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ソウルのプライドパレードに5万人が参加し、盛り上がりを見せました

2016年06月17日
   GWの東京レインボープライドにも主催者の方たちが来てくださっていましたが、6月11日、韓国のソウルで毎年恒例のプライドパレードが「コリア・クィア・フェスティバル」の一環として開催され、たくさんの参加者が市内中心部の通りを練り歩きました。

 一昨年はキリスト教保守団体らによる妨害に遭い、昨年は一旦警察から中止を言い渡されながらも起死回生の盛り上がりを見せたソウルクィアパレードですが、今年は主催者発表で5万人が参加し、午後4時半からおよそ1時間半かけて、ソウル広場から乙支路2街、明洞のロッテデパート本店前を通って再びソウル広場に戻るおよそ3キロを晴れやかに行進しました。東京レインボープライドもフロートを出展し、日本らしい法被姿の男の子たちが盛り上げていました。
「コリア・クィア・フェスティバル」組織委員会のカン・ミョンジン委員長は「去年に続いてソウル広場で開催できたことは嬉しい。性の多様性について市民が自由に話し合える場となるよう期待する」と述べました。

 今回のパレードでは「性的少数者父母会」がブースを出展し、「ありのままのあなたを愛している」という気持ちを込めてフリーハグを行っていて、感動を呼んでいました。父母会のボミさん(50歳)は、ブースに立ち寄った学生をしばらく抱き寄せたり、両手の親指を立てながら「愛しています。よく来ましたね。がんばってね」と語りかけていました。ブース付近に設置されたメモ板には「いつかは話すつもりです…嘘をつかずに」「性的少数者の父母会があるのを知って驚きました。ありがとうございます」というメッセージが残されていました。ポミさんはインタビューに答えて「ハグされた何人かの人は、自分の母親のように感じたのか泣きだす人もいて、親に(性的少数者という事実を)堂々と話して認められたらどんなに素晴らしいか、考えていたみたいです」と語りました。「性的少数者の子供がいても両親が何もしない場合が多いけど、親の集まりがあるので関心を持って訪ねてきてもらいたい」「当事者の人たちに、自分を支持してくれる親がいるという事実を伝えるだけでも意味があります」

 同日のクィア・フェスティバルでは、性的少数者に対する嫌悪の拡散を憂慮するクリスチャンによる聖餐会が開かれ、注目を集めました。「性的少数者への嫌悪と排除の拡散を憂慮するメソジスト牧師や信徒会、メソジストクィアともに」は、他のクリスチャンらと共にソウル広場の片隅に「レインボーイエス」というブースを設け、「今日、聖霊が施している祭りを味わったすべての者が、世間が課したすべての虚飾と偏見を脱ぎ棄て、真の自由を享受できるように」という祈りが広場に静かに響き渡っていました。聖餐式はキリスト教でイエスの最後の食事を再現する儀式で、イエスキリストの犠牲と愛を記憶し、その中で「私たちは一つ」という意味を持つそうです。ソンドル香隣教会のイム・ボラ牧師は「誰でも差別を受けない平等な世の中を作るのが宗教の役割」と語りました。

 一方、ソウル広場の向かい側にある徳寿宮の大漢門前では「クィア・フェスティバル反対国民大会」が開かれました。演説の途中で集会参加者らは「同性愛アウト(OUT)」などと書かれたプラカードを振りかざし「アーメン」と叫んだといいます。こうした一部のキリスト教保守団体が以前のようにパレードを妨害することも懸念されましたが、警察が2000人余りの警察官を動員して警備に当たっていたこともあり、衝突は発生せず、無事に終了しました。
 

 
 
韓国で「ゲイ・プライド・パレード」、反対派宗教団体の抗議も(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3090178

性的少数者 ソウル中心部をパレード(KBS)
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Dm_detail.htm?No=59569

親の代わりに性的少数者をハグ ソウル広場のイベントが好評(ハンギョレ)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24377.html

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