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レポート:「Tokyo Pride 2026」プライドフェスティバル 1日目

2026年6月6日、代々木公園イベント広場で開催された「Tokyo Pride 2026」プライドフェスティバルの1日目の模様をレポートします。天候にも恵まれ、早い時間からたくさんの方でにぎわっていました。ステージが素晴らしかったです

レポート:「Tokyo Pride 2026」プライドフェスティバル 1日目

昨年に続き、「Tokyo Pride」プライドフェスティバル@代々木公園が6月第1週に開催されました(まだ梅雨って感じでもなく、暑すぎもせず、いい時期ですよね)。今年もプライドフェスティバルに先行して「Queer Art Exhibition」が始まり、公式アフターパーティ「Pride Night」もあり、プライドフェスティバルの翌週以降はユースプライドとヒューマンライツカンファレンスが開催、というふうに、プライドマンスの1ヵ月間にわたって多彩な催しが行なわれるという海外のような(グローバルスタンダードな)かたちになっています。ここではプライドフェスティバルの2日間のレポートをお届けします。まずは1日目の模様をレポートします。
(取材・文・写真:後藤純一、カケジク)
(写真に*印がついているのはPhoto by カケジク)


 この日の天気予報では曇りで気温もさほど上がらないと言われていたため、日焼け止めなども特に塗らずに出かけたのですが、のちに後悔することに…(結構日差しが強くて暑かったです)
 朝、山手線に乗って原宿に向かうとき、たまたま隣に、お揃いっぽい服を着たカップルと思われるお二人がいて、TPは商業的になりすぎているとか企業色が強すぎるとかそんな話をしているのが聞こえてきました(すごい批判って感じの口調ではなく、世間話的に。そもそもちゃんとオープンに間に合う時間に会場に向かっているのがえらいなぁと思ったり)
 原宿駅から代々木公園に向かっていると、レインボーグッズを身につけた方たちが何組も歩いているのが見えました。11時前に会場に到着。すでに来場者の方たちでにぎわっていました(早速友達に会って立ち話するなど)
 
<広場の様子>
 今年も(ゲイインディーズ時代の古くからの友人でレズビアンで写真の腕がいい)カケジク氏と手分けして、ブースの取材をしました。以下、気になったり素敵だったりした出展ブースです(ものすごくたくさんあるのですが、これでも全体の一部です)















































 それから今回、代々木公園からすぐの北谷公園でMarriage For All Japanが「結婚の平等にYES!マリフォーパーク」という企画をやっていて、トークショーやパネル展などが展開されていました。早い時間にカケジク氏が写真を撮っていたのでご紹介します(トークショーなどは見れませんでした。すみません)



<ステージ前半>
 12時にステージイベントがスタートしました。MCは(以前ライブも披露してくれた)青山テルマさんと、ドリアン・ロロブリジーダさん。お二人とも『ボーイフレンド』のスタジオMCということで、息のあったMCで安心感がありました。ここから2時間くらい、昨年もあった当事者アーティストによるステージということで(違ったらすみません)、多彩なパフォーマーの方たちが登場しました。

 オープニングアクトはiGFiNity(アイジーフィニティー)というグループ名のクレジットだったのですが、正直、聞いたこともないし、無名のバンドとかダンス集団とかなのかな、と勝手に思っていたのですが、始まってビックリ。今をときめく二丁目の錚々たる若手ドラァグクイーンのみなさんが次々にショーを披露するではありませんか。しかも『プラダを着た悪魔2』だったり『ウィキッド』だったり、ゲイ的に今最も熱い、キャッチーなネタを立て続けに。そして中盤、レディ・ガガ&ブルーノ・マーズの名曲「Die with a smile」に乗せて、男装のクイーン(って言い方も変ですが、そうとしか形容できないいでたち)と、ウェディングドレスを着たクイーンさん(たぶんクリトリアさん)が登場し、二人が結婚式を挙げるのかと思いきや、それぞれが同性のダンサーと抱き合って踊り、「Marriage for All」の大きな横断幕が掲げられるという同性婚実現のメッセージが放たれ…感動せずにはいられませんでした。そしてラストは、ギャビー・ギャビーさんによる「Born This Way」ショー。ダンサーに担ぎ上げられた姿は民衆を導く自由の女神のようでしたし、最後、後ろを向くと、背中に赤い字で「自分を愛して」と書かれていて…素晴らしかったです。観覧席を埋め尽くす人たち(オープニングで観覧エリアがいっぱいになったのは初めて見ました)から惜しみない拍手が送られました。本当に素晴らしかったので来年もぜひ、やってほしいです。






 続いては、3ピースバンド「YENO」のみなさんによるライブ。「YENO」は「YESとNOの間」を組み合わせた造語で、白黒つけられない、どちらでもない、そんなグラデーションの中にいるという思いが込められているそうです。「同じ悩みを持つ同志たちに共感してもらえるような、日々の生き辛さの中にささやかな温もりを感じてもらえるような楽曲を届けるべく活動しています」とのプロフィール文のとおり、甘い歌声に乗せて優しいメッセージが届けられ、昼下がりの至福の時間となりました(ボーカルの方、MCでセクシュアリティについても語っていらっしゃいました)

 それから、日本と中国にルーツを持つシンガー・ソングライターのちゅんさんがギターの弾き語りによるライブを披露してくれました。普段はソロで弾き語りを行い、昨年からはヴァイオリンとヴォーカルでセッションバンドにも参加しているそうです。初めて聴いたのですが、とてもクオリティの高い演奏でしたし、迫力がありました。MCではSOGIゆえの生きづらさの経験についても語っていらして、歌にもそれが込められていたと思うのですが、歌詞のほとんどが英語で、一生懸命ヒアリングしようと思ったのですが、なかなか聞き取れず…でした。

 このパートのトリを飾ったのはミュージカル『薔薇族’70』でした。『虎に翼』にも出演したゲイの俳優・水越友紀さんも参加する、クィア当事者の視点からクィア演劇を創作する劇団「薔薇族」の旗揚げ公演のプレビューを上演していました(6月末の本公演は完売だったそう)。日本で最初に創刊されたゲイ雑誌には文通欄があり(それを通じて手紙のやり取りをすることが唯一の出会いの手段でした)、ゲイやバイセクシュアル男性の方たちは思いを込めて投稿文を書き、遠くに住む人と知り合ったり、でも相手は既婚者だったり。今は堂々とゲイとして生きていくことは難しいけどきっといつかそんな時代が来ると、手を取り合い、肩を寄せ合って、若い二人は希望を歌います。とにかく音楽が素晴らしく、役者さんもみなさんプロフェッショナルで、ハイクオリティなミュージカルでした。歌を作った外崎銀河さんはストーンウォール・インのTシャツを、役者さんたちはレインボーカラーのTシャツを着ていました。


 たいへん熱いステージでした。
 公園も結構暑かったです。この頃にはずいぶん日差しが強くなってきて、日焼け止めを塗ってこなかったことを後悔するはめに…。

<並木ビジョン>
 ケヤキ並木の真ん中辺りにサブビジョン、サブステージとして「並木ビジョン」が設けられ、メインステージの模様が中継されたり、JPN(全国のプライドの主催者の方たち)の紹介などが行なわれたりしていました。ここでは13:30から行なわれた「タイ国政府観光庁presents アルカザール・パタヤ:情熱を燃やすプライドキャバレーショー」の模様をお伝えします。「アルカザール」のみなさんはだいぶ前からたびたび来てくださっていて、ブースで来場者の方と写真を撮ったり、パレードを華やかに彩ったりしていましたが、今回このようにサブステージでたっぷりショーを見せてくださいました。観客のみなさんもとても喜んでいたと思います。






<ステージ後半>
 15時半からはSECTION #2(ステージ後半のプログラム)がスタートしました。ここからはカケジク氏のレポートです。

 SECTION #2のトップバッターはMacoto(RHT.)さん。RHT.のクルーたちと共に登場し、キレッキレのパフォーマンス! 彼のすさまじくパワフルでエネルギッシュなダンスは鬼気迫るものがありました。でもMCでは一転してとてもチャーミングで素敵な笑顔を見せてくれる場面も! MCで自身のセクシュアリティ(ゲイ)をカミングアウトするまでの苦しみを話された後、ご自身が作詞作曲を手掛けたオリジナル曲2曲でパフォーマンス。特に1曲目の「Door」は幼少期からの(おそらくセクシュアリティについての)葛藤が表現されている曲で、ステージ上にも子どもの頃の彼自身を表しているであろう子どもが登場し、その子をMacotoさんが抱きしめる場面があったり、とてもストーリー性の高い楽曲でした。まさに全身全霊で自身の生き様をダンスで表現する素晴らしいステージでした。




 続いての登場はSIRUPさん。フラッと友達の家に遊びに来た?くらいのラフな服装で飄々とステージに登場。ラップと歌を縦横無尽に行き来する、でも初めて聴く人にもサラッと入ってくる、POPでグルーヴィーなナンバーを披露してくれました。MCでは現状の世界情勢に対する熱いメッセージも伝えつつ、観客とコール&レスポンスも交わして、飄々とステージを去っていきました。めっちゃカッコよかったです!
【セットリスト】
Intro
1. KIRA KIRA
2. Not AI
3. LOOP
4. もったいない
5. SWIM
6. Do Well
7. 今夜

 そしてAIさん。今回、初めてテレビ(日テレ)の生放送が入るということで、「来世は女性アナウンサーになりたい。男性アナウンサーです。」 とSNSに掲げているフリーアナウンサーの直川貴博さんもステージに登場。司会の2人も合わせてステージがカラフル&にぎやかになりました。

 いよいよAIさんのパフォーマンスへ。1曲目がいきなり「ハピネス」で、観客も一緒に手を振り声を出して会場の一体感がぐんと上がります。ステージのAIさんも客席の皆さんもとっても楽しそう!
 AIさんはステージ観覧エリアに入りきれなかった(でも聴きたくて出入口周辺にいる)皆さんにも唄いながら手を振ってごあいさつ。気遣いの細やかさがさすがです。
 次の曲はダンサーさんと一緒にゴリゴリに踊りながら「Not So Different」 。そしてこの後のMCで長年一緒に活動しているDJヒラカツさんを「この世で一番優しいDJ」「声がちっさすぎてあんまり聞こえない」と紹介。その後、AIさんからマイクを向けられてヒラカツさんも一言話しましたが、本当に優しいんだろうなー!とわかる声でした。(そして一言しゃべっただけなのに「喉がやられたかもしれない…」とつぶやいていらっしゃったのがツボでした!)
 「こうやってしゃべっていると永遠に終わんない」「ずっと(ここに)いたいくらい」「皆さん最高です!」ととても楽しそうにリラックスした様子でMCをしたあとしっとりと「Story」。そして「本日人前で唄うのが初めて」というドラマ主題歌の新曲「It’s You」。この曲では歌っている途中でステージ袖のダンサーさんに「やばい、お前見るな!」と言った直後に感極まってちょっと歌えなくなる場面が。友達がいっぱいいるからちょっとやられてしまいました、とのこと。
 最後は「ラッキーアイラブユー」。再びダンサーさんとともに、とても楽しそうに力強く「君はひとりじゃない」「きっと大丈夫!」とメッセージを届けてくれました!

 
 ここからは再び後藤がお届けします。
 夕方になって日差しもやわらぎ、代々木公園の木々をわたる風も心地よく。そんななかAIさんのライブを聴けて最高でした。多幸感あふれました。
 そしていよいよこの日の最後のステージとして、二丁目が誇るベテランのドラァグクイーンのみなさんによるショーが繰り広げられました。
 
 ビビー・ジェローデルさん。AiSOTOPE LOUNGEで「BALL」を主催するなど、長年活躍してきた方です。今回は坂本冬美さんの「アジアの海賊」に乗せて、和物で豪華なショーを披露し、観客を大いに魅了していました。


 レイチェル・ダムールさん。以前はステージにベンチを持ち込みホームレスのようないでたちでショーを行なったり、パレスチナでの虐殺を批判するショーで称賛を集めたりしてきましたが、今回は、家にある端切れを寄せ集めたようなドレスと英国エリザベス朝の貴婦人のようなメイクで登場し、ボロボロのプログレスプライドフラッグを持ち、やがてその旗が翻ると日本の国旗が現れ…というショーでした。PRIDEの精神には「Protest(抗議)」https://gladxx.jp/news/2022/07/7937.htmlが含まれているわけですが、レイチェルさんはいつも正しくPRIDEの精神を体現していると感じさせられました(ちなみに今回のショーで使われた曲はROSALIA「Berghain feat. Bjork & Yves Tumor」と、藤井風「へでもねーよ」でした)


 肉乃小路ニクヨさん。1996年にデビューし、今年でドラァグクイーン生活30周年です。その30年の間にはたいへんな苦労があり、それでもずっとニクヨさんらしいスタイルを貫き、ショーを続けてこられました。今回、万感の思いを込めて、生歌で「愛の讃歌」を歌い、満場の観客に愛を届けました。

 ブイヤベースさん。やはり2000年頃からドラァグを続け、独特のルックスやショーの面白さ(2022年の女装紅白では、途中でステージ上をのたうちまわるという自由すぎるカオスなパフォーマンスを見せ…なんと本番中に腰を抜かして立てなくなっていたという逸話も)でコアな人気を博し、一時期はオナンさんとも一緒にやっていた方です。満を持してプライドの晴れ舞台、しかもこの日のトリをつとめた今回は、いろんなクイーンやダンサーさんとコラボし、ハイスクールミュージカルのようなポップでキュートでラブリーなショーを披露してくれました(曲はTimbaland「If We Ever Meet Again ft. Katy Perry」)



 この日の大団円的なフィナーレをきっとみなさん、楽しんだことでしょう。
 天候にも恵まれ、たくさんの人たちが性の多様性を祝うお祭りを満喫し、素敵なプライドフェスティバルになったのではないでしょうか。

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