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今秋の香港プライドパレードは中止、次回は2011年秋に

2010年10月05日

 9月18日、台湾の高雄(カオシュン)で初めてのパレードが開催され、親の会や高校生のグループを含む2000〜3000人が参加したそうです。会場のステージには陳菊・高雄市長が登場し、多様性の尊重を謳うスピーチを行ったそうです。初回にして日本のパレードとほぼ同じ内容…台湾、スゴイです。(詳しくはこちら
 10月30日には台北で台灣同志遊行(Taiwan LGBT Pride)が開催され、2万人超が集まる見込みです。

 一方、今秋予定されていた香港のプライドパレードは中止となり、来年秋にまた開催することが発表されました。
 香港プライドパレードは、2008年12月13日に初開催され、1000人余りが参加、そして2009年11月1日に第2回目が開催され、1800人余りが歩いたそうです。が、今年はというと、9月のパレード準備委員会(香港女同盟会、香港彩虹、女同学社、Gay Harmonyで構成)は、経費が不足しているため、今年の香港プライドを中止すること、および、2011年の秋に第3回パレードを行うための募金活動を開始したことを発表しました。

 「中国女性・ジェンダーニュース+」によると、香港プライドパレード準備委員会は、2008年と2009年のパレードの収支の状況について、以下のように説明しているそうです。
     2008年の第1回パレードでは、国際的な金融危機のあおりを受け、企業からの協賛が得られない中、多くのセクシュアルマイノリティの組織が少しずつ資金を出し合い、7万4000ドル余り(約80万円)を集めました。支出は5万ドル余りだったので、大幅な黒字になりました。が、この年に支出が少なかったのは「実は労働搾取の結果だった」、つまり、音響の提供やWebサイトの作成など、様々な作業を低価格または無償で行ってもらったのです。「彼女/彼らはみな自ら志願してボランティアをしたのかもしれないが、労働には価格があり、彼女/彼らは食事をしたり、税金を払ったりしなければならない。解放と喜びを広く宣伝するプライドパレードを、どうして搾取のうえに築くことができようか?」
 2009年の第2回のパレードは、ラジオ番組ともタイアップするなどして早くから宣伝したので、パレードの参加見込み人数が大幅に増えました。そのため、5万5000ドルをかけてパレードの起点と終点に音響システムを設置し、パレードの支出は第1回の2倍以上の11万8300ドルになりました。しかし、パレード準備委員会は資金を7万ドル余りしか集められず、赤字分は、第1回の余剰と「IDAHO」の会計からの借り入れで埋めざるをえませんでした。
 準備委員会は、2011年秋のパレードのために、来年3月までに少なくとも14万ドルを集めたい、としているそうです。

 第1回目のパレードが「労働搾取の結果だった」という主催者の反省には「なんて純粋なんだろう」と驚かされました。世界的に見ても、株式会社時代のシドニーのマルディグラやニューヨークのパレードなど、よほど大規模にうまく運営されているパレード以外は、ペイドのスタッフが置かれているところは少数で、基本的にはボランティアでの運営だと思います。まして、第1回目から潤沢な資金を得られることはほとんどないでしょう。日本でも、ボランティアどころか様々な形で自腹を切って行われるのが実情だと思います(本当に頭が下がります)
 資金集めに苦労し(人手不足ということでもあると思います)、なかなか継続的に開催できないという事情は、香港も日本も同様のようです。台湾のように行政の支援が得られれば楽になるのでしょうが、そうした社会的サポートを得られるようになること自体がパレードの目的でもあり…本当に大変です。
 来年こそは、晴れやかに香港プライドが開催されることを祈ります。(後藤純一)



香港プライドパレード2010が資金難で中止(中国女性・ジェンダーニュース+)
http://genchi.blog52.fc2.com/blog-entry-328.html

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