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俳優の青木結矢さんがゲイであることをカミングアウト

2015年06月19日

 青木結矢(あおきゆうや)さんは、ドラマ「学校の怪談G」(関西テレビ)で俳優デビュー、2003年ミュージカル「レ・ミゼラブル」で初舞台(男性最年少)、その後「ミス・サイゴン」「The Musical AIDA 宝塚歌劇 王家に捧ぐ歌より」などに出演してきた俳優の方ですが、このたび、ゲイであることをカミングアウトしました。

 青木さんのカミングアウトのきっかけとなったのは、6月26日(金)から上演される舞台『君よ生きて』だそうです。
「『君よ生きて』には、先人たちがつないだ命のバトン、という副題がついています。つまり、大戦後のシベリア抑留という過酷な状況に追い込まれても、命のバトンを必死に次代へとつないでくれた先人たちがいた、ということをテーマにした作品です。いま私たちが授かっているその命を大切にして、次へとバトンタッチしていこうというメッセージが込められています。そんな作品で演じているうちに、自分の中にも変化があったんです」
 それは「本当の自分をありのままに出して生きる勇気」をメッセージにして発信することでした。6月15日、『君よ生きて』の稽古場で、演出の望月氏ほか主要キャストたちが見守るなか、青木さんは集まった全員に向かってこう語りました。
「この作品に出会えたおかげで、はっきりとわかりました。同性愛者である僕にとって、先人から受け継いだ自分の命を大切にするということは、ありのままの自分を隠さずに出していくこと、それが物理的に命を繋げない僕なりの命のバトンだと」
 このカミングアウトに、これまでの青木さんの人知れぬ苦悩を知っていた俳優仲間のひとりは、思わず感涙したといいます。 
「自分が同性愛であることに気づいたのは10代のとき。それ以来ずっと僕は、周囲にウソをついてきました。これはとてもつらいことです。両親や友達に対してもそうだし、ときには違和感を覚えながらも女性ともお付き合いをしました。しかし気づいたんです。もうこの重荷を解放する勇気を出す時だと」
 愛や恋愛を語る時にはいつも本当の自分を隠し、うその上塗りを続ける…「それはいつ終わるともしれない、拷問にも近いもの」と、青木さんは語ります。
「なかでもいちばんの壁は、やはり親としっかりと向き合えるかどうか、ですよね。僕もずっと隠していましたが、ある経緯があって、第三者の口から親が知ってしまうんです。その結果、今は僕のことを受け入れてもらえていますが、親にとっても受容は勇気のいることでしょう」
「世の中が性の多様性を認めてくれるということは、当事者たちにとって、とても心強いことです。『孤立しなくていいよ』と言ってくれているわけですから。社会が受容してくれることで、親や周囲の人間関係との折り合いなど、当事者たちが越えるべきハードルが、今後はより低いものになってくれるといいなと思います」
「カミングアウトするということは、すべての人からの視線を、それがどんなものであろうとも受け入れていく、そんな覚悟・勇気の表明です。ですから今後はむしろ、胸を張って、いろんな役にチャレンジしていきたいですね。作品のテーマが女性とのラブロマンスであれば、それは僕のプライベートでは起こりえない現実なのです。でも愛の形は僕らと何も変わらない。むしろ役者としてチャレンジしていきたい」

 青木さんが出演する音楽劇『君よ生きて~先人たちが繋いだ命のバトン~』(演出・脚色/望月龍平)は6月26日(金)~28日(日)まで「東京フィルムセンター映画・俳優専門学校」にて上演、その後、横浜、千葉、名古屋、大阪、福井などで上演されます。



音楽劇『君よ生きて』に出演中のミュージカル俳優、青木結矢(32)が同性愛をカミングアウト(朝日新聞Digital)
http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/CATP20154469.html

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