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欧州人権裁判所がモスクワのプライドマーチ禁止措置に対して歴史的判決を下しました

2010年10月22日

 22日(木)、欧州人権裁判所はロシアが人権と基本的自由の保護のための条約(欧州人権条約)に違反したことを認めました。
 2006年、2007年、2008年、三度にわたってプライドマーチを禁止したことは、欧州人権条約の11条(結社の自由)、13条(公的救済の権利)、14条(保証されている権利と自由の享有に関する無差別待遇)の規定に違反しているとしました。
 裁判所はロシアに損害金として12000ユーロ(約136万円)、および経費の17510ユーロ(約198万円)を、申立人であるアクティビスト、ニコライ・アクレシーヴさんに支払うよう命じました。今後モスクワ市は、集会及び結社の自由、公的救済の権利、差別の防止を尊重しなければならなくなります。
 2006年5月、120名以上が参加し、モスクワ・プワイドマーチが行われました。モスクワ前市長ユーリ・ルツコフは健康と安全を理由に繰り返しプライドマーチを禁止し、2007年には、同性愛者を悪魔的だと発言しました。2008年にはプライド参加者が警察に告発されたこともあります。セルゲイ・ソビャーニンは、新しい市長として就任するタイミングでこの判決を受けたことになります。
 ニコライ・アクレシーヴさんは「裁判所や法律家、政治家たちはこれ以上プライドマーチを禁止することを合法だと言えなくなった。これは大きな一歩だ」と語りました。彼の所属する団体「ゲイ・ロシア」は10月21日をロシアのLGBTが解放された日として毎年祝うことを宣言しました。

 欧州人権裁判所での歴史的な勝利を受けて、今後ロシアの性的マイノリティの人権に関する状況がどのように推移するのか見守りたいと思います。モスクワの新しい市長セルゲイ・ソビャーニンはプーチンを崇拝する官僚タイプの政治家だとの観測もありますから、楽観的な予断を許さない状況にあるといえそうです。(門戸大輔)

TÊTU Interdiction des gay prides: la Russie condamnée
http://www.tetu.com/actualites/international/interdiction-des-gay-prides-la-russie-condamnee-18117

PINK NEWS European Human Rights Court rules against Russia over Moscow Gay Pride ban
http://www.pinknews.co.uk/2010/10/21/major-legal-victory-for-russian-gay-rights-campaigners/ 

ニコライ・アクレシーヴさんのブログ
http://alexeyev.livejournal.com/?skip=10 

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