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奈良市が自治体として初めてIGLTA(国際ゲイ&レズビアン旅行協会)に加盟

2015年10月01日

 10月1日、奈良市の仲川市長が、IGLTA(国際ゲイ&レズビアン旅行協会=LGBTの旅行を支援している国際団体)に日本の自治体として初めて加盟する意向を示しました。

 9月29日に東京で、30日に京都で、海外のLGBTがもっと日本に来てくれるようになるためにはどうすればよいかというテーマで旅行業者向けのセミナーが催されましたが、その講師の一人としてIGLTA広報ディレクターのロアン・ハルデンさんが関西を訪れており、10月1日、奈良市役所で仲川市長と会談しました。
 この会談のなかでロアン・ハルデンさんが「LGBTの旅行者は歴史や文化に興味を持っているので奈良の良さを見せることが重要です」と語り、奈良市に団体への加盟を求めました。これに対して仲川市長は「奈良市としても世界で認知度を高めることは重要です」と述べ、加盟する意向を示しました。
 これまで日本では、「Out Asia Travel」などの旅行業者、グランヴィア京都やグランデコ・スノーリゾート、パームロイヤルNAHAなどのホテルがIGLTAに加盟してきましたが(全国でも十数社しか加盟していません)、自治体として加盟を表明したのは奈良市が初めてです。
 IGLTAに加盟するとLGBTに理解のある自治体として国際的に周知され、今後、海外のLGBTが奈良を旅行先として認知するようになる(優先順位が上がる)きっかけになると見られています。なお、LGBT旅行市場は全世界合計で約25兆円にものぼると言われています。
 仲川市長は「奈良はコンパクトだからこそLGBTへのおもてなしを浸透させやすい。観光協会などと連携して受け入れ体勢を整えていきたい」「観光という切り口で、世界のLGBTの方々と我々がつながる。結果として、奈良の方々にもフィードバックしていけるのではないか」と語りました。

 ちなみに、奈良市がIGLTAへの加盟を表明したのは、決しての晴天の霹靂というわけではありません。2010年には、奈良教職員組合がLGBTの若者を支援するための教職員向けパンフレット(こちらでPDFをダウンロードできます)を作成し、県内の公立学校や幼稚園などに配布しています(全国の自治体の中でもたいへん先進的な取り組みでした)。また、2014年にはなら国際映画祭で映画『アゲンスト8』の関西初上映とボリス・ディトリッヒさん(ヒューマン・ライツ・ウォッチのLGBT権利プログラムのアドボカシー・ディレクター)らを招いたトークイベントを行っています(これはLGBTの方たちにも奈良に来てもらおうという意図で行われた企画です)
 LGBT支援宣言が大阪市淀川区から那覇市に波及したように、また、同性パートナー証明書の発行が渋谷区から世田谷区などに波及したように、IGLTAへの加盟も、今後、他の都市へと波及していくのではないでしょうか。



LGBT支援団体に加盟表明(NHK奈良)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/2055272111.html?t=1443708680267

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