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特集:衆院選2026 〜私たちの未来への一票を投じましょう〜
2月8日の衆院選。Marriage For All Japanは「この選挙は同性婚を実現するチャンス」だとしています。早く結婚できるようになってほしい、好きな人と安心して暮らしたい、この国の平和がずっと続いてほしい…そんな願いを国政に届けるためにも、ぜひ投票に行きましょう

衆院総選挙が1月27日、公示されました。2月8日(日)に投開票されます。
こんな時期に急に選挙が行なわれることになって、雪国にお住まいのみなさんや受験生のみなさん、海外にお住まいのみなさんなど、投票が難しい方もいらっしゃると思いますが(選挙権の侵害ではないかとも指摘されています)、行ける方は投票に行きましょう。衆院選は政権選択選挙であり、この国の未来に大きく影響する選挙です。期日前投票も活用するなどして、ぜひ忘れずに投票しましょう。
今回も衆院選関連のトピックのうちLGBTQに関するところを中心に特集としてお伝えします。
(最終更新日:2026年2月4日)
◎衆院選のキホン
・選挙区で候補者を一人選んで投票します
※いくら応援の気持ちがあっても「がんばれ」など余計なことを書くと無効になるのでご注意ください
・比例代表で政党名を書いて投票します
※参院選と違って、個人名を書くと無効になるのでご注意ください
2月8日に投票するのが難しいという方はぜひ、期日前投票や不在者投票(住民票を実家などに置いている方も投票できます。お早めに、地元自治体に投票用紙を請求しましょう)を活用しましょう。
【期日前投票】
・すでに期日前投票が始まっています。
・投票の際に宣誓書を受け取り、期日前投票の事由のいずれかに該当すると見込まれる旨の宣誓をします。あとは投票日の手続きと同じです。
・公示までの準備期間が短かったため、「投票所入場券」の配布が間に合わない自治体もあります。まだ「投票所入場券」が自宅に届いてない場合も、本人確認できれば(氏名が選挙人名簿と照合できれば大丈夫そうです)投票できますので、ご安心ください。
※なお、白票には意味がありません(こちらの記事を読んでみてください)。たとえ入れたい人が誰もいないとしても、落としたい人を落とし、よりマシな社会に近づくための選択として「鼻をつまみながら」投票しましょう(「選挙はミカン選びに似ている」と言う方がいて、上手いなと思いました)
◎同性婚実現を左右する衆院選
相次ぐ違憲判決にもかかわらず、政府は「訴訟の行方を注視する」との答弁を繰り返すばかりで、国会での議論は一向に進んでいません。
今年中には最高裁で判決が出ると見られていて、おそらく違憲判決にはなるだろうと見られていますが、違憲判決が出たら自動的に私たちが結婚できるようになるわけではなく、国会で民法改正が発議され、承認されなくてはなりません。政府が最高裁判決を受け止めて国会に婚姻平等法案(すでに野党やMarriage For All Japanも法案を出しています)を上程し、採択されない限り、実現しないのです。2023年10月の最高裁の画期的な判決によって性同一性障害特例法の要件の見直しが迫られることになったにもかかわらず法改正が進んでいないように、同性婚の法制化も「たなざらし」にされる可能性があります。そういう意味で、同性婚に賛成する政党が多数を占めることがとても重要です。
Marriage For All Japanは今回も、衆院選に臨む各政党・候補者が同性婚に賛成なのか反対なのかいち早く調べ、まとめてくれています。
<各政党の公約>
各政党の公約を調査し、その中に同性婚について記載がある場合はそちらを紹介しています(1/28正午時点)。同性婚についての記載がない場合も性的マイノリティやLGBTQについての記載があれば紹介しています。LGBTQ関連の各党の公約を一覧で知ることができ、比較しやすくなっています(GOOD JOB!)。ぜひ以下のバナーからご覧ください。(以前はほとんどなかったのですが、今は「過度な少数者保護による社会の分裂と混乱を防ぐため、LGBT理解増進法と同性婚に反対」などと堂々と公約に書く政党も現れました。そんな政党が躍進したら恐ろしいですね…)
<マリフォー国会メーター>
以前からMarriage For All Japanは同性婚に関する政党や議員のスタンスが一目でわかるツール「マリフォー国会メーター」を作成し(朝日新聞社・東京大学谷口研究室共同調査やMFAJで実施した政党アンケートや候補者アンケートなどの情報から作成)、多くの有権者が使えるようにしてくれています。今回も、調査が大変だったと思いますが、大急ぎでアップデートし、31日にリリースしてくれました(全候補者中、同性婚に賛成の方は43%だそうです。賛成する議員を当選させたいですね)。ぜひご活用ください。
また、いくつもの大手メディアが候補者アンケートやマッチングサイトの中に同性婚への賛否を盛り込んでくれているので、そちらもご参照ください(大筋でマリフォー国会メーターと同じです)
◎NHK 衆院選候補者アンケート
全選挙区の候補者に対して「同性婚を法律で認めることに賛成ですか。反対ですか。」と聞いています(「どちらとも言えない」「回答しない」もあります)。全体の平均は
https://news.web.nhk/senkyo/database/shugiin/2026/survey/touhabetsu.html
◎朝日新聞・東大谷口研究室の調査
最も古くから同性婚について総選挙候補者に聞いていた調査です。「男性同士、女性同士の結婚を法律で認めるべきだ」という意見に「賛成/どちらかと言えば賛成/どちらとも言えない/どちらかと言えば反対/反対」の5択の中から回答するかたちです。
https://digital.asahi.com/senkyo/asahitodai/
◎毎日新聞ボートマッチ えらぼーと 2026衆院選
質問に答えていくと自分と政党・候補者の考えとの一致度がわかるマッチングページ。毎日新聞の「えらぼーと」は質問の中に同性婚に賛成かどうかも含めてくれています。
https://vote.mainichi.jp/51shu/
上記以外でも、地方紙でも候補者アンケートを実施していたりします。お住まいの地域の新聞の公式サイトを見てみてください。
『GQ』に松岡宗嗣さんが寄稿した「衆院選 「同性婚」の実現を左右する分岐点か」というコラムもぜひ読んでみてください。
◎最高裁裁判官の国民審査
衆院選では最高裁裁判官の国民審査が同時に行なわれることになっています。職責にふさわしいかどうかを有権者が投票で直接審査する唯一の機会です。今回は2024年10月の衆院選以降に任命された2名の最高裁裁判官が審査対象です。日経新聞と毎日新聞がこの2氏にアンケートをとっていますが、その中で夫婦別姓や同性婚についても聞いてくれています。以下にご紹介します(ほぼ同じ回答でした)
<日経新聞>
質問⑤:夫婦別姓や同性婚を認めるよう求める裁判が起きている。社会の変化や価値観の多様化に伴う国民の声の高まりに裁判官はどう向き合うべきか
高須順一氏
「一般論として司法の判断は社会の変化と無関係でいることは許されない。法的観点からの検討に加え、紛争の背景や社会の実相なども見据えながら、多角的な視点に基づく判断が求められる」
沖野真已氏
「社会の変化や価値観をどう測り、法律の解釈に取り込んでいくかは、事項によって異なる。訴訟となっている事項は裁判で改めて当事者の主張を踏まえて判断する」
<毎日新聞>
Q:夫婦別姓や同性婚を認めるよう求める人たちが、全国で裁判を起こしています。社会の変化や価値観の多様化に伴うこうした国民の声の高まりに対し、裁判官はどのように向き合うべきだとお考えですか。
高須順一氏
「既に係属している個別の事件についての回答は差し控えますが、一般論として司法の判断は社会の変化と無関係でいることは許されないのであり、法的観点からの検討に加えて、紛争の背景や社会の実相なども見据えながら多角的な視点に基づく判断が求められると思っています」
沖野真已氏
「社会の変化や価値観をどのように測り、法律解釈に取り込んでいくかは、事項によって異なるものと思います。訴訟となっている事項については、裁判において、改めて当事者の主張を踏まえて判断することになるものと承知しています」
出典:
国民審査を受ける最高裁裁判官2氏、アンケート回答結果(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD23BWS0T20C26A1000000/
国民審査・高須順一判事のアンケート回答全文 「謙虚に真摯に」(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20260130/k00/00m/040/098000c
国民審査・沖野真已判事のアンケート回答全文 「複眼的に予断なく」(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20260130/k00/00m/040/101000c
◎同性婚以外のLGBTQイシュー
LGBT法連合会が今回も、同性婚だけじゃないLGBT(SOGI)に関するイシューについて詳しく各党にアンケートし、「【衆議院議員選挙2026・政党】LGBT(SOGI)をめぐる課題に関する各党の政策と考え方についての調査結果報告」としてまとめています。ぜひご覧ください。
・公約に性的指向・性⾃認に関する⼈権を保障する施策についての記載があるか
・性的指向及び性⾃認に関する困難を解消するための以下の施策の中から優先度の⾼いものを選んでください
・2024年の犯罪被害者給付⾦に関する最⾼裁判決等を受け、政府はいわゆる「事実婚」に適⽤されている法令のうち33 法令について同性パートナーも適⽤されうると発表しました。しかし、社会保障分野を含め、120の法令は検討中となっています。どのようにお考えですか
・「性同⼀性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の4号要件(不妊化要件)について最⾼裁判所が違憲だとする決定を下していますが、これについての意見
・その他、教育分野、就労分野、福祉・医療分野などについての意見



◎差別に投票しない
昨年の参院選は外国人排斥のヘイトスピーチが吹き荒れ、全国知事会が共同で「排他主義・排外主義を強く否定する」「正確な情報に基づいて冷静に議論すべきだ」という宣言を出すほどの事態になりました。生活困窮者支援に取り組む一般社団法人つくろい東京ファンドの大沢優真事務局長は、今回の衆院選でも同じようなことにならないよう「不安や憎悪を煽らない、煽られない、煽らせないことが大切だ」と語っています(神奈川新聞「根拠なき外国人規制策と広がる誤情報 不安と憎悪を煽らせぬために」より)。また、移住連・外国人人権法連絡会など11団体が呼びかけ団体となり、「衆議院選挙にあたり排外主義の煽動に反対する緊急共同声明」を発表しています。
2月3日には、LGBT法連合会など10の人権関連諸団体が共同で記者会見を開き、選挙で「人権の課題」をもっと語ってほしいと訴えました。呼びかけたLGBT法連合会の神谷悠一代表理事は「消費税など経済だけではなく、人権も問われている選挙。もっと各政党、候補は語ってほしい」と語りました(東京新聞「「人権の課題」衆院選でもっと語ってほしい LGBT、ジェンダー、外国人…21団体が連携しアピール」より)
モラルパニックという言葉があります。社会規範からの逸脱や反道徳的な事象に対して、人々が過剰に反応し、集団でパニック状態になる現象を指します。モラルパニックは、特定の集団や文化が社会の脅威とみなされ、一般の人々の間に誤解や偏見、誇張された認識が広がることで発生します(トランス女性を犯罪者であるかのように扱う誹謗中傷などはまさにそうですよね)。この選挙で外国人に対してモラルパニックを煽り票を集める手法(恐怖と怒りのマーケティング)が成功し、排外主義の政党が多数を占めるようになると、次はLGBTQ、女性、障がい者…と攻撃の矛先がどんどん広がっていきます(ナチスが誰を強制収容所に入れたか、思い出してください)。くれぐれも「差別に投票しない」ようにして、周囲にも呼びかけていきましょう。
(なお、SNS上で流布しているさまざまなデマへの反証となるデータがこちらに掲載されています。ぜひご覧ください)
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