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オバマ大統領、ホワイトハウスにLGBTを招待し、同性パートナー政策の推進を約束

2010年06月27日
 6月22日、オバマ大統領は、各地でパレード等が開催される6月のプライド月間にちなみ、LGBTに敬意を表する意味で、ホワイトハウスに主立ったLGBTの活動家を招待し、レセプション・パーティを開催しました。


「初めは『ようこそ、ホワイトハウスへ』と言おうと思った。しかし、まるで家にいるような気分でくつろいでくれていることと思う」と言って、オバマ大統領は笑いました。オバマ政権では、環境評議会議長(環境問題のトップ)のナンシー・サトリー氏をはじめ、オープンリー・ゲイ&レズビアンのスタッフが100人以上も働いています(100人以上というのは、クリントン政権下とブッシュ政権下での数を足したよりも多いそうです)

「我々はまだたくさんのやるべきことがある」と、オバマ大統領はゲイにとって重要な課題を押し進めることを約束しました。「訊かず、語らず」政策(軍隊での同性愛者の排除)を撤廃すること、そして同性パートナーの権利を前進させることです。
「ゲイ・レズビアンのカップルも、この国で結婚しているあらゆるカップルに認められているのと同じ権利ならびに義務を負うに値する」
 また、「私は連邦議会にDOMA(結婚防衛法)の撤廃を要求した」と語り、聴衆は沸き立ちました。DOMA(結婚防衛法)は、同性婚が認められている州で結婚した同性カップルの他州での権利を制限する法律です。

 このように、オバマ大統領は同性カップルの権利を押し進めることを明言しました。が、同性婚については明確な支持を表明せず、シビルユニオン(男女の夫婦に与えられている権利を同性カップルにも認めるが、結婚ではない)への賛同に留まりました。 

 完全な形ではないものの、「The Family Equality Council」(ゲイ&レズビアンとその家族の権利を擁護する団体)は、オバマ政権がLGBT市民のために行ったことは「小さいものの、大きな意味を持った前進だ」との声明を発表しています。

 このイベントには、18歳のミシシッピ州の学生、コンスタンス・マクミランさん(写真右)も招待されていました。
 コンスタンスさんは今年3月、つきあっていた彼女といっしょにプロム(高校卒業パーティ)に参加しようとして断られ、抗議したところ、学校のプロム自体が中止になり、クラスメートにうらまれ、失意のどん底に…しかし、このことがニュースになり、10万人から応援メッセージが寄せられ、代わりにプロムを開催しようというオファーも殺到しました。コンスタンスさんは全米のゲイ&レズビアンのユースを勇気づけ、ヒーローになったのです。
 ミシシッピ州では公立の学校でゲイ&レズビアンの運動を排除することを禁じる法案が州上院で審議されているそうで、彼女はこれを支持しています。
「LGBTがストレートと平等になる日はそう遠くないわ」「たぶんいつかゲイの大統領が誕生するはず!」と彼女は語っていました。


 アメリカという国は、反対派のアンチも激しい一方、味方として応援してくれる人たちも多いのです。
 とりわけ、オバマ大統領は「史上最強のゲイの味方」と言えそうです。こうしてホワイトハウスに招待してくれるだけでも素晴らしいのですが、法制度上での平等も少しずつ実現していきそうな期待を抱かせます。希望が持てる、いいニュースでした。
(後藤純一) 

 


President Obama vows to push ahead with gay rights agenda(PinkNews.co.uk)
http://www.pinknews.co.uk/2010/06/23/president-obama-vows-to-push-ahead-with-gay-rights-agenda/

Obama's LGBT White House bash(samesame)
http://www.samesame.com.au/news/international/5551/Obamas-LGBT-White-House-bash.htm
 
オバマ政権で働く同性愛者は100人以上(GEIRO.org)
http://geiro.org/2010/06/23/obamaadministrationmorethan100/

 

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