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「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」でakaboshiさんの『しみじみと歩いてる』が奨励賞を受賞

「優れたドキュメンタリーには、新鮮な発見の驚きがあり、感涙があり、爆笑があり、ワクワクする興奮があり、一夜にして観る者の世界の見方を変えてしまう力がある」「テレビ、映画の枠を越えて、ドキュメンタリーの魅力をの可能性を再発見する」という目的で、昨年「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」が立ち上げられました。
 第2回目となる今年、コンペ部門にblog「フツーに生きてるGAYの日常」のakaboshiさん(「石原都知事の同性愛者差別発言に抗議する有志の会」代表でもあります)が『しみじみと歩いてる』という作品を出品しました。2006年以降、関西レインボーパレードに通いながら出会ったレズビアン、ゲイ、MtFトランスジェンダー、FtMトランスジェンダーそれぞれの日常生活、それぞれの違い、家族へのカミングアウト、仕事場や人間関係における葛藤、苦しみ、そして喜びを描いたドキュメンタリー映画です。
 田原総一朗、佐藤信、吉岡忍、橋本佳子、森達也、若井真木子(順不同)といった錚々たる方たちが、コンペに出品された全4作品の中から壇上で公開審査を行った結果、大賞は該当なしで、akaboshiさんの『しみじみと歩いてる』ともう1本が奨励賞を受賞しました(事実上、最も優れた作品と認められたことになります)
  
 この審査の模様と表彰式の映像がこちらから見ることができます。審査の過程もたいへん興味深く、意義あるものでした。
 初めに一人ずつ、講評というか、どの作品がよかったか、を語っていきます。6人の中でズバリ『しみじみと〜』がいちばんよかったと語ったのは、意外にも、最もセクシュアルマイノリティに理解がなさそうな世代(石原都知事と同世代)である田原総一朗さんでした。田原さんは「力作。でもよくわからない。悩んでるっていうのはわかる。けど、悩みの中味が非常に難しい。こんな難しいものによく挑戦したというのを買った」とコメントしています。もう一人、演出家の佐藤信さんも『しみじみと〜』を推してくれました。「しみじみと歩いてるっていう一言の感性がすごく重要。監督もカミングアウトしてると思うけど、しみじみと歩いてるというカミングアウトのしかたに惹かれた。対抗的にやるんではなく、そうではない方法があるんだぞ、と。他の人に観てほしいと思う作品」「少数者が楽しそうだった。そこに希望を見る。少数者を描くんだったら、楽しく、元気づけるようなものでないと、意味がないと思う。多数だと思ってる暗い顔した人たちに、楽しそうだと見せること」という素敵なコメントをくれました。
 観客賞が決められた後、大賞を決める審査員による決戦投票が行われ、3作品に2票ずつが入り、見事に割れました。そこでドキュメンタリー監督の若井真木子さんが「私は『しみじみと〜』に変えてもいい。がんばってほしい」と言い、一時は大賞か?という話にもなりましたが、最終的に奨励賞ということになりました。

 受賞記念スピーチとして、akaboshiさんは「勇気をふりしぼって出てくれた方がたくさんいます。ご指摘くださったように楽しく映っています。僕自身、その楽しさに持っていくまでに、徐々に自分を受け容れていって。今回、この作品を発表することで、初めて公に名前を出しました。同じように、自分がセクシュアルマイノリティですと言えない人がたくさんいる。そういうことが背景にあるということを、立体的に描きたかった。未整理な部分もあるけど、この映画に出てくれた人たちを追って、これから2本3本と撮っていくつもりです」と語りました。

 この作品が、こうして一般のステージで高く評価されたことは素晴らしく、心から祝福したいと思います。
   
 akaboshiさんの『しみじみと歩いてる』、東京で自主上映会が開催されますので、ぜひ、お出かけください。

『しみじみと歩いてる』自主上映会
日時:3月21日(祝)13:20/15:20(入替制)
会場:なかのZERO視聴覚ホール
料金:1200円

 大阪では今週末、上映されます。

『しみじみと歩いてる』上映会 at トランスフェAYA
日時:2月20日(日)13時頃〜(上映開始時間は来た人との相談によって)
会場:大阪NPOプラザ100号(大阪市福島区吉野4-29-20)
料金:トランスカフェAYA会費(500円)

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