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『J・エドガー』来年1月公開決定

2011年09月29日


 レオナルド・ディカプリオとクリント・イーストウッド監督がタッグを組み、ゲイであったジョン・エドガー・フーバー(FBIの初代長官)の半生を描いた映画『J・エドガー』(原題)が来年1月28日(土)から公開されることが決定しました。

 ジョン・エドガー・フーバーは1924年にアメリカ連邦捜査局(FBI)の初代長官に任命され、カルビン・クーリッジからリチャード・ニクソンまで8代の大統領に仕え、1972年に亡くなるまで半世紀近くにわたってアメリカの法の番人の長として君臨し、FBIを現在のような巨大な影響力を持つ組織へと発展させた人物。長官として比類なき権力を誇り、歴代の大統領からさえも畏怖と非難と崇拝の対象として見られていました。その一方で、彼はアシスタント・ディレクター(右腕)であったクライド・トルソンと長年のパートナーであったことが知られており、その二重生活が映画で明らかになります。二人のキスシーンも撮影されています。

 フーバーを演じるレオナルド・ディカプリオは、全米公開は11月9日からであるにも関わらず、早くもアカデミー賞主演男優賞の呼び声が高く、悲願のオスカー受賞に期待がかかっています。
 恋人のクライド・トルソンを演じるのは、『ソーシャル・ネットワーク』でウィンクルボス兄弟(イケメンの双子)を演じたアーミー・ハマーです。
 また、長年フーバーの秘書を務めたヘレン・ガンディーをナオミ・ワッツ(『ザ・リング』)が、彼の過保護な母親をジュディ・デンチ(『NINE』)が演じるなど、共演陣にも実力派俳優が並びます。
 脚本を手がけるのは、映画『ミルク』でアカデミー脚本賞を受賞したオープンリー・ゲイのダスティン・ランス・ブラック。 
 そして、監督は『グラン・トリノ』(2008)、『インビクタス/負けざる者たち』(2009)のクリント・イーストウッド。人種や民族が異なる人たちどうしの和解や友情(人種的マイノリティへの支援)を描き、観客に感動を与えてきました。今回、満を持してゲイの映画に取り組みます。

 時代状況を考えればカムアウトはとても困難だったでしょうが、「大統領が恐れた男」ジョン・エドガー・フーバーのセクシュアリティは、ともすると「禁断の」とか「暗い秘密」といったセンセーショナルなもの(興味本位な暴露趣味)として描かれがちだと思います。しかし、ゲイであるダスティン・ランス・ブラックの脚本と、クリント・イーストウッド監督のヒューマニティは、おそらく、ゲイが観ても共感できるようなかたちでエドガーとクライドの愛を描いてくれると期待します。
 来年の公開を楽しみに待ちましょう。

 

レオ、FBI長官役で悲願のオスカーなるか イーストウッド監督作とのタッグ作公開決定(cinemacafe.net)
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/release/2011/09/11356/

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