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【追悼】大女優にして偉大なるゲイ・アイコンだったエリザベス・テイラー

 世紀の大女優エリザベス・テイラーがロサンゼルス市内の病院で亡くなりました。79歳でした。


 1932年、ロンドンで生まれたエリザベス・テイラーは、幼少時に米国に移り、12歳のときに出演した『緑園の天使』(1944)で脚光を浴び、女優の道を歩みはじめました。アカデミー賞ノミネートは5回を数え、『バターフィールド8』(1960)と『バージニア・ウルフなんかこわくない』(1966年)で主演女優賞を受賞しました。その後、健康問題や薬物依存などによって女優としてのキャリアに影を落としましたが、逆境を克服してHIV予防啓発などの社会活動に取り組んできました。

 エリザベス・テイラーはライザ・ミネリやバーブラ・ストライサンドらと同時代のゲイ・アイコンでした。モンゴメリー・クリフトやロック・ハドソン、ジェームズ・ディーンら、映画で共演したゲイ(またはバイセクシュアル)の俳優たちと深い友情を結んでいたことで知られています。
 特に彼女が愛していたのはモンゴメリー・クリフトだと言われています。1956年、エリザベス・テイラー邸でのパーティを出て帰ろうとしたモンゴメリー・クリフトが、車を大木に激突させたとき、事故現場に駆けつけた彼女はドレスに血が染み込むのもかまわず、救急車が来るまで重体のモンゴメリー・クリフトを抱き続けたといいます。モンゴメリーは一命を取りとめたものの、以前の甘いマスクは戻らず、仕事が減り、失意のうちに亡くなりました。その死を知ったエリザベス・テイラーは「ショックで気が動転しています。私は彼を愛していました。彼は私の兄でした。私のいちばん愛した人でした」と語りました。
 1985年、ロック・ハドソンがエイズで亡くなった後、彼女はアカデミー授賞式でロック・ハドソンを追悼しながら初めてエイズについて語りました。周囲の人々は「君はそんなものに関わってはいけない。ゲイで、ダーティで、秘密にすべきものだ」と彼女に言いましたが、彼女は「だって、友達が亡くなったのよ!」と答えたそうです。彼女は米国エイズ研究財団(amFAR)に協力しながら、自身も「エリザベス・テイラーHIV/AIDS基金」を設立し、HIVチャリティ活動に情熱を注ぐセレブの第一人者となっていきました。
 1991年、フレディ・マーキュリー追悼コンサートの会場に現れたエリザベス・テイラーは、「心配しないで、歌わないから」と言って聴衆をなごませたあと、こんなスピーチをしました。「今宵はみんなでフレディを祝福する夜です。もう1つ、偉大なスターの命を道半ばにして奪ったものについて語る夜でもあります。こんなことは起こる必要はなかった。起こるべきじゃなかったんです。もう二度と、偉大な才能が失われる…こんな悲劇は繰り返したくない。みなさん、自分を見てください。自分がどんなにすばらしいかを。あなたは世界の未来です。輝く光。世界を担う希望です。自分を守るの。セックスをする時はいつだって必ずコンドームを使いましょう。ストレートのセックスでも、ゲイのセックスでも、バイセクシュアルのセックスでも同じことです。ドラッグをやるときは注射の回し打ちはだめ。自分をケアしましょう。自分を愛して。自分をリスペクトするの。世界はあなたに生きてほしいと望んでいる。あなたを愛しています」

 それから、90年代、エリザベス・テイラーは、親友のマイケル・ジャクソンに児童虐待の容疑がかけられたとき(多くの人が疑念を抱き、マイケルのイメージは暴落…。後に「ゆすり」であったことが判明しています)、真っ先にネバーランドでの児童虐待の疑惑を否定し、一環してマイケルを擁護してきました。
 2009年6月にマイケルが亡くなった際は、ショックのあまり自宅で倒れました。「私の心も精神も壊れてしまいました。マイケルを魂のすべてで愛していました。マイケルなしの人生なんて考えられません」と悲しみを語り、「静かに独りで祈りたい」と葬儀への出席を断りました。同年9月にロサンゼルスの墓地で行われた近親者による埋葬式では、車椅子に乗り、最後列でしめやかに参列する姿が見られました。

 長年患っていた心臓病のうっ血性心不全で1カ月半前に入院していましたが、23日、家族に見守られながら息を引き取ったそうです。葬儀は今週後半、近親者だけで営まれる予定です。遺族は「献花の代わりに『エリザベス・テイラーHIV/AIDS基金』に寄付してください」と語っているそうです。

 長年の友人であるエルトン・ジョンは「私たちはハリウッドの巨星を失いました。それ以上に、信じがたいほど素晴らしい人を失ったのです」と、また、ゲイに愛され、ゲイを支援するという道を同じくしてきたバーブラ・ストライサンドは「美貌やスター性だけでなく、彼女の人道主義が素晴らしかった」と語っています。また、カイリー・ミノーグは「女神エリザベス・テイラー、まるで白いダイヤモンドのように、あなたは永遠に輝きつづけるわ」とコメントしました。

 大女優の最後の映画出演は、ブルース・ウェーバーの『トゥルーへの手紙』(2004)でした。また、最後の舞台は、朗読劇『ラブ・レターズ』(2007)。HIVチャリティとして行われた一夜限りの公演でした。(編)


米女優エリザベス・テイラー死去、エイズ問題にも尽力(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-20216920110323

女優エリザベス・テイラーさん死去 79歳(CNN)
http://www.cnn.co.jp/showbiz/30002236.html

Elizabeth Taylor Dies at 79(Advocate.com)
http://www.advocate.com/Arts_and_Entertainment/Entertainment_News/Liz_Taylor_Dies_at_79/

Taylor Biographer: Courage Was Her Legacy(Advocate.com)
http://www.advocate.com/News/Daily_News/2011/03/23/Taylor_Biographer_Courage_Integrity_Was_Her_Legacy/

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