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ロバート・デ・ニーロがゲイだった父親のドキュメンタリーを制作

2014年05月31日

 ハリウッドの大物俳優ロバート・デ・ニーロが、ゲイだった画家の実父についての追悼ドキュメンタリー映画『Remembering the Artist:Robert De Niro, Sr.(原題)』を制作しました。この作品はHBOで6月9日にプレミア放映されます。HBOで放送されることを見越して製作したわけではないそうですが、「私にとって父は偉大な芸術家だった」「父のドキュメント映画を製作することは私の義務だった」と感じていたそうです。

 ロバート・デ・ニーロはこのドキュメンタリーについて、『OUT』誌のインタビューに答えています。
 デ・ニーロの父親はゲイであることを隠していなかったそうですが、息子が3歳のときに妻(母親)と離婚しました。デ・ニーロは母親に育てられましたが、父親とも交流があり、深い影響を受けたそうです。
「私たちは一緒に野球をするような父子ではなかったが、接点はあった」
「父は愛すべき人で、私をとても愛していた」
 ドキュメンタリーの中で父親が芸術家であること、そしてゲイであることを「苦痛」と表現していたことに関して、父親がセクシュアリティのことで葛藤していたと思いますか?と尋ねられると、デ・ニーロは「たぶんそうだろうね。あの時代に生きて、ニューヨーク北部の田舎町出身だったから」と返答。「私はあまり気付いていなかった。そのことについてもっと話ができていたらと思うよ。私の母は話をしたがるような人ではなかったし、特定の年齢の時は特に興味も抱かない」
 それでも自分を成功に導いてくれたのは父母だとデ・ニーロは言います。「子どものころの私は『ノー』と言われるのを恐れなかった」「自分の子どもたちにも『やってみなければわからない』と言っている。障害が立ちはだかることはあっても、どこからか切り抜ける。それ自体がエキサイティングでもある」
 抽象画の画家として数々の作品を残して活躍した父親は、ニューヨークのソーホーにアート・スタジオを構えていました。1993年に父親が死去した後、デ・ニーロがこのスタジオを受け継ぎ、現在も手放さずにいるそうです。「彼の存在を残すための唯一の方法だった」。数年前に手放すことを考え、売却する前にビデオカメラで撮影し、写真に収めたそうですが、「やっぱりできない」と売るのをやめたそうです。
 デ・ニーロは2003年に前立腺がんの摘出手術を受けた際、父親も前立腺がんにかかっていたことを明かしていました。「父は手術を怖がって受けなかったためにがんが転移して亡くなった。父の死を無駄にしたくなかった」と当時語っていました。
 ドキュメンタリーでは父親の日記の一部も紹介。日記はまだ読んでいる途中で、「父が残した遺産の一部」として今後追加公開する可能性もあるそうです。
 大切なのはすべてを明らかにすることであり、「何も隠すことはできない。それが核心であり、真実だ。人々はそれに魅せられる」とデ・ニーロ。「本当は10年前にやっておくべきだったが、やっと実現できたことをうれしく思う」

 HBOで放送されたゲイに関するTV映画といえば、『エンジェルス・イン・アメリカ』『恋するリベラーチェ』を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。『エンジェルス・イン・アメリカ』はWOWOWで放送され、『恋するリベラーチェ』はカンヌでプレミア上映された後、エミー賞で作品賞・監督賞などを受賞し、日本でも劇場公開されました。この『Remembering the Artist:Robert De Niro, Sr.(原題)』も日本で観ることができたらいいですね。



デ・ニーロ、同性愛者の父のドキュメンタリー制作(CNN)
http://www.cnn.co.jp/showbiz/35048612.html

ロバート・デ・ニーロ、同性愛者だった父への思いを告白(クランクイン!)
http://www.crank-in.net/celeb_gossip/news/31099

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