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2010年のトニー賞もゲイ色はしっかりと

 6月16日夜、米演劇界最高の栄誉とされる第64回トニー賞授賞式が、ニューヨークの「ラジオシティ」で開催されました。

 演劇部門では、ジョン・ローガン(『グラディエーター』『アビエイター』)作の『Red』が作品賞を含む6冠を制し、ミュージカル部門では、人種差別が根強い時代を舞台に黒人と白人の恋を描いた『Memphis』が作品賞、オリジナル楽曲賞を含む4冠を達成しました。
 演劇リバイバル作品賞には、同じく人種問題を描いた『Fences』が選ばれ、同作品のデンゼル・ワシントンが演劇主演男優賞に輝くなど、社会派の作品にスポットライトが当てられました。
 ミュージカル主演男優賞には、映画『バードケージ』の名でも知られる古典的名作『ラカージュオフォール』(息子の婚約者にゲイであることを知られないように右往左往するカップルのコメディ)のダグラス・ホッジが選ばれました。(写真右上)
 また、ミュージカル主演女優賞にキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、演劇助演女優賞にスカーレット・ヨハンソンが選ばれるなど、ハリウッド・スターの舞台への進出が目立つ結果となりました。

 例年に比べるとゲイ色が薄い印象かもしれませんが(日本のニュースではゲイに関連することはあまり報道されないのでよけいに、ですが)、そこはブロードウェイ。ゲイだらけじゃないはずがありません。

 まず、トニー賞授賞式のステージにおいて主役とも言える盛り上げ役なのが、総合司会(ホスト)です。2007年はヒュー・ジャックマン(ライザ・ミネリの夫でゲイだったピーター・アレンを描いた『ボーイ・フロム・オズ』に主演)、2008年はウーピー・ゴールドバーグ、昨年はニール・パトリック・ハリス(オープンリー・ゲイの俳優)がこの大役を務めていましたが、今年ホスト役に抜擢されたのがショーン・ヘイズでした。
 ショーン・ヘイズは名作映画『アパートの鍵貸します』をミュージカル化した『Promises, Promises』でトニー賞ミュージカル主演男優賞にもノミネートされていましたが、何と言ってもドラマ『ふたりは友達? ウィル&グレイス』で素晴らしく個性的なオネエさんを演じていたことで有名です。今年の3月、公にゲイであることをカミングアウトしました。
 ショーンは、タキシードをビシっと着てしゃべったりピアノを弾いたりというありきたりのホスト・パフォーマンスに飽き足らず、アニーやスパイダーマンなどのコスプレ姿も披露し、会場を沸かせました。
 

 ショーン・ヘイズだけでなく、進行役の一人としてリッキー・マーティンも登場。2012年上演のブロードウェイミュージカル『エビータ』への出演も決まっています。
 ショーンといい、リッキーといい、カミングアウトした直後に干されたりせず、こうした晴れの舞台での大役が得られるあたりにアメリカのショービジネス界の心意気、健全なスピリットを感じさせます。

 それから、最優秀振付賞に輝いたBill T. Jones(『春のめざめ』でもトニー賞を受賞したダンス界の巨匠)はオープンリー・ゲイの方で、HIV陽性者であることも公表しています。彼が振付を手がけた『フェラ!』は、アフロビートの創始者で公民権問題の活動家でもあったナイジェリア人のフェラ・クティを描いた作品で、最多タイの11部門にノミネートされています。
 
 また、栄誉あるイザベル・スティーブンソン賞(イザベル・スティーブンソン女史はトニー賞の会長)に輝いたブロードウェイのベテラン、デビッド・ハイド・ピアースもオープンリー・ゲイです。

 このトニー賞の模様はNHK BSで放送されます。興味のある方はぜひご覧ください。
6月20日 13:00~15:30 NHK BS2 トニー賞授賞式2010(字幕スーパー版)
6月26日 15:30~18:00 NHK BShi トニー賞授賞式2010(字幕スーパー版)

 

Tony Awards: The Winners, The Moments(Advocate.com)
http://www.advocate.com/News/Daily_News/2010/06/13/Tony_Award_Winners_and_Moments/

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