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イギリスの活動家ピーター・タッチェルが「人間国宝」に。除幕の任をイアン・マッケランがつとめました。

2010年10月03日

9月29日、ロンドンの人権活動家ピーター・タッチェルのブルー・プラーク除幕式にイアン・マッケランが登場し、除幕の任を務めました。 

 ブルー・プラークとは、イギリス国内に設置されている銘板で、著名人が住んだ家や歴史的な事件があった場所などに青色の丸いプレートを飾るものです。ジョン・レノンからチャールズ・ダーウィン、夏目漱石、変わったところではシャーロック・ホームズのものもあります。
 イングリッシュ・ヘリテイジという団体が設置を管轄していますが、近年、地方自治体などによっても設置されているそうです。今回はロンドンのサウスワーク区によるもので、一般投票により選出されました(一般市民がゲイの活動家を選ぶところが素敵です!)。ヘリテイジが選ぶのは亡くなった人物ですが、今回は現存する人物が選ばれました。

 ピーター・タッチェルはオーストラリア生まれのイギリスのゲイの活動家で、「OutRage!」という団体の代表です。『ガーディアン』紙のオンライン版のコメンテーターを務めたり、2009年、イギリスの『オブザーバー』紙が主催する「オブザーバー・エシカル・アワード」の活動家部門賞を受賞するなど、社会にも広く認知されています。2006年以後、「同性愛は悪魔の所業」「パレード参加者を逮捕する」と市長が公言するモスクワのパレードに毎年参加し、オナチから暴行を受けたり、警察に逮捕されたりしています。最近では、ローマ法王の訪英に際し、法王とカトリックの偽善を追及したチャンネル 4の『The Trouble with The Pope』というドキュメンタリー番組の司会も務めていました。

 『ロード・オブ・ザ・リング』や『X-MEN』などで有名な、そして数多くの賞やサーの称号も授与され、イギリスで最も尊敬される俳優の1人であるイアン・マッケランもまた、ゲイの人権を擁護する活動家として知られています。
 シネマトゥデイの山口ゆかりさんという記者の方が、式を終えたイアン・マッケランにインタビューしていました。

「活動は自分の中で大きな部分を占めている。活動するうちにピーターにも出会った。私にとっては、ちょっとしたヒーローだよ。ピーターは危険な目にあいながら活動してきた。それが今は人間国宝ってとこだよ。それだけ時代が変わっ たということでもあるね」と喜びを分かち合っているようでした。ブルー・プラークが掲げられた、タッチェルが今も住む低所得者用公共住宅は、かつて襲撃されたこともあったそうです。
 マッケランは、タッチェルのブルー・プラークを「私はこれほど大きいものをもらったことはないよ。これは人々によって選ばれたものだから」と謙遜したそうです。マッケランもいつかブルー・プラークに名を刻むことになるのでは?と聞くと「それはないと思うな」と破顔一笑したそうです。

 

イアン・マッケラン、ゲイ活動家の式典に出席!直撃インタビュー(シネマトゥデイ映画ニュース)
http://www.cinematoday.jp/page/N0027340

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