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ドイツのゲイカップル、相続税が男女の夫婦と同じに

2010年08月20日

 ドイツ政府は同性パートナーに対する相続税の課税条件を、男女の夫婦と同等にする方針を固めました。
 
 これまでドイツでは同性カップルに対する相続税負担の明確な基準がなく、男女の夫婦に比べて高い税率が適用されることがあったそうですが、ドイツ連邦憲法裁判所が「性別で税額が違うのは違憲」との判断を示したため、政府は2010年末までに関連税制を改正に踏み切るそうです。
 ロイトホイサーシュナレンベルガー法相は19日、所得税についても同性カップルに不公平とならないように改正する意向を示しました。

 共同通信によると、ドイツではナチス時代に同性愛者が虐殺された歴史があり(ゲイのシンボルとされる「ピンクトライアングル」は収容所で同性愛が強制された胸章に由来します)、それを教訓として同性愛者に寛容な社会的風潮があるといいます(実際は、寛容だったのは統合前の西ドイツの方で、東ドイツは決して寛容ではありませんでした)
 ドイツでは同性婚はまだ認められていませんが、2001年にライフパートナーシップ法(事実上のシビルユニオン)が制定され、相続、離婚扶養、健康保険、移住、姓名変更において、同性カップルに対しても権利と義務が与えられています。2004年に同法が修正され、養子の権利(連れ子の養子のみ)も認められるようになりました。
 国内での世論調査では、国民の52%が同性婚を支持しているそうです。欧州で次に同性婚が認められるのはドイツかもしれません。
 
 また、ドイツでは、外務大臣であるウェスターウェレ氏、ベルリン市長であるウォーウェライト氏といった有力政治家がゲイであることをカミングアウトしてます。ウェスターウェレ外相は、パートナー同伴で外遊することもあります(ただし、サウジアラビアのような同性愛が非合法な国に行く際は、危険を回避するため、単独で行くそうです)
 
 ドイツのケルンでは先月末から今月初めまで、第8回ゲイゲームズが開催され、界中から1万人以上のゲイがドイツを訪れ、50億円以上の経済効果を上げました。そうしたことが今回の待遇改善にプラスに影響しているのかどうかはわかりませんが、少なくとも、よりゲイが生きやすくなるような社会的アピールにはなったはずです。


相続税、同性愛者も課税条件公平に ドイツ方針(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3EAE2E7828DE3EBE2EAE0E2E3E29494E3E2E2E2;at=ALL

独、同性愛者の相続税を公平に 異性カップルと同一(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010081901000937.html

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