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バレンタインチョコに込められた同性愛者の思い

2011年02月13日

 奈良教育大のレズビアンの学生がバレンタインチョコを学内で配り、同性愛のことをアピールしたという記事が朝日新聞(関西版)に掲載されていました。

 バレンタインデーを控えた今月初め、奈良教育大の食堂で、一人の女子学生が百数十個のチョコレートを学生たちに配りました。添えたカードには「大切な人に贈ってください。性別にとらわれる必要はありません」。配ったのは、奈良教育大3年の榊原衣麻(えま)さん。市販のチョコをオリジナルデザインの包装で包み、贈る相手の名前を「Dear」の字の下に書き込めるようにしました。

 榊原さんは昨年、レズビアンであることをカミングアウトしました。高校生の時、親友から「恋愛対象として見てるかも」と言われ、「好きってこういうことか」と自覚したそうです。2人だけの秘密にして1年弱おつきあいしたそうです。
 気持ちのすれ違いで別れたものの、大学に入っても忘れらませんでした。が、「言ったらみんなに白い目で見られる」「一生秘密にしよう」と思う一方、「ただ女性が好きなだけで、何でこんなに悩むのか」と疑問に感じはじめました。
 意を決して打ち明けた先輩に「けっこういるよ」とさらっと返され、拍子抜けし、気持ちは一気に楽になったといいます。それから恐る恐る周りに話しはじめましたが、あからさまに態度を変えた人は今のところゼロだそうです。一番心配だった母には「衣麻は衣麻だよ」と言われ、祖母からは「最愛の衣麻を応援するよ」と手紙をもらいました。
「あるのは偏見ではなく、偏見があるという思い込み」だと感じ、「偏見を恐れず、みんなが自分らしく生きられる社会を作りたい」という思いが募りました。
 榊原さんは昨年10月、学園祭で、一人で悩んでいた時やカミングアウトした時の気持ちをつづったブログの文章を展示しました。3日間で150人以上が訪れたそうです。11月には、1年生向けの授業で講演もしたそうです。

 そして今回、彼女は「バレンタインチョコは同性同士であってもいいのでは」と、メッセージ付きのチョコを贈ることを考えました。ブログ展や講演は興味を持って訪れた人にしか伝えられませんが、「チョコなら、もらった人がさらに誰かに伝えてくれる」と期待しました。
 1万円の予算で180個を購入し、友人2人も手伝って、チョコは食堂中の男女の学生たちにいきわたりました。友人の宮下彩夏さんは「アクティブな衣麻はすごい。心から応援しています」と語りました。

 榊原さんは将来、中学の保健体育の先生になりたいと語ります。「私が同性愛を堂々と語ることで、少しずつでも社会が変わればうれしい」


性別問わず、大切な人にチョコ贈って 奈良教育大の学生(朝日新聞)
http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201102120047.html

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