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『真夜中のパーティ』製作の舞台裏を描いた映画『Making the Boys』


左が脚本家のマート・クロウリー、
右が監督のクレイトン・ロビー
(どちらもオープンリー・ゲイの方)
 ハリウッド映画史において初めて真正面からゲイを描いた伝説の作品『真夜中のパーティ』(およびその原作であるオフブロードウェイの舞台)の当時の製作過程に迫った『メイキング・ザ・ボーイズ(原題) / Making the Boys』という映画が製作されました。監督のクレイトン・ロビーとマート・クロウリーが語ったインタビューがシネマトゥデイに掲載されていたので、ご紹介いたします。

 『真夜中のパーティ』は、日本でも1983年以来、何度となく舞台化されています。きっとどれかをご覧になった方も多いことと思います。今年7月にまた再演されるそうです。(詳しくはこちら
 大オネエ・ハロルドの誕生日を祝うパーティのためにゲイたちが集まりますが、そこへハロルドのストレートの友人が訪れ、パーティの雰囲気は一変……というストーリーです。
 当時のゲイたちのリアルな姿を通じて、ゲイの孤独や自己嫌悪(ホモフォビア)を鋭く描いた作品です。

 映画『Making the Boys』は、『真夜中のパーティ』の脚本家であるマート・クロウリーが、女優ナタリー・ウッドとの出会いを通して、逆境を乗り越えながらハリウッドの固定概念を覆す映画を製作していく過程を追求したドキュメンタリー作品です。

 マートとの出会いについて監督のクレイトン・ロビーは「前作『When Ocean Meets Sky』でファイヤーアイランド(ニューヨークのリゾート地)のパインズのゲイコミュニティを描いた際、そこに滞在しながら当時『真夜中のパーティ』の脚本の一部を書いたマートをインタビューしたんだよ。僕は、成長期にこの『真夜中のパーティ』に刺激を受けて、ゲイであることをカミングアウトできたんだ。それからもっとこの作品のことについて知りたいと思って、彼にドキュメンタリーの制作を電話で依頼したのが始まりだった」と語りました。

 60年代(ストーンウォール以前)のアメリカでは、(今では素晴らしくゲイフレンドリーな)ニューヨーク・タイムズにゲイを批判する記事が書かれ、CBSのマイク・ウォレスの番組ではゲイが病的に扱われていたといいます。当時の状況を振り返ってマートは「多くのゲイは、人目に触れない秘密の生活を送っていた感じだった。もちろん、雰囲気でゲイではないかと思うことはあったけど、ファイヤーアイランドのような場所でない限り、自分がゲイであると明かすことはなかった。ただニューヨーク市内には比較的ゲイバーなどもたくさんあって、それなりにゲイ同士でのコミュニケーションは取れていたんだ。でも、仕事場では常にストレートのふりをしていたよ」と語りました。

 舞台版『真夜中のパーティ』の製作についてマートは「まず誰もが、ゲイを扱った作品ということだけでこの作品に関わることをいやがった。当然、キャスティング・ディレクターもいなかったから、僕と舞台監督のロバート・ムーアで、自分の周りの友人に声をかけてキャスティングしたんだ」と語りました。オフブロードウェイの舞台『真夜中のパーティ』(1968)は、オーソン・ウェルズのシアター・カンパニーで働いていたリチャード・バーの助力を得て見事に成功し、ウィリアム・フリードキン監督による映画『真夜中のパーティ』(1970)へとつながっていったそうです。
 映画『真夜中のパーティ』をきっかけとして、ゲイが映画や舞台でオープンに描かれるようになっていきました。「ゲイ映画の金字塔となったこの作品の制作過程を知れば、ハリウッド映画史をより理解できるかもしれない」と記事は締めくくられています。

 この映画『Making the Boys』は、ベルリン国際映画祭やトライベッカ国際映画祭、OUTFEST(ロサンゼルス・ゲイ&レズビアン映画祭)などの招待作品となっています。日本でも公開されることを期待します。(編)
 


70年代ホモセクシャルを鮮烈に描いたゲイ映画の金字塔!『真夜中のパーティー』はどう生まれたのか?(シネマトゥデイ)
http://www.cinematoday.jp/page/N0030825


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