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性同一性障害者のホルモン療法の開始年齢が15歳に引き下げられました

2012年01月19日

 日本精神神経学会は12日、性同一性障害(GID)の人が受けるホルモン療法の開始年齢を、これまでの18歳以上から条件付きで15歳以上に引き下げることを決めました。体の性別に対する深刻な違和感から低年齢で自殺未遂を起こしたり不登校になるケースが少なくないことに配慮したものです。

 GIDの治療は、第1段階が精神科での診断とサポート、第2段階が内科的なホルモン療法と乳房の手術(FTMの場合は切除)、第3段階が性器の外科手術というように進んでいきます。ホルモン療法では、女性が男性ホルモン剤を使うと筋肉量が増えて体毛が濃くなり、声は低くなります。男性が女性ホルモン剤を使うと、体脂肪が増えて乳房も膨らみます。

 ホルモン療法による体の変化は治療を中止しても後戻りできない部分も多いため、18歳未満で始める場合は、2年以上にわたって医療チームの観察を受けていることなどを条件としています。また、思春期の体の変化を一時的に止める抗ホルモン剤の使用については、これまで指針がありませんでしたが、第二次性徴が始まっていれば使用を認めることにしました。
(戸籍上の性別を変更する場合の条件となっている性別適合手術(性別再指定手術)の最低年齢は20歳以上のままで、変更なしだそうです)

 GIDの治療指針は日本精神神経学会がガイドライン(1997年策定)で定めており、低年齢者への対応が緊急の課題になっていました。

 
 思春期という最も過敏な時期に、自分の身体が望まない性の方に向かってどんどん変化していく恐怖…そういう深刻な性別違和に悩んできた方たちにとって、今回の対応は朗報と言えるのではないでしょうか。自殺を図ったり登校できなくなる方が少しでも減っていくことを祈ります。


性同一性障害:ホルモン療法の開始年齢15歳に引き下げ(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/science/news/20120113k0000m040131000c.html

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