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レポート:年忘れお楽しみイベント「gaku-GAY-kai 2025」
年末恒例のお楽しみイベント「gaku-GAY-kai 2025」が、二丁目近くの「雑遊」で12月29日・30日に開催されました。笑いとゲイテイストがあふれる楽しい一夜をレポートします

年末恒例のお楽しみイベント「gaku-GAY-kai」が、二丁目近くの「雑遊」で12月29日・30日に開催されました。第一部は贋作シリーズとして初めてオスカー・ワイルドの喜劇『真面目が肝心』が上演され、第二部では、いつものように「gaku-GAY-kai」でしか見られないパフォーマンスの数々が繰り広げられ、笑いとゲイテイストがあふれる楽しい一夜となりました。レポートをお届けします。
12月30日(土)、気持ちよく晴れて割と暖かな、年末らしい日でした。13時半過ぎ、御苑大通りを挟んで二丁目と向かい側にある劇場「雑遊」へ到着すると、お客さんが続々と詰めかけ、14時前には満席となりました。主催する劇団フライングステージの関根信一さんが劇中のオーガスタおばさんのいでたち(女装姿)で開幕のご挨拶をして、「gaku-GAY-kai 2025」がスタートしました。
第一部は『贋作・真面目が肝心』。41歳のときに同性と性行為を行なったとして告訴・投獄され、出所後は失意のうちに放浪し、46歳で亡くなったというオスカー・ワイルドが、超人気劇作家だった頃に手がけた喜劇『真面目が肝心』(『アーネスト式プロポーズ』という邦題で映画化されています。なんと『アナザー・カントリー』のルバート・エベレット&コリン・ファースが主演)を、関根さんがゲイ版・現代版的に翻案したお芝居です。
ざっとこんなストーリーです(観てから3日が経ち、記憶がちょっと曖昧に…ディテールが違ってるかもしれませんが、大体こんな感じだったと思います)
アーネスト(石坂純さん)は裕福な貴族の令嬢・グウェンドレン(エスムラルダさん)と結婚したいと望んでいますが、従兄弟のアルジャーノン(とつかおさむさん)は承服しかねています。アルジャーノンとアーネストは似たものどうしで、表向きの真面目な顔と、ゲイとして二丁目で遊んでいるときの顔を使い分けています。アーネストにはレイン(長谷川悠斗さん)という若い男の子の恋人がいますが、女性と結婚しようとしていて…それを友人のサロメ(オバマさん)が「アンタそれでいいの?」と追及するのですが、レインはあっさりOKします。一方、アルジャーノンはバンベリーという名の(架空の)病弱な友人を見舞うために遠くに赴かなくてはいけないという言い訳を使ってハッテンしていて、これを「バンベリーする」と名付けています。アルジャーノンはアーネストのスマホの待ち受けに「小さなセシリーより最高の愛を込めて、親愛なるジャックおじさまへ」という文句が刻まれているのを発見し、アーネストは田舎町でセシリーという少女の後見人をつとめながら、架空のアーネストという放蕩人の弟がいることにして「バンベリーしている」ことを白状します。
グウェンドレンはアーネストからのプロポーズを快く受け入れますが、それは彼女が世界で最も美しい名である「アーネスト」という名前の持ち主だから。「もしジャックという名前だったら?」と聞くと、「最悪」だという答えが返ってきて、ジャックは頭を抱えます。そして、グウェンドレンの母であるオーガスタばおばさんことブラックネル卿夫人(関根信一さん)は、気難しい割にはジャックのことを気にいるのですが、ジャックが新宿駅で見つかった手提げ鞄の中にいた孤児であるというジャックの身の上を知らされて、そんな人と結婚させるわけにはいかないと突っぱねるのでした。
ジャックが面倒を見ている前橋のセシリー(モイラさん)は、家庭教師のプリズム(坂本穏光さん)から「上毛かるた」の特訓を受けていました。ジャックからセシリーの話を聞いたアルジャーノンは、ジャックの謎めいた弟である「アーネスト」のふりをしてこの家を訪れ、セシリーと恋に落ち(セシリーも「アーネスト専」だったのです)、アルジャーノンは名前をアーネストに改名することを決意します。その直後、ジャックはこれ以上「バンベリーする」のはやめようと思い、喪服姿で帰ってきて「アーネストは死んだ」と告げたため、大騒ぎになります。そこへグウェンドレンやブラックネル卿夫人が到着し、新宿駅に手提げ鞄を置き去りにしたのはプリズムであり(ジャックは「母さん」と言って抱きつきますが、早合点でした)、ジャックの生みの母親はブラックネル卿夫人の妹であり、彼女は息子を「アーネスト」と呼んでいたこと、ジャックがアルジャーノンの実の兄であるということが明らかに。すべてが丸く収まるかと思いきや、セシリーは実は女子ではなく戸籍上男子であり、今の日本ではアルジャーノンと結婚できないということが発覚します。そこにサロメが「同性婚訴訟で勝訴した」との新聞記事を持って現れ…。
そのほかにも前橋のお屋敷の執事のメリマン(水月アキラさん)や、二丁目での飲み代のツケを払わなければあなたは訴えられ、ゲイだということが世間に公表されることになるとアルジャーノンに告げる弁護士のグリズビー(和田好美さん)(実は二人ともゲイでした)、地元の名士として改名を手助けしてくれる僧侶でのチャジュブル(中蔦聡さん)、何十年ぶりに帰って来てセシリーの性別のことを知ったけどすぐに受け入れてくれた母(木村佐都美さん)など、いろんなキャラクターが登場し、盛り上げてくれました。













以前のシェイクスピアシリーズと同様(英国の演劇の伝統なのでしょうか)ウィットに富んだコメディでした。原作の田舎町で真面目な紳士として暮らすアーネストがロンドンでは架空の弟アーネストを名乗って遊んでいる(Earnestには真面目という意味もあるので、なんとも皮肉な名前です)という二重生活をゲイ・バイセクシュアル男性のことに置き換えつつ、トランスジェンダーも登場し、同性婚への願いも込められたりしていて、とても素晴らしかったです。原作のドタバタ喜劇の面白さに、クィアな面白さの魅力も加わり、きっと天国のオスカー・ワイルドもうれしく思っているのでは?と思いました。
休憩をはさんで第二部がスタート。
今年もフライングステージの岸本さん(もっちゃん)が司会をつとめます。
トップバッターは佐藤達さんの紙芝居。いつも秋田での子ども時代のほのぼのエピソードを紙芝居にしてくれていますが、今回は子ども時代のお話が結構なSFにアレンジされていて、進化してる!と思いました。とても面白かったです。
関根さんはハンセン病で性的マイノリティであった船城稔美さんの詩集『どこかの遠い友に』を読んでくれました。何気ないながらもものすごい重みを感じさせる詩の一つひとつが心に沁みました。そういう方がいらっしゃったということを知ることができて、本当によかったです。
水月モニカさんはオスカー・ワイルドの短編『わがままな巨人』を「超訳」で朗読。7年ぶりに新宿御苑に帰ってきた女装は、自分の庭で子どもらが遊びまわっているのに激怒し、竹中工務店に電話して誰も入ってこれないような塀を建てる、すると、子どもがいない御苑には鳥も訪れず、春も来ず、ずっと冬の厳しい寒さに閉ざされてしまい…というお話でした。
モイラさんの「ふんわり小夜子ショウ リヴァイタル:インエイ」。相変わらず美しかったです。ほぼピンスポだけの照明で、そこに当たるか当たらないかのところでパフォーマンスすることで、濃い闇の中にうっすらと浮かび上がり…という演出でした。谷崎の『陰翳礼讃』を思い出したりしました。

ジオラママンボガールズのショー。いつも「こんな歌どこから見つけてくるんだろう?」と感心させられるのですが、今回珍しく昭和歌謡じゃないテンテンコというアーティストの『なんとなくあぶない』という曲が使われていました。続けて九重佑三子さん(「年忘れにっぽんの歌」にも出演してましたね)の『また一人』(ギルバート・オサリバンの『アローン・アゲイン』のカバー)。ちょっと飄々とした面白みのある歌詞なのですが、いろんな男と出会っては「また一人」になってしまうというくだりでゲスト(とつかおさむさん)が登場して関根さんとちょっと絡んではサーっと去っていくというのを3パターン繰り返していて、面白かったです。

中森夏奈子さん、今回も大いに笑わせていただきました。2025年は本家の明菜様がとても元気に活動してくださったので、いつもよりも笑顔が多かった気がします。明菜様は米津玄師さんがお好きで、ぜひ曲を書いてほしいと思っているそうで、今回、『JANE DOE』を歌ってくれたのですが、まあこれが本当に、明菜様のために書かれたのではないかと思うような曲でしたね。歌も(ちょっとアレンジも入ってて)とてもよかったです。最後に紅白出場への願いを込めて『蛍の光』で締めてくれました。夏奈子さんの一挙手一投足、ちょっとした声のトーンや言葉の端々に明菜様へのオマージュが込められているのが本当にツボで、毎回お腹が痛いです。まだご覧になったことのない方はぜひ「gaku-GAY-kai」にお出かけください。

エスムラルダさんは超ひさしぶりに戸川純さんの『さよならをおしえて』をやってくれて、アガりました(心霊写真バリの傑作写真がたくさん撮れたので、たくさん載せてしまいました)。お客さんがステージで札を上げ下げする『ドレミの歌』もたいそう盛り上がってました(お客さんの拍手が温かかったです)。MCでは、前日に杉本彩さんのマネージャーさんが来られたので、いつも「gaku-GAY-kai」の最後に流れる『ゴージャス』が公認になったと思われます、との報告もありました。そして最後に恒例の『エスムラルダ・デ・マンボ』をコール&レスポンスありで盛り上げ、出演者のみなさんがステージに登場し、大団円となりました。







★「gaku-GAY-kai 2025」のフォトアルバムはこちら
個人的には(仕事が大変だったり、いろいろつらいと感じる今日この頃だったせいかもしれませんが)今回の「gaku-GAY-kai 2025」はいつも以上に楽しく、あったかく感じられ、あらためて、このゲイゲイしいお楽しみ会があるおかげで良い年を迎えられてるなぁとしみじみ、思いました。みなさんに感謝!です。2026年も、2027年も、いつまでもこういうイベントが開催し続けられる日本でありますように、とも思いました。
(Junchan)
INDEX
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