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インドでゲイ専門の旅行代理店が大繁盛

2011年02月03日

ゲイの旅行会社「インディアピンク

 近年、ゲイやレズビアンのツーリストにとってインドが人気の旅行先となっていることを受け、世界中のゲイ専門旅行代理店がプロモーションに乗り出しているそうです。
 
 デリーでは1月28日から30日まで第18回南アジア旅行・ツアー展(South Asia Travel and Tour Expo:SATTE)が開催されましたが、そこに出展したドイツの旅行会社「ITBベルリン」の商品開発担当者は「LGBT専門旅行会社がエキゾチックで豊かな文化や歴史を持つインドを積極的に紹介している」と語りました。
 
 世界統計によると、LGBTツーリストは全旅行者数の6%を占め(実際は統計に表れていない人たちも多いでしょうから、6%以上でしょうね)、旅行を好む傾向と、自由に使える可処分所得の高さから、市場としては大いに魅力的だそうです。
 
 前述の担当者は、「以前は、LGBTツーリストはタイやマレーシアなどの東南アジアに向かっていたが、インド国内でのゲイカップルの旅行が法的に問題ない(※)とされた時点で、新たなトレンドが生まれつつある」と語ります。ロンドンやウィーンといった世界的な観光都市では旅行代理店がLGBTツーリストの誘致に躍起になっているそうです。
 
 インド国内でゲイ専門の旅行会社「インディアピンク」を経営するサンジャイ・マルホトラ氏も「2008年10月に設立以来、毎年100%以上の成長を遂げている」と語り、確かな手ごたえを感じているそうです。ファッションデザイナーでもあるマルホトラ氏は、設立以来、主に米国や欧州、果ては南米からの外国人旅行者を300組ほど迎えました。一組あたり1泊260ドル〜350ドルの料金で旅行のトータルコーディネートを行っているそうです。同氏は、「インドにはゲイのコミュニティもあり、大きな関心を呼んでいる」と語り、まもなくレズビアン向けのサービスも導入するといいます。
 
(※)2009年7月、ニューデリー高裁が植民地時代から残っていたソドミー法(同性同士の性行為を禁じる法)を差別的であるとみなし、憲法が保障する基本的人権の侵害にあたるという判決を出し、同性愛が合法化されました。(詳しくはこちら

 2009年の同性愛合法化以来、インドでは、初のゲイショップ「azaadbazaar」ゲイ&レズビアンのための雑誌『Pink Pages』が創刊され、急速にゲイシーンが盛り上がりを見せてきています。
 上記の南アジア旅行・ツアー展と同じ時期、インド最大の都市・ムンバイではQueer Azaadi Marchというプライドイベントが開催されました。2008年は500人だった参加者が、翌年には2000人にふくれあがり、今年も数千人が市内の大通りをパレードしました。ゲイショップの協賛によって、より大規模なイベントが実現し、今年はパレードだけでなく、1週間にわたって映画上映やライブ、クラブパーティなどが行われたそうです。

 また、インドでの同性愛合法化に大きく貢献したと言われているのが、世界で唯一、王族としてゲイであることをカミングアウトしているマンヴェンドラ・シン・ゴーヒル王子です。5年前にカミングアウトし、王家から勘当されてしまいましたが、インドにおけるゲイの人権とHIV予防に関する活動を積極的に行い、ゲイムーブメントのシンボルとされてきました。そんな王子は、1月末、アメリカで最高のトークショー番組と言われる「オプラ・ウィンフリー・ショー」に出演し、「ゲイとしてのライフスタイルと王族としてのライフスタイルとの間でバランスをとり続けることはとても困難だった」と心中を語りました。(編)


【インド社会】ゲイ専門の旅行代理店が大繁盛(インドチャネル)
http://news.indochannel.jp/news/nws0002983.html

World’s Only Openly Gay Prince Revisits Oprah(JustOut)
http://blogout.justout.com/?p=26643

Mumbai Queer Pride Week 2011(CNNGo.com)
http://www.cnngo.com/mumbai/life/queer-pride-week-2011-mumbai-847490

Disabled, gay, and as normal as you(DNA)
http://www.dnaindia.com/lifestyle/report_disabled-gay-and-as-normal-as-you_1500718

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