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映画『ナルニア国物語』のプロデューサーで、オープンリー・ゲイのペリー・ムーアが亡くなりました

2011年02月22日

 映画『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』をはじめ、ナルニア・シリーズの製作総指揮を務めたプロデューサーでオープンリー・ゲイのペリー・ムーアが亡くなりました。39歳でした。

 ペリー・ムーアは作家、脚本家、映画監督で、C・S・ルイス原作の小説を映画化した『ナルニア国物語』シリーズ3作のプロデューサーを務めたことで知られています。2008年にはパートナーのハンター・ヒルと共同監督でシシー・スペイセク(『キャリー』)主演の映画『Lake City』を撮りました。
 ムーアは以前から児童文学やコミックのファンで、コミックの世界に何度かゲイのヒーローが登場してきたことを喜んでいました。が、『X-Men』に描かれたゲイのヒーロー、ノーススターが2005年、洗脳されたウルヴァリンに殺されてしまったことにショックを受けました。ムーアは『X-Men』において最も人気のあるキャラクターによってゲイのヒーローが殺されたことに強い違和感を覚え、これまでにコミックの世界に登場した60人以上に上るゲイやレズビアンのキャラクターを分析し、そのいずれもが貶められたり、障害を負ったり、殺されたりしてきたことをサイト上で語りました。「もちろん、誰にでも悪いことは起こる。でも、前向きなゲイのキャラクターなんていたかい?」
 「もっとゲイのヒーローに光を当てたい」という思いを募らせ、ムーアは2007年、10代のゲイのスーパーヒーローを主人公にした若者向け小説『Hero』を発表しました。そして翌年、ラムダ文学賞(LGBTの最も優れた児童文学・若者向け小説に贈られる賞)を受賞しました。
 ムーアは『スパイダーマン』や『X-Men』の生みの親であるコミック作家、スタン・リーに『Hero』のTVシリーズ化の企画を持ちかけていました。

 ペリー・ムーアは長年、ライターのハンター・ヒルとパートナーシップを結んでおり、二人でジュリアン・ムーア主演の映画を撮ろうと企画していたそうです。
 そして亡くなる前夜、父親と話しており、「ナルニアでの成功があるから、お金の面での心配は要らないよ」などと言っていたそうです。

 2月17日、ハンター・ヒルがマンハッタンの自宅に戻ると、浴室でペリーが意識不明になっているのを発見しまし。すぐに病院に搬送しましたが、治療もむなしく、亡くなりました。最初の解剖では死因がわからず、今後、詳しい検死調査を待ってから発表される予定です。地元の警察によると、事件性はないそうです(一部、自殺という報道もありましたが、誤りです)
 ムーア氏の家族の話では、膝と背中に痛みがあったそうで、鎮痛剤の摂取が過剰だったのではないかという見方もされています。(編)


映画『ナルニア国物語』シリーズのプロデューサーが39歳の若さで死去(シネマトゥデイ)
http://www.cinematoday.jp/page/N0030510

Perry Moore, Author of Book About Gay Superhero, Dies at 39(NY Times)
http://www.nytimes.com/2011/02/19/books/19moore.html

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