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オバマ大統領、就任式で「ゲイの同胞たちが完全に平等になるまでは、私たちの旅は終わらない」とスピーチ

2013年01月22日
 バラク・オバマ米大統領は21日、ワシントンD.C.の連邦議会議事堂前で2期目の就任式に臨みました。 

 オバマ大統領は星条旗で飾られた議事堂の西側正面の会場で、大勢の米市民を前にこのようにスピーチしました。
「この国は一握りの幸運な人たちだけに自由が用意された国ではないと、私は信じる」
「私たちの旅はまだ終わっていない。ゲイの同胞たちが法の下にどんな人とも平等に扱われるようになるまでは。私たちが(神によって)真に平等に創られたのだとすれば、もちろん、私たちが交わしあう愛もまた平等でなければならないからだ」
「私たちアメリカ人が今、宣言するのは、最も明白な真実は——私たちは皆平等であるということ——そして、天体が未だに我々を導いているということ——ちょうどセネカ・フォールズ(女性解放運動の端緒となった場所)やセルマ(公民権運動の整地)、そしてストーンウォール(ゲイ解放運動の端緒となった場所)を通じて我々の先祖を導いてきたように」

 アメリカの大統領就任式で「GAY」という言葉が用いられたのは、史上初めてのことです。
 オープンリー・ゲイのCNNレポーター、アンダーソン・クーパーは、この歴史的なスピーチをこのように報じました。「大統領はつい最近、同性婚支持へと『進化』しましたが、彼はこの就任式で本当に力強い声明を発しました。それは、アメリカのゲイ&レズビアンの平等の権利についての歴史的なスピーチでした」

 また、就任式の最後に行われた祝祷で祈りを捧げたのは、同性婚を支持する米国聖公会のルイス・レオン司祭でした。
「私たちは神に祝福があら んことを祈る、なぜなら祝福がなければ、目に見えることしか見えなくなるからだ。しかし、祝福があれば、私たちは神の意志において創造されたとわかる。肌の色が茶色だろうと黒だろうと、男性だろうと女性だろうと、最初の移民だろうと、ゲイだろうとストレートだろうと、富者だろうと貧者だろうと」

 そして、この就任式では、アメリカ初のヒスパニック系のオープンリー・ゲイの詩人であるリチャード・ブランコ(写真右)が、史上最年少で大統領就任式で詩を詠む役を任されました。ゲイの詩人が就任式で詩を詠むのも史上初だそうです。
 ブランコが読み上げた詩のタイトルは「今日の一日」。アメリカの平凡な日常が、どれだけ彼のようなマイノリティも含めたアメリカ人に恵み深いものかを歌い上げた希望の詩です。
「今日、一つの太陽が私たちの頭上に上り、海や岸の上で燃え上がり、スモーキー山脈の向こうからちらりとのぞき、五大湖の水面に映り、純然たる事実を大草原地帯に広め、ロッキー山脈を渡って行った。その一つの光は家々の屋根に降り注いで目を覚まし、その下の窓の向こうでは、声にならない物語が語られた。
 朝、鏡に映る私の顔、あなたの顔、何百万という顔はあくびをし、その日一日のクライマックスに向けた準備を整える。黄色い鉛筆のようなスクールバスと信号のリズミカルな点滅、そして果物の屋台。そこに虹のように並べられたリンゴやライムやオレンジは、私たちに褒めてもらうのを待っている。
 大きな銀色のトラックに積まれたのは石油や紙、それともレンガやミルク。その車列が、ハイウェイで私たちの横を埋め尽くす。私たちはテーブルを拭き、台帳を読み、命を救い、幾何学を教え、または私の母が20年間そうしてきたように食料品店でレジ係の仕事をする。だから私は、この詩を書くことができる」

 オバマ大統領の就任式での歴史的なスピーチに、Twitter上ではたくさんの賛辞が寄せられました。
 

オバマ大統領が2期目の就任演説、「われわれの旅は終わらない」(AFP)

http://www.afpbb.com/article/politics/2922444/10146746

オバマが就任式に託したリベラルの夢(Newsweek Japan)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2013/01/post-2823.php

Obama Sounds Historically LGBT-Inclusive Message in Inauguration Speech(Advocate)
http://www.advocate.com/politics/2013/01/21/obama-sounds-historically-lgbt-inclusive-message-inauguration-speech#.UP5WdGrH6il.twitter

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