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ニューヨーク州下院議会が同性婚法案を採択

2011年06月16日

 6月14日、米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が同性婚を正式な結婚として認める「結婚平等法案」を発表したと報じられました。この法案は「申請者が同性か異性かを根拠として、結婚許可証の申請を却下することがあってはならない」と規定するもので、同性カップルにも異性カップルと同じ結婚の権利を認めるものです。
 クオモ知事は、同性婚の権利を女性参政権などと同じ公民権と位置付け、「わが州は結婚の平等に関しておくれをとっていた」「結婚の平等はこの州の何千もの家庭にとって公正と法的安全の問題であり、宗教や文化の問題ではない」と語りました。
 同性婚の合法化は同知事が1月に就任する際、公約として打ち出していたものです。

 同日、SATC2のミランダ役でおなじみのシンシア・ニクソンと、ニューヨーク・レンジャーズ(アイスホッケー)のスター、ショーン・エイブリーが州都オルバニーに出向き、議員たちに同性婚支持を訴えていました。シンシア・ニクソンは2009年、同州での同性婚実現を求める集会に登場し、同性のパートナー、クリスティン・マリノニさんとの婚約を発表し、「ニューヨーク州で同性婚が認められるまで結婚はしない」と宣言し、聴衆の喝采を浴びました。ショーン・エイブリーは人権団体HRCのキャンペーンに参加し、動画で人々に同性婚支持を呼びかけていました(このキャンペーンにはシンディ・ローパー、ヴァネッサ・ウィリアムズ、ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ジュリアン・ムーア、ラリー・キング、ブロードウェイのスターといった著名人から名もないニューヨーカーまで、本当にさまざまな人たちが参加しています)

 そして15日、ニューヨーク州下院議会は同性婚を認めるこの法案を80対63の賛成多数で可決し、上院に送りました。
 オープンリー・ゲイのダニエル・オドネル州下院議員(民主党)は、「ニューヨーク州における真の平等の達成に向けた非常に大きな一歩だ」と語りました。オドネル議員は、自分と同性のパートナーとの結婚が法律上も認められるべきだと言って同性婚の実現につとめてきた方です。
 15日の下院議会では、宗教、伝統、習慣、家族といった観点からの議論が行われました。民主党の議員らは賛成の立場から、同性婚は基本的人権の一つであり、人々に幸福をもたらすものだと主張し、一方、共和党議員は自分たちは同性愛に非寛容なわけではないとしつつも反対の立場を取りました。
 ニューヨーク州上院は2009年に同性婚を合法化する法案を否決している。オドネル議員によれば、同様の法案が下院で可決されるのは4回目だそうです。今回も上院では接戦が予想されています(現在、同州上院では2人の共和党議員を含む31人の議員が賛成を表明していますが、共和党議員がもう1人賛成に回らなければ可決できないそうです)

 アメリカでこれまでに同性婚を法的に認めたのはマサチューセッツ、コネティカット、アイオワ、バーモント、ニューハンプシャーの5つの州とワシントンD.C.です(カリフォルニア州は2008年に認められたものの、住民投票で覆されました)。ニューヨーク州がこれに続き、同州のゲイ&レズビアンたちの悲願が達成されることを祈ります。(編)


NY州知事、同性婚認める「結婚平等法案」を発表(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/30003075.html

Cynthia Nixon, Sean Avery Lobby For Gay Marriage In Albany(On Top Magazine)
http://www.ontopmag.com/article.aspx?id=8660&MediaType=1&Category=22

ニューヨーク州下院が同性婚を合法化する法案を可決(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/30003092.html

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