイデアを駆使して、ポップに見せています。梅毒に関する予防啓発がテーマですが、アート展としても秀逸です。中四国のみなさん、ぜひ!(なお、11/1には映画『これからの私たち ―All Shall Be Well』の上映会もあります)
極私的梅毒展Vol.12 in 愛媛
会期:2026年10月31日(土)〜11月1日(日)
会場:人間環境大学 総合心理学部 大学祭内 松山道後キャンパス1号棟 3F 301教室(愛媛県松山市道後樋又1192-3)
開館時間:10:00-16:00
入場無料
〜11月11日
TIME TO SHINE! (THE SALESMEN)
欲望やファンタジー、文学、クィア・アイデンティティといったテーマを探求し、現実と想像のあいだに漂うような情景を絵画で描いてきたマイアミ生まれの画家、ヘルナン・バスの個展が六本木のペロタン東京で開催されます。
「ヘルナン・バスの表現主義的かつ極めて緻密な具象絵画には、19世紀末のデカダン派の芸術や文学、そして当時のフランスの画家グループ「ナビ派」の象徴的かつ装飾的なスタイルからの明らかな影響が見て取れます。中性的な男性像である「ダンディー」の図像を美学の基盤としつつも、彼の夢想的なビジョンに登場する若き主人公たちは、一人きり、あるいは数人で、純然たる遊歩者(フラヌール)のような佇まいで描かれます。時に親密な風俗画の情景に閉じ込められ、時に草木が鬱蒼と生い茂る、ロマンティックな風景がもたらす目眩のなかに迷い込み、彼らは暗示的なエロティシズムと曖昧な官能性が漂う空想の世界に身を置いているのです。一貫して、時が止まったかのような姿で描かれる彼らは、バス自身が「ファグ・リンボ(Fag limbo)」と呼ぶ、少年期から大人へと移行する間のどちら付かずの危うげな状態を体現しています。バスは、華麗な色彩と洗練された筆致により、一見物憂げでありながら、しばしばユーモアと機知に富んだホモエロティックな視点から、古典絵画のさまざまなカテゴリーを見事な手腕で再考し、新たに解釈しています」(ペロタン東京公式サイトより)
今回発表される新作は、今年のヴェネチア・ビエンナーレに際してカ・ペーザロ美術館で発表した観光地を舞台とする「The Visitors」シリーズや、ヤードセール、生花店、浜辺の土産物売りといった日常的な「商いの場」を舞台にした作品になるそうです。
TIME TO SHINE! (THE SALESMEN)
会期:2026年9月9日(水)〜11月11日(水)
会場:ペロタン東京(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F)
開館時間:11:00-19:00(火曜-土曜)
INDEX
- 特集:2025年9月の映画・ドラマ
- 2025年秋の舞台作品
- 2025年秋のクィア・アート展
- レポート:RELEASE
- 特集:AIDS文化フォーラムin横浜2025
- 特集:2025年8月の映画・ドラマ
- レポート:VITA Pool 2025
- 7/19、日本最大規模のゲイフェス「SUMMER BLAST」が7会場で開催!
- 特集:参院選2025
- レポート:“ArcH” Grand Opening Party
- 特集:レインボーイベント2025(下半期)
- レポート:「CHOICE」vol.2
- レポート:西湘クィアプライド2025
- 特集:2025年7月の映画・ドラマ
- レポート:Bling Bling Night Presented by HOTEL GROOVE SHINJUKU
- レポート:Tokyo Pride 2025(4)2日目のステージ
- レポート:Tokyo Pride 2025(3)プライドパレード
- レポート:Tokyo Pride 2025(2)初日のステージ
- レポート:Tokyo Pride 2025(1)広場のにぎわい
- 特集:プライド月間の企業の取組み






