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トランスジェンダーの現代美術作家・ピュ~ぴるさんのドキュメンタリーがロッテルダム映画祭で公開



 ピュ~ぴるさんが約15年前、『笑っていいとも!』にロビンちゃんといっしょに出演していたことを憶えていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。また、ゲイシーンに近いところで、井原秀和円奴Sさんらとともにイベント出演されているのを見た方もいらっしゃるかもしれません。
 
 ピュ~ぴるさんは独自のキャラクターを生み出したり(TVでもそうでした)、裁縫やニッティングによる奇抜なコスチューム(とてもドラァグクイーン的な)を身に着けたりというパフォーマンスを行っていましたが、横浜トリエンナーレ2005をきっかけに本格的に現代美術家として活動をはじめました。ニューヨークのカルチャー誌『ペーパー・マガジン』がピュ〜ぴるさんをフィーチャーしたカレンダーを付録にしたり、イタリアの『VOGUE』誌に掲載されたり、台北現代美術館(MOCA)で作品が展示されたり、今や、世界的に活躍する現代美術作家です。

 ピュ~ぴるさんは10代の頃から自らの体(性別)に違和感を覚えるようになり、その違和感を解消するために洋裁を始め、自作のコスチュームを身にまとってクラブに通うことで気を紛らわしていたんだそうです。やがて、その奇抜なコスチュームがアートとして注目を浴びるようになり、ピュ~ぴるさん自身も国際的なアーティストへと成長していきます。そして、2007年にタイで性別再指定手術を受けたんだそうです。
 その過程を、8年にもわたって記録し、ドキュメンタリー映画にしたのが、ピュ~ぴるさんの長年の友人で、映画『ウォーターボーイズ』にも俳優として出演していた松永大司さん。事実を複雑な心境で受け止めつつも常に温かく見守ってきた家族や周囲の人たち、愛する人との微妙な距離、「彼」が「彼女」に変わっていくまでの軌跡に寄り添った渾身の作品だそうです。

 ドキュメンタリー映画『ピュ~ぴる』は、韓国・全州国際映画祭やフランスのパリ映画祭などでも上映されたほか、現在開催中の第40回ロッテルダム国際映画祭の特集上映「アウト・オブ・ファッション」のオープニング作品に選ばれました。現地には松永監督とピュ~ぴるさんが初めて2人揃って赴き、ピュ~ぴるさんのパフォーマンスも行われたそうです。
 上映後の質疑応答では、映画の感想を聞かれたピュ~ぴるさんが「この8年間走り続けてきたので、忘れていた当時の気持ちを思い出し、自分のことながら涙を流してしまいました」と語り、会場から「おぉ……」と同情のため息がもれました。さらに、失恋を経験するエピソードを受けて「今、彼氏はいますか?」という直球の質問が飛び、ピュ~ぴるさんが恥じらいながら「ハイ、います。今、幸せです」と答えると、よかった!と言わんばかりの拍手が沸き起こったそうです。
 ロッテルダム国際映画祭では35万人の観客が投票する観客賞がありますが、29日時点で暫定第5位につけているそうです(ちなみに2位はあの『ブラック・スワン』)
 また、映画の上映に合わせ、ロッテルダム市内にあるボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館で作品も展示されているそうです。
 シネマトゥデイのインタビューに、ピュ~ぴるさんは「映画を撮ってほしいとは思ったけど、発表の場がこんな所になるとは思ってもみなかった。これからも死ぬまで、自分が生きた証を残せるよう、美しいモノを作り続けていきたい」と語りました。
 

『ピュ〜ぴる』
監督・撮影・編集:松永大司/出演:ピュ〜ぴる/配給・宣伝:マジックアワー/年3月26日よりユーロスペースほか全国ロードショー

 

性同一性障害を抱える美術作家「ピュ〜ぴる」の8年間に寄り添ったドキュメンタリー(CINRA.NET)
http://www.cinra.net/news/2011/01/24/214200.php

性同一性障害の現代アーティストを彼から彼女になる8年間を『ウォーターボーイズ』俳優・松永大司監督が描く力作上映(シネマトゥデイ)
http://www.cinematoday.jp/page/N0029983

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