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ネパールで国勢調査の性別欄に「第三の性」が設けられました

2011年06月02日

 ネパールで約560万世帯を対象に実施されている国勢調査で、性別欄の選択肢が「男性/女性/第三の性」となりました。国勢調査で「第三の性」が認められたのは世界初のケースだそうです。

「女児として生まれたが、成長するにつれ自分は男だと感じるようになった。今では完全に男性と自覚している」と話すディル・ブドゥジャさんは、この変化を歓迎する一人です。
 人権活動家でありネパール初のオープンリー・ゲイの国会議員でもあるスニル・バブ・パント氏によれば、当局はパントさんらが法廷闘争も辞さない姿勢で要求した結果、選択肢の導入に応じたのだそうです(昨年、パント氏らが身分証の性別欄に「第三の性」を設けるよう要求するデモを行い、逮捕の憂き目に遭ったそうです→詳しくはこちら

 ネパールでは2007年、最高裁が国に対し、性的指向や性自認に基づく差別や同性間性行為の禁止を撤廃するよう求める決定を下しました(逆に言うと、わずか4年前には同性間性行為が犯罪として処罰されていたのです)。この裁定に伴い、国が発行する身分証明書に第三の性別が記載できるようになったそうです。
 最高裁はまた、同性婚の合法化を検討する委員会の設置を政府に命令しました。2009年に発足した委員会は国内各地やノルウェーなどを訪れ、近くアジア初となる同性婚合法化を提言する見通しです。
 ブドゥジャさんは、自身を含め50~60組のカップルが、同性婚合法化の当日に結婚しようと待ち構えていると語ったそうです(男女に限らず結婚できるようになることは、トランスジェンダーの方にとっても切実な願いなのです)


 ちなみにネパールのお隣のインドでもすでに「第三の性」が認められつつあり、すでにパスポートや公的書類のいくつかで、性別欄に「M」でも「F」でもない「E」(第三の性)の項が設けられています(詳しくはこちら)。また、選挙の際の投票券にも「第三の性」の導入が検討されているほか、老齢の「第三の性」の方に年金が支給されることが決まったそうです(詳しくはこちら
 

ネパール、国勢調査に「第3の性別」の選択肢(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/30002928.html

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