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英政府、イングランドとウェールズでの同性婚合法化案を発表 

2012年12月18日

イギリスのミラー女性・機会均等担当相は12月11日、イングランドとウェールズで(※1)同性婚を合法化する法案を来年初めに提出すると発表しました。
 ミラー氏は「互いに愛し合い、誓い合うカップルの前に、国が立ちふさがってはならない」「法改正により、社会における結婚はより強固なものになり、現代的な生きた伝統であり続ける。すべての人にとって、より公平な社会も築かれる」と語りました。
 この同性婚法案は、同性結婚式を望まない宗教団体に対して式を執り行うことを強制するものではないという但し書きがついています(イングランド教会とウェールズ教会は、同性婚を禁じた教会の規定が改正されない限り、式を行わないという立場です)
 
 同性婚への動きは、以前から始まっていました。
 まず、昨年秋、キャメロン首相は、保守党の党大会での演説で同性愛者の結婚の合法化を支持する考えを表明しました。宗教界からは強い反発があったそうですが、政府は今年3月、イングランドとウェールズでの同性婚合法化案について公の意見を募りはじめました。政府の考えは(1)同性カップルが登記所やホテルなど(非宗教的な場所)で結婚することを許可する、(2)同性カップルが教会など宗教施設で結婚することは許可しない、(3)シビル・パートナーシップは今後も同性カップルのみが締結できるものとする(※2)、などであり、これらの提案に沿ってヒアリングを進めたそうです。これに対し、同性愛者の権利擁護団体からは「結婚合法化の試みは歓迎するが、教会での結婚を許可しないのは依然として差別である」といった声もあがっていました。この意見募集は今年の6月まで行われ、今回の同性婚法案提出へとつながりました。
 
 一方、スコットランドでは、今年7月、政府が同性婚を2015年までに認めると発表しました。これについても、カトリック教会などから反発がありましたが、LGBTフレンドリーな教会は歓迎したそうです。

 北アイルランドでは、10月に議会で同性婚について議論されましたが、否決されました。



※1 イギリス(グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国)は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国から成る立憲君主国ですが、1990年代にスコットランド、ウェールズ、北アイルランドに議会が設置され、自治が始まっています。そのため、それぞれの議会で同性婚を認めるかどうかについて議論されているのです。

※2 イギリスではすでに同性カップルのシビル・パートナーシップと養子縁組が認められており、ほぼ結婚と同等の権利が与えられています(これは連邦全体での法律です)

 


英政府、同性婚合法化の法案発表 イングランドとウェールズで(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/35025646.html


政府が意見集約作業開始 同性愛者の結婚合法化に向けた動き(英国ニュースダイジェスト)
http://www.news-digest.co.uk/news/news/in-depth/8759-gay-marriage-in-uk.html

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