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毎日新聞のレインボーマーチ札幌連載が素晴らしいです

 毎日新聞北海道版(毎日jp内「大盛り北海道」)が、2月3日からレインボーマーチ札幌についての連載「レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常」をスタートさせました。レインボーマーチ札幌にまつわるさまざまな人たちに取材し、地方に生きるゲイのリアリティや家族との関係、HIV陽性者の抱えるしんどさ、レインボーマーチの意義などを、当事者に寄り添いながら(同じ目線で)描き出しています。記事の構成や文章なども見事で、地方の一般読者の方たちなどにも素直に共感してもらえるようなものになっています。

 第1回目は「プライド」というタイトル。バー『Hearty Cafe』のマスター・桑木さんへのインタビューを通じて、自身のゲイヒストリーと札幌でのパレード開催の物語が重ね合わせらていきます。
 13歳の時に男性が好きなことに気づいた桑木さんは、それを否定したい思いや孤独感に苦しみましたが、16歳で思い切ってゲイバーを訪れ、友達ができたことで世界が一変します。桑木さんは友人と「北海道セクシャルマイノリティ協会・札幌ミーティング」の勉強会に参加しはじめ、「隠れて生きなきゃいけないのはおかしい」と思うようになりました。そして1996年、東京のパレードを参考に、札幌でもパレードをやろうと企画しました。
 ところが、コミュニティ内からもパレードへの反発が出ました。ゲイバーに足を運ぶと客に無視され、「周囲にゲイだとばれるじゃないか」と非難する人もいました。実行委員会には匿名の中傷文書が届き、クラブパーティを開くと「参加者がクスリやってますよ」と110番されるいやがらせに遭いました。桑木さんは精神安定剤を飲みながらスポンサー集めにも奔走したそうです。
 そうして開催された第1回目のパレードには、約200人が参加しました。それから毎年続けられ(2000年だけお休みし)、第7回目の2003年には上田文雄市長が来場して「皆さんを歓迎します」とあいさつし、会場の人たちを感涙させました。「自分たちが動けば世の中は変わる--」桑木さんはそう実感しました。
 10回目を区切りに引退した後も、パレードの関連イベントに店を貸し、生きづらさを抱えるゲイたちの相談に乗り、コミュニティのリーダー的存在です。
(記事の「締め」が泣けます。ぜひ読んでみてください)

 第2回目は「家族」。『ハートをつなごう』にも出演したレインボーファミリー(親の会)の伊井義弘さんや、西沢和子さんが紹介されています。2006年に自殺した西沢裕敬さんのお母様が紹介されています。
 レインボーマーチ札幌で用いられる旗は、6色のレインボー+白になっています。この白は「亡くなった仲間への追悼」と「苦しみと戦う仲間たちとの共存のしるし」という意味が込められているそうです。この旗をデザインしたのは、2006年に自殺した西沢裕敬さん。その母・和子さんは、一人息子を失った今でも活動に参加し、みんなに「お母さん」と慕われています。パレードの日には、西沢さん親子で発案した「おにぎりブース」に立ってほかのお母さんたちといっしょにおにぎりをにぎっています。「全国からマーチに来る仲間が集い、楽しめる場所にしたい」という息子の思いを継いでいるのです。

 第3回目は「HIV感染」。龍太さん(仮名、31歳)の物語です。
 龍太さんは幼い頃に両親が離婚し、道内の農村地帯の祖父母宅で育ちました。居場所がなくなるのが怖くて「優等生でないといけない」と思っていました。思春期になって彼女もできましたが、性的関係を持てず、ゲイであることを自覚。「社会から見られている優等生の自分」と「社会から隠しているゲイである自分」とのはざまで苦しみました。札幌に来て数年が経った25歳の時にレインボーマーチを初めて見て「楽しそうだな。すげえなあ」と感動。「いつ死んでもいい」と凍っていた心が溶けだし、「独りじゃない。これでいいんだ」と感じました。そんな矢先、自暴自棄で荒れていた頃の性行為が原因でHIV感染していたことを知ったのです…。


 今までにも僕らゲイは、マスコミにさまざまな形で取り上げられてきました。その多くは、興味本位だったり、侮蔑の対象だったり、否定的なものでした(記事にも書かれていた通り、僕らゲイもそうした世間のホモフォビアを内面化し、苦しんだりしてきました)。今回の「レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常」は全く違います。これほどまでにゲイコミュニティに寄り添い、同じ目線で、同じ気持ちで語り、泣かせるような記事は今までなかったのでは?と思います。
 続きが本当に楽しみです。
 そして、こうした素晴らしい記事が今後も生み出されていくよう、ぜひ応援のメッセージを送りましょう(送り先はこちら
(後藤純一)



レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/1(毎日jp)
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110203ddlk01040194000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/2(毎日jp)
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/archive/news/2011/02/04/20110204ddlk01040156000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/3(毎日jp)
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110205ddlk01040216000c.html

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