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レポート:第4回岸和田レインボーパレード

2026年3月1日(日)、大阪府岸和田市で第4回岸和田レインボーパレードが開催されました。春のプライドシーズンの幕開けを告げるようなパレードでした

レポート:第4回岸和田レインボーパレード

(パレード後の懇親会での記念写真。この写真はVENさんが撮ってくれました)

 2026年3月1日(日)、大阪府岸和田市で第3回岸和田レインボーパレードが開催されました。今年も日本のプライドパレードは岸和田からスタートしました。

 岸和田の助産師さんや医療従事者のアライの方たちの団体「レインボーカフェin岸和田」は、「LGBTQ、性的マイノリティの事を一緒に考え、誰もが多様性に生きる事ができる人権を未来に引き継いでいきたいと考え」、医療につながりにくいなどの悩みを抱えるLGBTQの方たちの相談に乗ったり、当事者の居場所づくりの役割も果たすような集まりを月に2回開催してきたほか、研修を行なったり、大阪のレインボーフェスタ!やレインボーフェスタ和歌山などにブースも出展したり、性の多様性についてのコンテンツも盛り込んだ「サンバ(産婆)フェスタ」というイベントを開催したり、さまざまなかたちでLGBTQ支援の活動を展開してきました。みなさん、とにかく明るく元気で、パワーをもらえます。そんな「レインボーカフェin岸和田」が利用している施設を管轄する社会福祉協議会から「パレードしませんか」と打診があったことがパレード開催のきっかけとなりました。地元の当事者やその家族・友人の方々にとっては、「レインボーカフェin岸和田」のような団体がレインボーパレードを主催してくれるのは心強い限りでしょう。
 このパレードの代表で助産師の津田育久子さんは、ラヂオ岸和田の番組「あなたのそばにいつも助産師がいます」(毎週日曜13時〜13時30分)のパーソナリティもつとめています(パレード当日も生放送があり、パレード直前の告知を中心に、日本のレインボーパレードのことなどをお話していました。いつもパレードのレポートをしてくれるVENさんも参加していました)
 
 3月1日は(昨年は雨だったそうですが)気持ちよく晴れて、絶好のパレード日和となりました。
 13時過ぎに集合場所の岸和田市立福祉総合センター大会議室へ行くと、各地からの参加者の方たちが集い、のんびり過ごしていました。13時半頃、「レインボーカフェin岸和田」のキャミーさんが前に出て、パレードに関する注意事項を読み上げたのですが、「漢字が読める限り、読んでいきます」とか、道幅が狭いので2列厳守でお願いします、「列を外れたら噛みに行きます」とか、さりげなく笑いを交えていて、さすがは大阪だなぁ面白いなぁと思いました。やがて、ラヂオ岸和田の生放送を終えた津田さんが駆けつけ、ご挨拶しました。パレードをやりはじめた当初は厳しかったけれども今は警察も理解してくれるようになりました、来年もやります!と語っていました。


 13時45分頃、みんなで岸和田市立福祉総合センターの敷地の入口まで移動し、警察の方たちからの注意事項をお聞きして、スタートを待ちました。
 そして14時、いよいよパレードがスタートしました。 
 
 パレードの先頭は、レインボーフラッグを持った津田さんとキャミーさん。その後ろに車椅子の方たち。それから、「生まれた時から多様性、生まれてからも多様性」と書かれた(なんて素敵なメッセージ)「レインボーカフェin岸和田」ののぼりを持ったVENさん(とても凛々しく見えました)やAKATAREのゆーすけさん、TransgenderJapanのサリーさん、レインボーフェスタ和歌山のQちゃん、NPO法人チーム紀伊水道のみなさん、大阪司法書士会のみなさん、ハピネスお茶会のみなさんらが続きました。
 先頭の津田さんは「岸和田にLGBTQの理解を!」「HAPPY PRIDE!」と大きな声で叫び、アピールしていましたが、街を歩く人たちがほとんどいないこともあり、後ろに続く方たちはあまり声を出しておらず、見かねた(割と年長の偉い方と思われる)警察官の方が「元気出していきましょう」と励ましてくれました(理解してくれるようになったとは聞いていましたが、そこまで応援してくれるのはスゴいと思いました)





 カラフルなフラッグやプラカードを持ったり、思い思いの格好でパレードに参加しているみなさんは、岸和田駅前のロータリーを回り、岸和田天神宮を右手に見ながら左折し、南海本線のガードをくぐり、市街地へと歩みを進めました。なかには車の中から手を振ってくれる方もいましたし、運動場にいた子どもたちも、なんだなんだ?って感じでフェンス越しにこちらを見て、手を振ってくれたりしました。(そういうふうに沿道の方が温かいリアクションをしてくれることは今まであまりなかったそうです)
 市役所前を通り、岸和田城へとさしかかります。お城の本丸に入る橋の前(観光交流センターなどもある二の丸跡の広場)には、「いのち 愛 人権」と記された石碑があり、パレード参加者の方たちが声に出して読み上げたりしていました。
 青空の下、美しく聳える名城・岸和田城の周囲を一周。お城の天守閣から手を振ってくれる方もいて、素敵でした。 
 岸城神社を右手に見ながら進み、大きな通りへ出て、再び南海の高架下をくぐり、線路沿いに歩き、岸和田市社会福祉センターにゴールしました。













★パレードのフォトアルバムはこちら
 
 15時過ぎからは岸和田市立福祉総合センターの調理室で懇親会が開かれました。最初に記念撮影をして、それからスタッフのみなさんが用意してくれたおむすびやお茶をいただきました(レインボーマーチ札幌で親の会のお母さんたちがおにぎりをにぎってくれていたのを思い出しました)。岸和田で製造されている羊水塩を使い、助産師さんの方たちがパレード参加者のためににぎってくれた塩むすびは、心にも体にも優しく沁みました。
 VENさんの司会で、参加者の方たちが次々に前に出てスピーチしました。
 レインボーフェスタ和歌山のQちゃん、チーム紀伊水道(和歌山の団体)のみなさん、そしてMarriage For All Japan(「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟の弁護団の一員である)大畑弁護士がその活動についてお話しました。
 TransgenderJapanのサリーさんは前日にアメリカが始めた戦争のことにも触れていました。
 AKATALEのゆーすけさんはケニアのLGBTQ難民のことをお話しました。会場のみなさんがうんうんと頷きながら熱心に聞いていたのが印象的でした。
 神戸のハピネスお茶会のお二人や、全国のプライドパレードに参加しているアライのお二人、プライドセンター大阪の方などもお話ししました。
 岸和田市議会の高比良市議。市議会で(レインボーカラーにちなんで名付けた)「にじの会」という会派を結成し、市で同性パートナーシップ証明制度の条例を制定しようと働きかけたものの、あらゆる会派からの反対に遭い…というお話を憤りながら話してくださいました。岸和田にこんな力強いアライの方がいるなんて!と感動しました。
 ほかにも、司法書士会の方や、性教育に携わっている方たちなど、いろんな方がお話しました。津田さんも「この時間がいいのよ」と語っていましたが、パレードだけでなく、この懇親会があったおかげで、この間のいろいろなこと(東京高裁判決の残念さや、衆院選で同性婚反対の政党が多数を占めたこと、戦争や世の中の様々な不正義など)で落ち込んでいた人たちが励まされたり、癒されたり、力をもらったりした気がします。とてもいい会でした。







 参加人数は決して多くはありませんし、マイクも音楽もないパレードでしたが、誰もが自由に旗やプラカードを掲げ、声を上げることができ(プライドの原点を感じさせました)、美しい岸和田城の周囲を巡る喜びもあり、集会で癒しやパワーをもらうこともできて、とてもよかったです。
 多くの地方都市と同様、岸和田でも最初はパレードに対して怪訝そうな顔で見られたりそっけないリアクションが多かったそうですが、4回目にしてずいぶん街の反応が変わってきたといいます。続けることって大事ですね。警察の方の支援的な姿勢もうれしかったです。

 こうして春のプライドシーズンの幕開けを告げるパレードが無事に終わりました。
 来年も3月の第1日曜に開催するそうです。関西のみなさん、旅行も兼ねてぜひ。

 なお、上半期のレインボーイベントの開催予定はこちらの特集に掲載しています。ぜひお近くのイベントにお出かけしてみてください。パレードを歩かずとも、沿道でお見送りしたり応援したりということでもよいと思います。
 

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