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ジョージア州の同性愛差別法案にディズニーや映画人らが非難の声を上げ、法案は不成立となりました

2016年03月29日

 米ジョージア州で、信仰を理由に同性愛者へのビジネスサービスを拒否してもよいとする法案「The Free Exercise Protection Act」(通称:宗教自由法)が州議会を通過し、波紋を呼んでいます。もしこの法案が知事の署名によって成立すれば、飲食店や小売店が信仰を理由に同性愛者への商品販売を拒否し、企業が同性愛者を解雇し、聖職者が同性婚を執り行うことも拒否できるようになります(全米で同性婚が合法化されたにもかかわらず) 

 このことを受け、ウォルト・ディズニーは3月23日、この法律が制定されれば同州での映画製作をやめると表明しました。「ディズニーとマーベルはあらゆる人に門戸を開いている企業だ。われわれはジョージア州での映画製作で素晴らしい経験があるが、差別的行為を容認する州法が施行された場合、どこか別の場所にビジネスを移す計画だ」 

 インテルやイェルプといったハイテク企業の幹部も法案への拒否権発動を呼び掛けています。
 マイクロソフトやアップル、ヒルトンホテル、アトランタに本社を置くコカ・コーラとデルタ航空も廃案を求めています。
 クラウド大手のセールスフォース・ドットコムは、拒否権発動が見送られた場合、アトランタでのテクノロジー会議を含むジョージア州での投資を削減するとしています。
 また、米プロフットボールリーグ(NFL)は、法案が成立すれば同州でスーパーボウルは開催できなくなると通告しました。

 人権団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」は、州都アトランタが南のハリウッドと呼ばれ、ジョージア州は映画産業で非常に潤っていること、同じようなカリフォルニア州とニューヨーク州ではセクシャルマイノリティは差別の対象ではなく、保護の対象となっていることを挙げ、法案に署名すれば、ジョージア州では一切の事業を展開しないと明言し、法律として成立させないよう強く求める書簡を、ネイサン・ディール知事(共和党)宛に送りました。この書簡には多くの映画人が署名しており、俳優ではアン・ハサウェイ、ジュリアン・ムーア、ゾーイ・クラヴィッツ、マリサ・トメイらが、映画監督ではリー・ダニエルズ、ガス・ヴァン・サント、アダム・シャンクマンらがいます。20世紀FOXをはじめとする映画会社、人気ドラマ「ウォーキング・デッド」を製作するAMCなどのTV会社もこぞって署名しました。アトランタに本社を置くCNNなども同様です。

 3月28日、ディール知事は「宗教に基づく社会を守るために誰かを差別しなければならないとは思わない」と述べ、拒否権を発動することを表明しました。
 拒否権発動を決めた理由について、知事は「ジョージア州は愛と誠意と寛容に満ちた開かれた州であり、その姿を保ちたい」と語りました。
 

 
 


米ジョージア州法案に同性愛差別の批判、ディズニーなど撤退通告(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/35080053.html

米ディズニー、ジョージア州から撤退も-同性愛差別容認の法成立なら(ブルームバーグ)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-03-24/O4IXNY6JTSE801

ジョージア州の反同性愛法案をめぐり対立が激化(GQ JAPAN)
http://gqjapan.jp/column/column/20160325/hollywood-vs-georgia

同性愛差別と批判の法案、州知事が拒否権 米ジョージア(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/35080284.html

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