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毎日新聞にワシントンD.C.での同性婚についての記事

2010年05月21日

 4月19日付の毎日新聞に、アメリカの首都ワシントンD.C.での同性婚についての記事が掲載されました。

 3月3日、マサチューセッツなどの5州に続き、ワシントンD.C.(コロンビア特別区)でも同性婚が合法化され、初日だけで約150組が婚姻証明を申請しました。
 アメリカ最大の人権擁護団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)が主催した最初の同性結婚式には、ダーレーン・ガーナーさん(61)とキャンディ・ホームズさん(53)ら3組が参加しました。
 HRCのホールで行われた挙式では、牧師が「あなた方の愛は2人の心に支えられていましたが、コロンビア特別区は本日、その愛を承認します」と祝福し、長年の夢を叶えた2人は抱き合って喜びました。
 ゲイなどのマイノリティの権利擁護に携わる教会の牧師であるガーナーさんと、連邦政府職員のホームズさんは「知り合って15年。ようやくおたがいを配偶者として紹介できる」と微笑みました。

 アメリカでは長年にわたり、同性婚の是非が国を二分する議論になってきました。1996年には結婚を男女間に限ると定めた「結婚防衛法」(連邦法)が成立しましたが、2004年のマサチューセッツ州を皮切りに、2008年以降、コネティカット州、アイオワ州、バーモント州、ニューハンプシャー州の5州が相次いで同性婚を認め、今回、コロンビア特別区がその流れに加わりました。
 しかし、州で同性婚が認められている場合も、連邦法上は婚姻関係にないため、連邦所得税の配偶者控除は認められません。州レベルでは男女の夫婦と同じ権利が与えられるのに、国レベルではそうではないという「二重基準」になっているのです。(また、上記以外の州に行った場合、「結婚防衛法」により、同性婚が認められなくなるという問題もあります)

 アメリカの世論調査では今も同性婚に反対する人は賛成を上回っています。が、コロンビア大学の昨年の調査によると、18~29歳の年齢層に限って言えば、全米50州のうち38州で同性婚賛成派は半数を超えたそうです。アメリカでは10年に1度、国勢調査(Census)が行われていますが、国勢調査局は今回の調査で初めて、すべての州の同性カップルに配偶者としての申請を認めています(「夫」もしくは「妻」という表記を選択できます)
 まだ同性婚が認められていないバージニア州に暮らすソフトウェア会社勤務のスチュアート・コッパーマンさん(53)は、「社会は私たちに寛容になってきた」と言います。勤務先は医療保険など福利厚生面で彼のパートナーを配偶者と同等に扱ってくれます。「身近に同性カップルがいると偏見は薄れると実感した」「私たちは2人とも『妻』にした。同性婚は価値観の対立で語られ、一方に振れると反動が起きる振り子のようなものだった。が、今度は後戻りはしないだろう」

 アメリカの最新の同性婚事情がリアルに詳細に伝わってくる、とても良質な記事でした。(後藤純一)

「trend:米国 変わる同性婚への目」(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/news/20100419ddm012030059000c.html

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