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東京都の昨年の新規HIV感染者数が発表され、20代で過去最多となりました

2015年04月07日

 東京都は2014年の1年間に都内の保健所を通じて新たに報告されたHIV感染者とエイズ患者の数が、前年より43人多い512人だったと発表しました(現行の統計を取り始めた1989年以降で3番目に多いそうです)。このうち、20代のHIV感染者は前年より45人多い148人で、2010年の139人を上回り、過去最多となりました。

 もう少し詳しく見ると、2014年の新規HIV感染者は前年比56人増の415人、新規エイズ患者は13人減の97人。感染経路別に見ると、同性間性的接触が373人(72.9%)で、前年に比べて20人増加し、過去2番目に多い数字となりました(異性間性的接触は前年比27人増の91人)。年齢別では、新規HIV感染者は20代が148人(36%)、30代が135人(32%)で、20〜30代が7割近くを占めました。新規エイズ患者は30代が35人(36%)、40代が31人(32%)で30〜40代が7割近くを占めています。なお、HIV検査件数は27531件で、前年に比べて約5%増加しました。(詳しくはこちら
 東京都は「若年層の間でエイズ予防のための知識が不足しているので、今後、啓発活動を強化するなど対策を徹底したい」としています。

 同性間性的接触が7割強を占めるなかで、全体としてエイズを発症する人が減り、検査を受けてわかる人が増えているわけですから、それはaktaをはじめとするゲイ・バイセクシュアル男性向けの予防啓発の成果と言えるのではないでしょうか?(20代の発症が少ないということも)
 そして、若年層への啓発活動を強化すると言うのであれば、ぜひ全体の7割強を占めるゲイ・バイセクシュアル男性向けの予防啓発に重点的に力を入れて、コミュニティセンター「akta」の存続を図っていただければ、と願うものです。

 
 なお、東京都ではもう1つ、注意すべき性感染症があります。梅毒の流行が進んでいるのです。
 日本全国の昨年の梅毒患者数は1671人で、統計をとりはじめた1999年以降、最多となりました。しかし今年は、昨年を上回るペースで患者が報告されています。1月〜3月の3ヶ月間の患者数は昨年同期より85人多い399人となっており、中でも東京都が159人と、突出して多くなっています。
 梅毒の主な感染経路は、感染部位と粘膜や皮膚の直接の接触です。
 治療法はシンプルで、ペニシリンの服用で治ります。
 ただし、梅毒に感染していると、性器の炎症や傷などからHIVに感染しやすくなります(何倍も感染率が高くなると言われています)。もしエイズを発症すると、体の免疫機構が弱くなるため、梅毒の治療も難しくなります。梅毒を治療せずにいると、菌によって脳や神経などが侵され、最悪の場合は死亡することもあります。
 感染の有無は、保健所が無料で実施している検査でわかります。血液を採取し抗体を調べる方法が主流で、結果はおおむね1週間でわかります。ただし、感染したと思われる時点から1ヵ月(ウィンドウピリオド=抗体ができるまでの期間)が経過したあとで受検してください。
 この機会に、梅毒の検査とあわせてHIV検査を受けてみてはいかがでしょうか?



東京都内のエイズウイルス感染者 20代で過去最多(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150406/k10010039611000.html

HIV:昨年の感染者、20代は過去最多148人 匿名で無料 都、検査呼びかけ/東京(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/m20150407ddlk13040121000c.html

「梅毒」患者が過去最多の昨年を超えるペースで増加!東京で突出(iroiro)
http://irorio.jp/nagasawamaki/20150407/219612/

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