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LGBTに優しい高齢者向け施設の建設が実現しそうです

2015年06月09日

 関西で、LGBTに優しい高齢者向け施設(老人ホームやケアハウス、サービス付高齢者住宅)の建設が実現しそうです。これまで「ゲイの老人ホームがあったらいいね」といったことは繰り返し語られてきましたが、実際に施設をつくることになったのは、おそらく初めてではないかと思います。
 
 ゲイコミュニティで「ゲイの老人ホームを作ろう」といった話が持ち上がったのは、2000年の頃でした。2001年には伏見憲明さんによる「クィア・ジャパン Vol.5 夢見る老後!」という(岸田今日子さんを表紙モデルに迎えた)本が出版され、鮮烈なインパクトを与えました。同じ頃、フィリピンでゲイ向けの老人ホームができたというニュースも話題になりました(その話をヒントに、映画『メゾン・ド・ヒミコ』が制作されました)。2003年、永易至文さんが『季刊 にじ』を創刊。以降、継続的に「ゲイのくらし」や「ゲイの老後」についてコミュニティに発信してきました。『バディ』や『ジーメン』といったゲイ雑誌でも、特集や連載が組まれました。2009年には東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で、ロサンゼルスのLGBT高齢者向け住宅のドキュメンタリー『安らぎの家を探して』が上映されました。そして2010年、グッドエイジングエールズが設立され、2013年には初のLGBTフレンドリーなシェアハウスができました(代表の松中さんは「ゆくゆくはLGBTフレンドリーな老人ホームをつくりたい」と語っています)
 パートナーも子どももいないLGBTは誰に面倒を見てもらうのか? LGBT(特にHIV陽性者)が一般の高齢者向け施設で安心してやっていけるのか?(そもそも入居できるのか?) 老後の備えなどのライフプランをどう考えればよいのか? など、LGBTの老後についてさまざまなことが語られてきました(その多くはシビアな見方でした)。同時に、LGBTに優しい高齢者向け施設(老人ホームやケアハウス、集合住宅など)のことが「夢」として語られてきました。遂にそれが現実となる時がやってきたのです。
 
 今回のLGBT高齢者向け施設の実現に至る経緯をざっとお伝えします。
 大阪在住のとあるゲイの方が、同窓会で老人ホームやケアハウスを経営している元同級生に「これからの時代、ゲイやレズビアンの老人ホームやケアハウスが必要になってくるからどうか考えてみてはくれないだろうか?」と話を持ちかけたところ、初めはあまり乗り気ではなかったのですが、飲み会で会うたびにLGBTのことを少しずつ説明して説得を重ね、ある日、「前に提案してくれたLGBTに優しいホーム、これから先を見据えると必要になると思った。実際に作ろうと考えてる」という電話がかかってきて(偶然にも、東京レインボープライドが開催され、渋谷区長選挙で同性パートナーシップ条例の成立に尽力した区議が当選した日)、本当につくることになったんだそうです。
 しかし、いざ、LGBTに優しい高齢者向け施設をつくろうとしたとき、どういう建物がいいのか? どこに作ればいいのか? どういう中身にすればいいのか? LGBT&シングルはどういう入居が望ましいのか? 介護士などスタッフの理解は?など、具体的なニーズがわからないということで、幅広く意見を集めるための会が設けられることになりました。
 そういう施設の必要性を強く感じている方、老後に不安を覚える方、関西在住で興味がある方なども、ぜひ足を運んでみてください。

誰にでも老後は来る
LGBT&シングルのための、今ふたたびのLIFE!
日時:6月14日(日) 14:00-16:00
会場:大阪市北区中津1-6-29
参加費:¥500(資料代として)
主催:株式会社フィールド、アラスカ社
協力:特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ

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