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レズビアン家庭の子の方が精神的に安定

2010年06月09日

 レズビアンの家庭で育った子どもは、そうでない(男女の夫婦の家庭で育った)子どもに比べて精神的に安定し、問題行動も少ないという調査報告が、小児科学会誌「Pediatrics(ピディアトリクス)」6月7日号に紹介されました。

 調査は研究者のナネット・ガートレル氏率いるチームが1986年から約25年にわたって実施したもの。イベントや新聞を通じて募集したレズビアンのカップル78組を対象に、精子提供を受けて妊娠した時から子どもが成長するまでの段階で子どもの様子を継続調査し、その結果をレズビアンではない家庭の子どものデータと比較しました。

 その結果、レズビアンの家庭の子どもの方が社会性や学業成績が良く、全体的な能力も優れていること、また、規則違反や攻撃的行動などの問題行動を起こす割合も低かったことが判明しました。また、親の性的指向を原因とする子どもの心理的負担を比較した結果、違いは見られなかったそうです。

 ガートレル氏はこの結果について、親がレズビアンである場合、子は計画的な妊娠で生まれ、親子の関係も深いため、精神的に安定しているのではないかと分析しています。

 調査は同性愛団体などからの資金提供を受けて実施されましたが、ガートレル氏は、この調査結果は査読(研究者仲間による吟味や検証)を経て掲載されたものであり、「調査の設計や実施などに関して資金提供者による介入は一切なかった」と説明しています。 (つまり、個人的な主観の入らない、公正なデータだということです)

 これまでにも、同性カップルに育てられた子どもと異性カップルに育てられた子どもの間の情緒的発達の差は特にないという研究結果が発表され、ホモフォビックな人たちの言い分を覆してきました。が、レズビアンカップルに育てられた方がいい子に育つという研究結果はおそらく初めてです。

 将来的には日本でも同性カップルの養子が認められる方向で進んでいくと思いますが、このデータはたいへん意義のある参考資料となることでしょう。

(後藤純一)



レズビアン家庭の子の方が精神的に安定 米調査(CNN)
http://www.cnn.co.jp/science/AIC201006080008.html

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