g-lad xx

NEWS

渋谷区の条例案の詳細が発表されました

2015年02月23日

 渋谷区の鈴木けんぽう区議が、渋谷区議会に送付された「渋谷区男女平等および多様性を尊重する社会を推進する条例」の案文を速報で流してくださったので、紹介いたします。
 鈴木区議も書いているとおり、前文が素晴らしいです(まるで日本国憲法のよう)

 日本国憲法に定める個人の尊重及び法の下の平等の理念に基づき、性別、人種、年齢や障害の有無などにより差別されることなく、人が人として尊重され、誰もが自分の能力を活かしていきいきと生きることができる差別のない社会を実現することは、私たち区民共通の願いである。
 本区では、これまで、男女平等社会の実現を目指して、男女共同参画行動計画を策定し、推進することにより、男女の人権の尊重に積極的に取り組んできた。
 しかし、男女に関わる問題においては、今なお、性別による固定的な役割分担意識とそれに基づく制度や慣行が存在すること、一部の性的指向のある者及び性同一性障害者等の性的少数者に対する理解が足りないことなど、多くの課題が残されている。
 日本には、他者を思いやり、尊重し、互いに助け合って生活する伝統と多様な文化を受け入れ発展してきた歴史があり、とりわけ渋谷のまちは、様々な個性を受け入れてきた寛容性の高いまちである。一方、現代のグローバル社会では、一人ひとりの違いが新たな価値の創造と活力を生むことが期待されている。このため、本区では、いかなる差別もあってはならないという人権尊重の理念と人々の多様性への理解を、区民全体で共有できるよう積極的に広めていかなければならない。
 これから本区が人権尊重のまちとして発展していくためには、渋谷のまちに係る全ての人が、性別等にとらわれず一人の人間としてその個性と能力を十分に発揮し、社会的責任を分かち合い、ともにあらゆる分野に参画できる社会を実現しなければならない。
 よって、ここに、区、区民及び事業者が、それぞれの責務を果たし、協働して、男女の別を超えて多様な個人を尊重し合う社会の実現を図り、もって豊かで安心して生活できる成熟した地域社会をつくることを決意し、この条例を制定する。

 第四条が「性的少数者の人権の尊重」を謳うものとなっています。

(性的少数者の人権の尊重)
第四条
区は、次に掲げる事項が実現し、かつ、維持されるように、性的少数者の人権を尊重する社会を推進する。
一 性的少数者に対する社会的な偏見及び差別をなくし、性的少数者が、個人として尊重されること。
二 性的少数者が、社会的偏見及び差別意識にとらわれることなく、その個性と能力を十分に発揮し、自らの意思と責任により多様な生き方を選択できること。
三 学校教育、生涯学習その他の教育の場において、性的少数者に対する理解を深め、当事者に対する具体的な対応を行うなどの取組がされること。
四 国際社会及び国内における性的少数者に対する理解を深めるための取組を積極的に理解し、推進すること。

 それから、第十条で「区が行うパートナーシップ証明」について、第十一条でパートナーシップ証明の尊重の義務について書かれています。これまで発表されていた内容と概ね同じですが、「共同生活を営むにあたり、当事者間において、区規則で定める事項についての合意契約が公正証書により交わされていること」という項目が加わっています。(公正証書についてはこちらをご覧ください)

(区が行うパートナーシップ証明)
第十条
区長は、第四条に規定する理念に基づき、公序良俗に反しない限りにおいてパートナーシップに関する証明(以下「パートナーシップ証明」という。)をすることができる。
2 区長は、前項のパートナーシップ証明を行う場合は、次の各号に掲げる事項を確認す
るものとする。ただし、区長が特に理由があると認めるときは、この限りでない。
一 当事者双方が、相互に相手方当事者を任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号)第二条第三号に規定する任意後見受任者の一人とする任意後見契約に係る公正証書を作成し、かつ、登記を行っていること。
二 共同生活を営むに当たり、当事者間において、区規則で定める事項についての合意契約が公正証書により交わされていること。
3 前項に定めるもののほか、パートナーシップ証明の申請手続その他必要な事項は、区規則で定める。

第十一条 区民及び事業者は、その社会活動の中で、区が行うパートナーシップ証明を最大限配慮しなければならない。
2 区内の公共的団体等の事業所及び事務所は、業務の遂行に当たっては、区が行うパートナーシップ証明を十分に尊重し、公平かつ適切な対応をしなければならない。 

 条例案の全文はこちらに掲載されています。

 なお、change.orgというサイトでは「渋谷区応援!みんなにやさしい日本を目指して、『同性パートナーシップ証明書』を実現してください!」というキャンペーンがスタートしています。3月の区議会で無事に採択されますように!と思う方は、ぜひ賛同のご署名を。

INDEX

SCHEDULE