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アメリカのゲイの学生、恋人とのキスをネットで配信され、自殺

2010年10月02日

 ニュージャージー州ラトガース大学の学生2人が、ゲイの同級生のラブシーンを隠し撮りしてネット中継し、被害者が自殺する事件が起きました。警察は2人をプライバシー侵害の容疑で逮捕し、憎悪犯罪容疑での訴追も検討しているそうです。同大が学長名による声明で明らかにしました。

 ラトガース大学によると、被害に遭ったのはバイオリンの名手として知られていた同大1年生のタイラー・クレメンティさん(18)。米メディアの報道によれば、クレメンティさんは9月19日、自室で恋人の男性とキスしているところをルームメートのダルン・ラビ容疑者に隠し撮りされ、その映像がネット上で生中継されたほか、ビデオチャット「iChat」で流されたといいます。

 ラビ容疑者は、Twitter上にも2人のラブシーンの模様を書き込んでいたようです。『ニューヨーク・ポスト』紙によると、Twitterの書き込みには「ルームメイトが夜、しばらく部屋を出てくれと言ってきた。モリーの部屋に行ってウェブカメラを付けた。男といちゃいちゃしてやがったぜ」などと書かれていたそうです。

 3日後の22日、クレメンティさんはFacebook上に「橋から飛び降りる、ごめんね」と書き残し、その日の夜にニューヨークとニュージャージー州を結ぶジョージ・ワシントン橋から飛び降り自殺しました。

 クレメンティさんはおとなしい性格で、ゲイであることを家族を含めて周囲に伝えていなかったそうで、警察は、盗撮とネットへの公開が自殺につながったとみて、プライバシー侵害の容疑でダルン・ラビ容疑者とモリー・ウェイ容疑者を逮捕しました。

 地元のメディアは「IT技術の発達で若者たちの間では安易な気持ちですべてをネットに公開する風潮があるが、今回の事件は著しいプライバシーの侵害だ」として、連日報道しています。

 アメリカでは、最新ITツールやSNSを利用したいじめが急増しており、特にゲイの若者らが標的となっています。若者に対するいじめの防止を訴える米団体NVEEEのサンダース会長によると、ゲイバッシングに関連した全米の10代の自殺が、9月だけで少なくとも4件発生しているそうです。
 ゲイの人権擁護団体の代表は「他人の人生をもてあそぶことは許せない」と批判する声明を発表しました。



米で盗撮中継苦に大学生自殺(NHK)
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101001/t10014330091000.html

米男子学生 同性愛者とのキスシーン中継され自殺(テレ朝)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/201002007.html

米国:盗撮され自殺、波紋 「同性とキス」映像、ネットに ルームメートら逮捕(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/world/news/20101002ddm012030094000c.html

同級生の同性愛ラブシーンを隠し撮りネット中継、被害者自殺 米大学(AFP)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2762774/6271366?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

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